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しょくどうがん食道がん

更新日:2022/08/16 公開日:2019/02/08 view数:8,577
目次
  1. 食道がんとは
  2. 食道がんの症状
  3. 食道がんの診療科目・検査方法
  4. 食道がんの原因
  5. 食道がんの予防・治療方法・治療期間
  6. 食道がんの治療経過(合併症・後遺症)
  7. 食道がんになりやすい年齢や性別

食道がんとは

気管との分岐点から胃の入り口をつなぐ一本のパイプ状の臓器である食道にできたがんを「食道がん」といいます。

食道は「頸部(けいぶ)食道」「胸部食道」「腹部食道」の大きく3つに分かれています。食道がんの約半数が食道中央付近から発生しています。

日本人の食道がんの90%以上は食道の内面を覆う粘膜上皮にできると言われます。

食道がんは内視鏡での観察や、バリウムを飲んでレントゲンを撮ることで発見できます。がんであると分かれば、CTスキャンやMRI検査でがんの状態を診ます。

手術や抗がん剤、放射線による治療がおこなわれます。

食道がんの症状

早期食道がん

人によっては飲み込む時にのどに違和感がある、熱いものや酸っぱいものでのどがしみるといった違和感があります。この違和感が続くようであれば、医療機関を受診することが推奨されます。

しかし、病院の受診を検討するほどの自覚症状があらわれることは、あまりありません

進行がん

飲み込む時に、つかえた感じがします。食事をするとのどや胸に痛みを感じるようになります。

これはがんが進行して大きくなり、食道の内側に張り出したりして食べ物の通り道が狭くなっているからです。食事がしづらくなって体重が減少していきます。

転移がん

がんを放っておいてリンパ節や食道から遠い臓器にも転移すると、そこからがんが増殖していきます。例えば背骨に転移すると、背中や胸が痛み出します。肺などの呼吸器に転移すると、声がかすれたり咳が出たりします。

食道がんの診療科目・検査方法

自覚症状に気づいた、あるいは検診などでがんの疑いがあったら、胃腸内科消化器内科などの専門医による診断を受けましょう

検査で詳しく調べ、体力や身体の状態などさまざまな状況を考慮して治療方針を決定します。

検査から治療方針の策定まで

1.検査

内視鏡検査(胃カメラ検査)および食道造影検査(バリウムを飲んでレントゲン検査)で食道壁の状態を確認します。

2.診断

内視鏡検査時に採取した食道の組織を詳しく調べ、がん細胞なのか正常な細胞なのかを判定する組織生検でおこないます。「扁平上皮がん」なのか「腺がん」なのかはここで判定されます。

3.病期の確認

がんの進行度や悪性度、転移の有無、健康状態などを検査します。検査方法は、CT検査、MRI検査、PET/CT検査、骨シンチグラフィーなどでおこないます。

4.治療方針の策定

検査結果などを考慮し、治療方針を決めます。

食道がんの原因

食道がんには2タイプあります。

扁平上皮がん(へんぺいじょうひがん)

食道の内側(筒の内側)の表層部(粘膜上皮)にできるがんです。日本人の食道がんの90%以上を占めると言われています。

健康であれば免疫の力でがん細胞は排除されますが、排除が追いつかなくなるとがん細胞が活発に細胞分裂しはじめます。

危険因子

喫煙、大量の飲酒、刺激的な食べ物(熱い飲食物、焦げた食べ物)などに長期間さらされることなどです。

がんを発症しやすい人

若いころからの喫煙、毎日大量に飲酒したりアルコール分解力が弱く、飲酒で顔が赤くなる人、肥満、野菜不足の食習慣がある人は発症しやすい傾向があります。

腺がん

食道の内側の壁である食道壁には粘液を分泌する「食道腺」があります。この食道腺を形成している腺細胞ががん細胞と化したものです。

危険因子

喫煙と食道炎が進行し、食道の壁の内側の細胞が異常をおこすバレット食道などです。

がんを発症しやすい人

胃酸が食道に逆流して食道が炎症をおこす逆流性食道炎が慢性化し、食道粘膜の細胞が変質してしまった状態の「バレット食道」の人、白人男性、喫煙者が発症しやすくなります。

食道がんの予防・治療方法・治療期間

食道がんの標準的な治療法は大きく4つあります。これら4つを組み合わせて治療がなされます。

体やがんの状態、転移の部位などによって治療法が異なります。

手術療法

治療の中心となるのは手術療法です。がんを切除する手術をおこないます。病巣の切除とその周囲の組織も切除します。

病巣の位置によっては声帯や気管も切除するので、これらの失った部分の再建が必要となります。

術後には飲み込みの訓練などもおこなわれるため、入院期間が長くなります。近年は切開せずに、内視鏡を用いて切除する方法もあります。

内視鏡的治療

がんの進行が初期の場合、内視鏡で操作器具を挿入してがんを切除することができます。がんの大きさによって切除方法が異なります。

スネアを挿入し、がんを切り取る方法(EMR:内視鏡的粘膜切除術)、ナイフで粘膜下層の組織ごとがんを切除する方法(ESD:内視鏡的粘膜下層剥離術)がよく用いられます。

ほかにもレーザーやアルゴンプラズマ、電磁波を使った治療法があります。がんの深さと大きさから方法を検討します。

化学療法

抗がん剤と呼ばれる薬を注射したり、内服したりする治療法です。抗がん剤を使って、がん細胞の増殖・分裂を阻害し、がんを死滅させたり小さくします。

抗がん剤は健康な細胞も攻撃するため、化学療法は副作用が出やすい治療法です。

放射線療法

毎日少しずつ放射線をがんにあて、がん細胞を攻撃する治療法です。体の外側から放射線をあてる外照射と、内側からあてる腔内照射があります。

食道がんの疑いがあったら、すぐに専門医を受診しましょう。内視鏡検査(胃カメラ)では早期の小さながんでも発見することができます。

治療方針は、進行度、悪性度、体力などを総合的に判断して決定します。医師に相談したり調べたりして、自分自身で納得のいく治療法を選ぶことも大切です。

食道がんの治療経過(合併症・後遺症)

手術などでがん細胞を取り除けなかった場合、予後はよくありません。扁平上皮の下に発生したがんは、周囲の組織を破壊しながら増殖を続け、上下左右へと広がっていきます。これを「浸潤(しんじゅん)」といいます。

奥深くへ浸潤し、粘膜層、固有筋層、外膜をこえ、やがて食道の外へ広がります。

進行がんかどうかの判断は、「TNM分類」という分類に基づいておこなわれます。

ここでは理解を簡単にするために、「Stage1~2:早期がん」、「Stage3~4:進行がん」という表現に留めています。
「進行がん」にまで進むと、食道周辺の臓器に浸潤していきます。さらに、食道壁にはリンパ管や血管が張り巡らされ、また食道の周辺にはリンパ管が豊富にあるため、リンパ液や血液などによってがん細胞が体のさまざまな部位に運ばれ、転移していきます。

食道がんになりやすい年齢や性別

2015年のデータでは年間10万人当たり18.1人が食道がんと診断されています。 食道がんの罹患率や死亡率は、女性と比較し男性が5倍以上です。男性は10万人あたりの食道がんになる患者さんの人数は30.8人に対し女性は5.6人でした。50代から増加をはじめ、70代でピークを迎えます。

執筆・監修ドクター

板東 浩
板東 浩 医師 医師 担当科目 内科

経歴1957年生まれ。
1981年 徳島大学を卒業。
ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

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