夏のマスクで熱中症や脱水症状のリスク…4つの予防ポイント

世界的に流行している新型コロナウイルスの蔓延はまだまだ落ち着かず、油断をすることはできません。
第二波、第三波に備えて、対策は夏になっても継続する必要があります。
手洗いやうがい、外出先でのアルコール消毒はもちろん、マスクも継続して着用することが大切です。
しかし、高温多湿で35度以上の猛暑日を記録することが多い今の日本でマスクをするには、さまざまなリスクがあります。
特に4~5月の外出自粛などによって体力が落ちている場合もあるため、夏におこりがちな熱中症には例年以上に注意が必要です。
夏にマスクをすることでおこるリスクやその予防のポイントについて考えます。
夏のマスクでおこりうる体調不良は?
マスクで熱中症と聞くと意外に思うかもしれませんが、マスクを着用して呼吸すると熱気や湿気が内側にこもりやすく、息苦しさも加わり心拍数や体感温度が上がります。
それにより、知らないうちに体温が上昇し、熱中症や脱水症状を引きおこす恐れがあるのです。
また、このほかにも頭痛を引きおこす場合もあります。
呼気に含まれる水蒸気や二酸化炭素がマスク内にこもり息苦しくなると、酸欠状態となり、それが原因で頭痛を引きおこすことがあります。
ただし、頭痛の原因が熱中症ということもあるため、熱中症が疑われる場合は身体を冷やして休むようにしましょう。
もし症状が改善しない場合は、すぐに病院を受診するようにしてください。
特に子供の場合は、身体が小さく、路面からの照り返しを受けやすいため、より熱中症や頭痛などの体調不良になる可能性があります。
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予防のポイント1:マスクをして激しい運動をしない
マスクをしながらランニングなどの激しい運動をすると、内側が蒸れて息苦しく、十分に空気を吸い込むことができなくなる可能性があります。
これにより酸欠状態になり、頭痛を引きおこすこともあるため注意が必要です。激しい運動をする場合は適宜マスクを外して休憩するようにしましょう。
運動をする際のマスクの着用について、厚生労働省は以下のような研究結果を紹介しています。
□ 一般的なマスクに近いサージカルマスクをつけた人と、つけていない人で1時間、5kmを室内のジョギングマシーンで運動負荷を与える。
□ 運動をおこなう前後で、「心拍数」「呼吸数」「二酸化炭素量」を測定する。
すると、マスクを着用した人の方が心拍数、呼吸数、二酸化炭素の増加がみられたとのことです。
また、顔の表面温度を計測すると、マスクをつけている人の方がつけていない人に比べて、1.7℃ほど高かったという報告もあります。
「マスクをつけていることで熱中症になる」とは言い切れませんが、少なくとも身体には負荷がかかります。
マスクをつけている間は、できるだけ無理をしないことが大切です。
予防のポイント2:人が少ないところではマスクを外す
厚生労働省では、人との距離が2m以上確保できる状況であれば、マスクを外しても問題ないとしています。
息苦しくなったり、体調が悪いと感じたら周囲の状況をみながらマスクを外すようにしましょう。
運動する場合も、早朝の時間帯におこなうことが有効です。
早朝の時間帯であれば、比較的人が少ないため、いわゆる「ソーシャルディスタンス」が確保しやすく、マスクを外して運動しやすくなります。
予防のポイント3:水分補給はこまめに
マスクをつけていると、内側に湿気が多くなるためのどの渇きを感じにくく、気づかないうちに脱水症状になってしまう場合があります。
特に、運動をしているとつい夢中になってしまい、水分補給を忘れてしまいがちです。
そのため、のどが渇いていなくても意識的に水分をとるようにしましょう。1日の水分補給の目安は1.2リットルです。
この際、塩分やミネラルも汗と一緒に身体の外に出ているので、塩分やミネラルもとるようにすることも大切です。
経口補水液などを意識的に摂取すると良いでしょう。
子供は自分で水分をとろうとしない場合もあるので、大人から水分をとるように促しましょう。
予防のポイント4:身体を冷やす
外出自粛の影響で暑さに身体がついていかず、マスクをつけることでさらに体調を崩す可能性もあります。
その場合は保冷剤を使ったり、涼しい屋内に行くなどしてなるべく身体を冷やしながら休むようにしましょう。
朝や夕方などそれほど気温が高くない時間帯に近所を散歩する、ベランダや庭に出てみるなど、徐々に身体を暑さにならしていくことも大切です。
マスクは一般的なものではなく、冷感素材のマスクも活用してみましょう。
熱中症や脱水症状になったときの対処方法
万が一、熱中症になってしまった場合は以下の手順で対処しましょう。
- 衣服を脱いで、ベルトやネクタイ、下着を緩める
- 露出した肌に冷水をかけて、うちわや扇風機などで風を送り、身体を冷やす
- 氷のうや保冷剤などで、首の両脇、脇の下、太ももの付け根の前面それぞれにある太い血管を冷やす
もし意識障害があるなど、重篤な症状を引きおこしている場合には、ためらわずに救急車を呼ぶことも検討しましょう。
症状が軽くても気になる場合は、内科を受診しましょう。
脱水症状になってしまった場合は、経口補水液やスポーツドリンクによる水分補給をしましょう。
薬局などで購入することも可能ですが、自宅でも作れます。
1リットルの水に小さじ半分(3g)の食塩と大さじ4杯(40g)の砂糖を溶かし、レモンやグレープフルーツなどのお好みの柑橘系の果汁を加えます。そうすることで、塩分やミネラルなどを補給することができます。
飲むときには、冷やさないでゆっくり飲むようにしましょう。
まとめ
新型コロナウイルスの感染対策としてマスクは欠かせませんが、夏の暑い季
節にすることで、他の季節に比べて体調不良を引きおこす可能性が高まります。さまざまな対策をしてこの夏を乗り切りましょう。
参考・出典サイト
執筆・監修ドクター
経歴2010年 昭和大学医学部卒業
2010年 昭和大学横浜市北部病院初期研修医
2012年 昭和大学横浜市北部病院総合内科
2014年 帰陽会丹羽病院
2015年 昭和大学横浜市北部病院総合内科助教
2017年 霞ヶ関診療所
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