まらりあマラリア
マラリアとは?
マラリアとは、
- 熱帯熱マラリア原虫
- 三日熱マラリア原虫
- 卵型マラリア原虫
- 四日熱マラリア原虫
- サルマラリア原虫
の5種類のマラリア原虫を原因とする血液の感染症です。基本的には、マラリアに感染した蚊に刺されることによって感染します。
発熱と悪寒が主な症状で、悪化すると、頭痛や顔面紅潮、吐き気、関節痛などを伴い、脾腫や貧血などがあらわれることもあります。
マラリアには予防薬があります。マラリアが流行している地域へ行くときには、予防薬をあらかじめ飲んでおくとよいでしょう。
マラリアの症状
感染後、1週間から四カ月の潜伏期間をおいて症状があらわれます。何年も経過してからあらわれることもあります。
初期症状は、突然ふるえや悪寒がし、その後40℃を超える高熱が出ることです。疲労感や倦怠感、頭痛、全身の痛み、吐き気が一時的におこります。数時間で熱は下がり、その後激しい発汗とひどい疲労感がおこります。このように発熱期と無発熱期を繰り返します。三日熱マラリア原虫と卵形マラリア原虫では48時間毎に、四日熱マラリア原虫では72時間毎に発熱しますが、熱帯熱マラリア原虫が引きおこす発熱は周期的でないことが多く、発症から24時間以内に治療しないと重症化し、生命の危険もあります。
感染症の進行に伴って脾臓が大きくなり、貧血のため黄疸がおこることもあります。
マラリアの診療科目・検査方法
熱帯・亜熱帯地域を旅行中7日目以降、または旅行後に発熱や特徴的な症状がみられた場合、マラリアの可能性が疑われます。速やかに内科を受診する必要があります。
血液検査と顕微鏡での血液サンプルの検査によって診断します。原虫の種類によって治療法、合併症、予後が変わってくるため、マラリア原虫の種類を特定することも必要になります。
熱帯熱マラリア原虫による感染症は緊急性があるため、治療はただちにおこなわなければなりません。
マラリアの原因
基本的には、熱帯地域や亜熱帯地域を訪れた際に感染することがほとんどです。
マラリアに感染した雄の蚊に刺されることで感染します。半袖、半ズボンといった蚊に刺されやすい服装をしていたり、殺虫剤を使っていなかったり、予防薬を飲んでいなかったりと、予防を怠っていると感染する確率は上がります。
非常にまれですが、原虫に感染した母体から胎児への移行、感染した血液の輸血、感染した臓器の移植などによって感染することもあります。
マラリアの予防・治療方法・治療期間
基本的には、内服薬を使って治療します。
マラリア原虫の薬剤耐性が出現しないようにするため、アルテミシニン誘導体とそのほかの抗マラリア薬を併用するというのがマラリア治療の世界的な基準となっています。
患者さんが熱帯熱マラリア原虫による重いマラリアにかかっている場合や、薬を飲むことができない場合は、静脈内投与をすることもあります。
マラリアの治療経過(合併症・後遺症)
マラリアの治療を始めた後は、多くの場合、24~48時間以内に症状が落ち着いてきます。
ただし、熱帯熱マラリア原虫が原因の場合は、発熱が5日程度続くことがあります。
マラリアになりやすい年齢や性別
多くの先進国では、治療薬や殺虫剤が普及したことで、マラリアはまれな病気となりました。しかし、熱帯・亜熱帯地域ではいまだに流行がみられ、死に至る病気として恐れられています。
2018年にとられた統計によると、1年間に約2億2000万人が感染し、推計43万5000人が亡くなっています。日本でも1年間に60人前後が輸入感染症として確認されています。
執筆・監修ドクター
経歴2006年 北里大学大学院卒、
2008年 平塚共済病院内科医長を経て小田原銀座クリニックに入職、その後院長に就任。
2013年 12月には当院久野銀座クリニックを開業
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