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こうはつはくないしょう後発白内障

更新日:2022/08/10 公開日:2019/04/08 view数:15,756

後発白内障(こうはつはくないしょう)とは、白内障手術後におこる合併症の一つです。

白内障の手術をした患者さんの約20%が5年以内に発症することが多く、比較的高い頻度でおこる白内障の術後合併症です。

白内障は、手術をしても何年か経つとまた再発する」と言った誤った医学情報がしばしば聞かれます。
このような誤った情報は適切な治療を受けていない後発白内障を指していることが多くあります。

白内障の手術後、ほとんどの患者さんの目の機能は回復します。
しかし、しばらく経ってから再び見えにくいと感じた場合は後発白内障の疑いがあります。

主に手術後、水晶体を包む水晶体嚢(すいしょうたいのう:透明な袋状の組織)で細胞が増殖すると、嚢を濁らせてしまうことが原因です。
そのため後発白内障は白内障手術のリスクの一つと考えられます。
レーザーにより治療することは可能です。
また完全な予防法はないとされているため、点眼薬や手術方法などによって進行を遅らせる処置をとります。

目次
  1. 後発白内障の症状
  2. 後発白内障の診療科目・検査方法
  3. 後発白内障の原因
  4. 後発白内障の予防・治療方法・治療期間
  5. 後発白内障の治療経過(合併症・後遺症)
  6. 後発白内障になりやすい年齢や性別

後発白内障の症状

水晶体嚢の内側にある水晶体上皮細胞が変性し、目がかすむ、視力が低下するなどの症状がおこります。

症状の進行とともに見えにくさが増していきます。
症状の出現が早い場合では白内障の手術後、数週間で発症する一方で、進行が遅ければ術後数年経ってから症状に気が付くというケースもあります。

自然に治ることはないため、放置すると視力低下は進行していきます。
若年ほど発症率が高く、小児ではほぼ必発です。

後発白内障の診療科目・検査方法

眼科を受診します。症状の有無に関わらず白内障の手術後には定期検診を受ける必要があります。

後発白内障は、眼科外来での一般的な検査である細隙灯顕微鏡検査(さいげきとうけんびきょうけんさ)で容易に診断できます。

散瞳剤によって散瞳(瞳孔を開く)させて検査をすると、より確実な診断が可能です。

後発白内障の原因

白内障の手術時に残った水晶体上皮細胞が増殖し、水晶体嚢が濁ることが原因となります。

現在の主流になっている白内障手術では、水晶体嚢の前側にある水晶体を超音波によって砕いた後で新たに眼内レンズを挿入し、視覚機能の改善を図ります。
その際に水晶体嚢に水晶体上皮細胞が残ります。
残った細胞が水晶体嚢の後ろ側に広がって増えることで濁りが進行し、視力に影響を及ぼします。
移植した眼内レンズが濁ってくるわけではありません。

手術の前半で水晶体嚢を円形に開窓します。
その際、開窓部分の直径を挿入眼内レンズの直径よりやや小さく作ることで、後発白内障の発症率が下がることはよく知られています。
手術手技により、発症率の異なる術後合併症と言えます。

後発白内障の予防・治療方法・治療期間

視力に影響がない場合は無理に治療せず、経過観察とする場合もあります。

治療は麻酔薬を点眼して、レーザー用のコンタクトレンズを装着します。
レーザーを後嚢に照射して濁った後嚢の水晶体嚢を切開します。
これにより眼内に入ってくる光を調整します。
レーザーによる治療は通常、痛みもほとんど無く、翌日には視力が回復します。

レーザー治療は数分で終わるが、混濁が分厚い、増殖した水晶体上皮細胞塊が固いなどの理由により、レーザー光線が奏功しない場合は手術的に混濁した水晶体嚢を切開することも希にあります。

後発白内障の治療経過(合併症・後遺症)

後発白内障が治療後に再発することはあまりありません。

まれに視界に虫が飛んでいるように見える「飛蚊症」を発症するケースがあります。
これはレーザーで切開した嚢から飛び散った、推奨多雨上皮細胞塊を原因とするものであり、この症状は時間経過と共に徐々に消失していくので最終的には改善されます。

また炎症や眼圧の上昇、網膜剥離などをおこす場合がごく希にあるので後発白内障の治療後に痛みや見え方に異変を感じた場合は速やかに医療機関へ相談しましょう。


後発白内障になりやすい年齢や性別

後発白内障は、若年者ほど発症しやすい。これは水晶体上皮細胞の増殖能が高いためです。
特に、小児白内障手術後では必発です。この点で、YAGレーザー治療に協力が得られないような低年齢の乳児、幼児では、その後の視機能発達に影響を及ぼすため、問題となります。

90才を超える高齢患者では、後発白内障は少なくなります。

執筆・監修ドクター

大内 雅之
大内 雅之 医師 大内雅之アイクリニック 院長 担当科目 眼科

経歴1990年 東京慈恵会医科大学卒業
同年   京都府立医科大学眼科学教室
1994年 公立南丹病院 眼科部長
2000年 京都府立医科大学大学院
2004年 大内眼科主任執刀医
2007年 京都府立医科大学 客員講師
2012年 大内眼科院長
2015年 東京医科歯科大学 非常勤講師
2016年 北海道大学 非常勤講師
2018年 大内雅之アイクリニック院長

受賞歴
2014年 アメリカ白内障屈折手術学会 優秀講演賞
2010年 アメリカ白内障屈折手術学会Best Paper of the Session
2008年 日本白内障眼内レンズ屈折手術学会 座長賞
2007年 日本眼科手術学会Film Award 銀賞

2018,2019年の講演、論文抜粋

国際学会
Ouchi M: American Society of Cataract Refractive Surgery. 4.14.2018, Washington D.C.

国内招待講演
Circus of Cataract 2019. 2.24.2019、東京
第10回Hokkaido Young Surgeon Academy, 1.12.2019, 札幌
第42回 日本眼科手術学会 2.2.2019、横浜
第7回JSCRSウィンターセミナー OPL in Japan.2018, 12,1, 東京
京滋コメディカルセミナー2018. 2018, 11,11,京都
Alcon seminar in 広島. 2018.8.4, 広島
ASCRS Review seminor. 4.14.2018, Washington D.C. (presented in Japanese)

英文論文
Ouchi M, Shiba T: Diffractive multifocal intraocular lens implantation in eyes with a small-diameter pupil. Sci Rep. 2018 DOI:10.1038/s41598-018-30141-1

和文総説、解説
大内雅之:白内障患者さんへの説明、ケアのポイント。眼科ケア. 2018
大内雅之:症例から学ぶ白内障手術の実践レクチャー:眼内レンズの選択法。臨床眼科、2018

ライブサージェリー
白内障手術 通常症例1例 白色膨化白内障 1例. 第41回日本眼科手術学会.ランチョンセミナー, 2018

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