しょくどうかんじだしょう食道カンジダ症
- 目次
食道カンジダ症とは
食道カンジダ症(しょくどうかんじだしょう)とは、口の中に真菌(しんきん:カビ)の一種であるカンジダ菌が繁殖してしまった状態です。
口から食道にかけておこる感染症のなかでも、多くみられる病気です。
カンジダ菌は、いつも人間の身体にいて、通常は害を及ぼすことのない常在菌(じょうざいきん)です。口の中や食道管だけでなく、膣(ちつ)などにもいます。
しかし、栄養状態の悪化、不衛生な状態、免疫抑制剤の使用、AIDS(エイズ)への感染など、免疫の機能が低下している場合、病気の原因となることがあります。
症状としては、食べ物を飲み込む時に「つっかえるような違和感」を感じる人が多いです。
自然に治ることが多いです。症状の程度によっては、抗真菌薬を使うこともあります。
食道カンジダ症の症状
食道カンジダ症は、食べ物の飲み込みにくさ、「つっかえるような違和感」を感じる嚥下(えんげ)障害や、胸やけといった自覚症状があります。
悪化した場合は、食べ物を飲み込む時に痛みがあらわれることもあります。
一方、自覚症状がまったくないこともあり、内視鏡検査で偶然発見されることも少なくありません。
食道カンジダ症の診療科目・検査方法
食道カンジダ症の症状があれば、内科を受診しましょう。
胃カメラと生検検査をします。
胃カメラ(内視鏡)検査
口、もしくは、鼻から胃カメラ(内視鏡)を差し込んで、食道を直接観察する検査です。
食道カンジダ症であれば、食道の粘膜に白い粘り気のある苔のようなものが付着しています。これは食道カンジダ症特有のものであるため、とても発見しやすいといわれています。
生検検査
サンプルを食道から直接採取して培養し、原因になっている菌を特定します。
食道カンジダ症の原因
食道カンジダ症のカンジダ菌は、いつも人間の身体にいる常在菌です。
しかし、食道カンジダ症の原因として考えられるのは以下になります。
- 衛生状態が悪い
- 免疫を抑制する薬や抗菌薬を使用している
- がんの治療をしている
- 妊娠している
- 糖尿病を患っている
- 年齢を重ねた
免疫の機能が低下していると、病気の原因になりやすい傾向があります。
HIV感染症の患者さん、あるいは長期間にわたって免疫抑制状態が続いている患者さんは食道カンジダ症にかかりやすく、繰り返すことも多いのが特徴です。
また、口腔咽頭カンジダ症という病気にかかっている患者さんに、胸の不快感や、食べ物を飲み込む時の痛みがある場合は、食道カンジダ症にもかかっている恐れがあります。
あわせて読みたい
食道カンジダ症の予防・治療方法・治療期間
食道カンジダ症にかかっていても、自覚症状がない、もしくは症状が軽い場合、基本的には経過観察となります。抗真菌薬を飲むことも多くあります。
HIVに感染した患者さんには、食道カンジダを繰り返すことが多くあります。注意して観察を継続する必要があります。
食道カンジダ症の治療経過(合併症・後遺症)
カンジダ菌が増え過ぎるのを防ぐため、砂糖を摂り過ぎないようにすることが必要になります。寝る前の歯磨き、歯ブラシのこまめな交換、入れ歯の消毒など、口の中のケアも大切です。
また、食道潰瘍にも同時にかかっていることがあります。食道カンジダ症にかかっていると、潰瘍が見つかりにくく、食道潰瘍を見逃す恐れもあるため、注意が必要です。
食道カンジダ症の症状は、食道の壁の表層にとどまります。カンジダ菌が食道の深い部分や血液のなかに入り込んで、感染症をおこすことはほとんどありません。
しかし、免疫の機能が低下している患者さんの場合、カンジダ菌が身体の深い部分の組織や血液のなかに入り込みます。
そのため、全身にカンジダ症の症状があらわれる全身カンジダ症になることがあります。
食道カンジダ症になりやすい年齢や性別
患者さんの数を調べたデータは見当たりませんでした。
免疫の機能が低下した人がかかりやすいとされていますが、健常な大人もかかる恐れがあります。
執筆・監修ドクター
経歴2006年 北里大学大学院卒、
2008年 平塚共済病院内科医長を経て小田原銀座クリニックに入職、その後院長に就任。
2013年 12月には当院久野銀座クリニックを開業
関連する病気
食道カンジダ症以外の病気に関する情報を探したい方はこちら。
関連カテゴリ
食道カンジダ症に関連するカテゴリはこちら。