パーキンソン病

パーキンソン病の基本情報

 

パーキンソン病とは?

パーキンソン病は、「手足のふるえ(振戦)」「動きが遅くなる(無動)」「筋肉が固くなる(筋固縮)」「転倒しやすくなる(姿勢反射障害)」などを主症状とする病気です。
ドパミン神経細胞の減少が原因とされ、症状の進行はゆっくりだが、放置すると徐々に身体の動作が悪くなります。神経内科脳神経外科の受診が通常です。

パーキンソン病の基礎知識

病名

パーキンソン病

別名

特になし

症状

パーキンソン病の特徴的な症状は、 動作緩慢(どうさ-かんまん)、静止時振戦(せいしじ-しんせん※1)、固縮(こしゅく※2)、姿勢反射障害(※3)であり、これらは4大症状とされている。
他にも便秘などの自律神経症状、嗅覚を含めた感覚障害、認知・精神機能障害、睡眠障害などの非運動症状も起こるとされる。

罹患者数

10万人に100人~150人の割合で発症。

発症しやすい年齢と性差

発症年齢は50~65歳に多い。
高齢になるほど発病率が増加し、60歳以上では100人に1人程度とされる。

原因

中脳黒質(※4)にあるドパミン神経細胞(※5)の減少により、発症するといわれている。
ドパミン神経が減少することにより、体がうごきにくくなり、ふるえが起こりやすくなる。

受診の必要性

パーキンソン病は緊急性のある病気ではないが、放置すると徐々に身体の動きが悪くなるので、その場合は神経内科あるいは脳神経外科を受診する。

検査内容

血液検査、脳MRIやCTを基本的におこなうが正常であることが多い。
類似疾患鑑別のために脳血流検査(SPECT、DATscan)や心筋MIBG検査をおこなう。

治療可否

現時点では根本的な治療は難しく、症状に合わせて対症療法をおこなうのが一般的。
早期に治療を開始したほうが有効とされているため、早期に受診されることを勧める。

治療法

治療の基本は減少したドパミンを補うことやリハビリテーションである。
ドパミンを補う方法は内服薬が中心だが、貼薬や注射薬もある。
また、脳深部刺激治療といった手術療法もある。

治療期間

現時点での治療は対症療法となるので、症状に合せた治療の選択を生涯おこなう必要がある。

編集部脚注

※1 振戦 (しんせん)

振戦は「筋肉の収縮と弛緩が繰り返された結果として生じる無意識のふるえ」です。
パーキンソン病の文脈では、基本的に「手のふるえ」を意味します。
静止時振戦(安静時振戦)は、「手にまったく力が入っていない状態でのふるえ」です。

※2 固縮 (こしゅく)

固縮は「筋肉のこわばり」です。
「手足の曲げ伸ばしが難しくなる」「動きがぎこちなくなる」などの症状が現れます。
筋肉がこわばった状態を指すので、「筋固縮」と呼ぶことも多いです。

※3 姿勢反射障害

姿勢反射障害は「立ったままバランスをとるのが難しくなること」を指します。
普通、私たちは無意識のうちにバランスをとっており、多少、押されたくらいでは転倒しません。
しかし、「パーキンソン病」「進行性核上性麻痺」などに罹患していると、反射的にバランスをとることが難しくなります。
この状態を指して「姿勢反射障害」と呼んでいます。

※4 中脳黒質 (ちゅうのうこくしつ)

中脳黒質は「脳のおおよそ中央部にある部位」です。
メラニン色素の多い神経細胞が集まっていることから「黒質」と呼ばれています。

黒質には「ドパミンを産生する中枢神経細胞(ドパミンニューロン)」が存在します。
ドパミンは、脳が発した信号を全身の細胞に伝える「神経伝達物質」の1つです。
黒質でつくられたドパミンは、まず「大脳基底核の線条体」に送られます。
線条体は「運動機能」「意思決定」に関与する部位として、知られています。

パーキンソン病にかかると、黒質の神経細胞に「異常なタンパク質」が溜まります。
「異常なタンパク質」としては、αシヌクレインが知られています。
αシヌクレインには神経毒性があり、ドパミンニューロンを脱落させると考えられています。
ドパミンニューロンが脱落し、ドパミンが正常に産生できなくなるということです。

パーキンソン病にかかった人の中脳黒質では、αシヌクレインをはじめとした「異常なタンパク質」の塊(かたまり)―レビー小体が形成されます。
そのため、「レビー小体に神経毒性があり、ドパミンニューロンを脱落させる」と説明する場合もあります。
しかし、「レビー小体に神経毒性があるか否か」には諸説あります。
「神経毒性があるのはαシヌクレインで、レビー小体はαシヌクレインを包みこんで無毒化させるための塊である」と考える専門家もいるからです。
この場合、レビー小体は「中脳黒質を守るための構造物」ということになります。

「パーキンソン病にかかると、レビー小体が現れる」という事実は正しくても、「パーキンソン病にかかるのは、レビー小体が原因である」と断定するのは困難です。
ただ、いずれにしても「αシヌクレインが神経毒性を有していること」は確実視されています。

さて、ドパミンニューロンが脱落すると、ドパミンが正常に産生されなくなります。
当然、中脳黒質から大脳基底核の線条体に十分な量のドパミンを送ることができません。
結果、線条体が正常に機能しなくなり、パーキンソン病の症状が出てきます。

※5 ドパミン神経細胞

ドパミン神経細胞は、神経伝達物質―ドパミンを産生・放出する細胞です。
別名で「ドパミンニューロン」と呼ぶことも多いです。

■医師が推薦する情報サイト
一般社団法人 全国パーキンソン病友の会
難病情報センター パーキンソン病

■参考サイト
難病情報センター パーキンソン病

 

パーキンソン病とは?

パーキンソン病は体と自律神経に障害が起きる病気

パーキンソン病は脳の中の神経に異常が起き、体の動きに影響が現れる原因不明の病気です。
発症自体を抑えることや完治させることは難しく、かかってしまった場合は進行を遅らせて日常生活に支障が出ないようにすることが治療の目的となります。

脳の神経に異常が起きることで中枢神経や自律神経にも影響を及ぼし、「抑うつ」や「幻覚」などの精神症状や自律神経障害が現れることがあります。

日常生活へのさまざまな影響

パーキンソン病にかかると、神経伝達物質であるドーパミンの量が減少することで運動機能が低下し、手足のふるえ(振戦)や筋肉が固まる症状(固縮)などの症状が見られます。

最終的にはベッド上での生活(寝たきり状態)になってしまうこともあり、早い段階からしっかりと治療をはじめて進行を遅らせ、よい状態を長く保つことが重要です。

パーキンソン病とは?

パーキンソン病になりやすい人の特徴と発症年代

パーキンソン病は50~65歳で見られることの多い病気です。
一般的に性格は真面目で几帳面な人や、対人関係に消極的な人がパーキンソン病になりやすいとされています。

また、40歳以下の若年層も発症することがあり、これを「若年性パーキンソン病」と呼びます。
若年性パーキンソン病は遺伝的な要素によって発症する可能性が高く、別名「家族性パーキンソン病」とも呼ばれています。

【執筆】尾畑 十善 先生

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