こうかりうむけつしょう高カリウム血症
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高カリウム血症の症状
ほとんどが無症状です。
まれに手足のしびれや吐き気が出る場合があります。
高カリウム血症の診療科目・検査方法
腎臓内科を受診します。
血液検査で血清カリウム値の測定。5.5mEq/Lを上回った場合、高カリウム血症が疑われます。
高カリウム血症の原因
何らかの原因により血中のカリウムの濃度があがってしまう電解質代謝異常症のひとつです。
「腎臓がカリウムをうまく排出できない」「筋肉細胞の中のカリウムが細胞外に漏出する」などの理由で、血清カリウム濃度が上がることによります。
災害時、筋肉量の多い部位がガレキの下敷きになった結果、圧挫症候群(クラッシュシンドローム)(※1)として、高カリウム血症に陥る例もあります。
高カリウム血症の予防・治療方法・治療期間
G-I(グルコース-インスリン)療法や陽イオン交換樹脂、炭酸水素ナトリウム、利尿薬といった薬を投与する薬剤療法、及び血液透析が行われます。
症例、原因疾患により治療期間はざまざまです。
高カリウム血症の治療経過(合併症・後遺症)
患者さんの体質、生活習慣にもよるが薬を服用しつつ治療に励むことで、治療可能です。
重篤の場合、そのまま放置しておくと致死性不整脈から心停止に至る可能性があるので、緊急の受診が必要です。
高カリウム血症になりやすい年齢や性別
発症しやすい年代や性差はわかっていません。
編集部脚注
※1 圧挫滅症候群(あつざめつ-しょうこうぐん)
圧挫滅症候群は、「筋肉が長時間にわたり圧迫されることで生じる致死性の病態」です。
英語表現の「クラッシュ・シンドローム」という名称が広く知られています。
下肢・臀部など筋肉量の多い部位が圧迫されたままになると、筋肉の細胞が壊れて中の成分が出てきます。
この状態で圧迫が解除されると、「細胞の中身」が全身にまわります。
筋肉の細胞には「カリウム」「ミオグロビン」などが含まれており、これらが大量に全身をめぐると生命にかかわります。
地震をはじめとした災害時、ガレキの下敷きになっていた被災者が発症します。
生存救助者の40%がクラッシュ・シンドロームを発症すると言われています。
ちなみに、「挫滅」は「組織が破壊されるほどの強い圧迫」を意味します。
しかし、外見的には大きな損傷を受けていなくても、クラッシュ・シンドロームを発症する例があります。
そのため、日本集団災害医学会では「圧挫症候群(あつざ-しょうこうぐん)」と日本語訳しています。
参考・出典サイト
執筆・監修ドクター
経歴1989年 関西医科大学卒業
1989年 関西医科大学附属病院内科 研修医
1992年 関西医科大学大学院医学研究科博士課程(循環器内科学専攻)入学
1996年 同大学院博士課程単位習得
1997年 関西医科大学附属病院第二内科(助手)
2003年 有隣会 東大阪病院内科 (副院長)
2010年 じくはら医院(内科・循環器内科) 開設(院長)
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