寝起きのめまい。なにが原因?食事やストレッチで軽減しよう!
「目が覚めてすぐ立ち上がるとふらつく」など、めまいを感じたことはありませんか?
めまいには、重大な病気が潜んでいることもあります。こちらの記事では、寝起きに生じるめまいを中心に、めまいの原因や3つの種類、病気の可能性について解説します。
なぜ起こる?寝起きのめまい
1.めまいの原因
めまいの原因には、『病気』と『生活習慣の乱れ』があります。
寝起きのめまいの場合は、血液の循環が悪くなっていたり、急に立ち上がることで血液が身体にうまく巡らなかったりすることで起こるケースが多いです。めまいを引き起こすような病気にかかっていなければ、ほとんどが自律神経の不調によって引き起こされます。自律神経は、過労やストレスによって、不調をきたします。
2.めまいの3つの種類
めまいは『回転性めまい』、『動揺性めまい』、『立ちくらみが起こるめまい』の3種類にわけられます。自分のめまいが何に当てはまるか、確認しましょう。
回転性めまい
回転性めまいは、目の前がぐるぐると回転しているように感じられます。
耳の中にある『三半規管』が関係しているめまいです。
動揺性めまい
動揺性めまいは、ふらつきを起こします。脳の『脳幹』が影響しています。
脳に関係しているため、危険だと思われがちですが、必ずしも危険なわけではありません。
立ちくらみが起こるめまい
立ちくらみのめまいは、急に目の前が真っ暗になる『眼前暗黒感(がんぜんあんこくかん)』を引き起こすことがあります。ひどいと意識を失い、失神します。
生活習慣の改善やストレッチで、めまいを軽減!
1.めまいに最も関係する「睡眠」
日常生活の中でめまいに1番関係が深いのは、『睡眠』です。
寝不足は血圧などの調整力を低下させ、めまいを引き起こします。
単に長い時間睡眠をとるだけでなく、同じ時間に寝て同じ時間に起きるといった、規則正しい睡眠をとりましょう。そうすることで、脳への負担も減らせます。
2.カフェインを控え、バランスの良い食事を!
カフェインは交感神経を刺激し、めまいを助長する
食事にも気を配ることが大切です。めまいが頻繁に起こる場合は、カフェインを含む飲み物を控えることをおすすめします。カフェインに目覚まし効果があるのは皆さんご存知の通りです。カフェインをとると興奮状態になり、交感神経を必要以上に刺激してしまうことがあります。
交感神経が刺激されると、筋肉収縮が起こり、血行が悪くなります。バランスをつかさどる三半規管も血行が悪くなり、めまいが助長されます。
油分を減らし、野菜や魚をとることで血圧や血流を調整
くわえて、食事の油分を減らし、野菜や魚をたくさんとることも意識しましょう。血圧や血流を調整することが、めまいの軽減につながります。だからといって、野菜だけ、など偏った食事は禁物です。栄養バランスにも気をつけてください。
3.自宅で簡単なストレッチをする
家で簡単なストレッチを取り入れるだけでも、身体の調子を整える効果があります。
血の巡りをよくして、筋肉の緊張をほぐすことで、めまいの軽減が期待されます。自宅でおこなうだけでも勿論よいですが、より効果を高めたい、専門家にみてもらいたい、という場合は整体へ行くのもひとつの方法です。個人差はありますが、自律神経を整え、緊張をほぐしてくれます。
不安な場合は医療機関へ!
1.医療機関を受診すべき症状
めまいの背景には重大な病気が潜んでいることもあります。
めまいとともに次の症状がみられる場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
・ろれつが回らない
・頭痛
・意識障害
・麻痺
また、最近急にめまいを感じる、めまいが頻繁に起こる、というかたも、いちど医療機関で相談することをおすすめします。
2.急を要する場合は「脳神経外科」や「脳神経内科」へ
先に解説したような、急を要する症状の場合は、『脳神経外科』や『脳神経内科』を受診しましょう。
めまいがおさまって、それ以外の症状もみられなければ、近くの内科で相談しても構いません。詳しい検査や治療が必要であれば、脳神経外科など、適切な病院を紹介してくれます。
3.病院はめまいから3日以内に!
めまいが起きた当日から3日間のあいだであれば、検査でも異常が発見されやすいです。
めまいを感じたら3日以内に病院へ行きましょう。
4.可能性のある病気
めまいの種類によって、可能性のある病気は異なります。
回転性めまい
耳の三半規管にかかわる『メニエール病』や『内耳炎』、『前庭神経炎』などの可能性があります。
動揺性めまい
脳にかかわる、『脳梗塞』や『悪性発作』、『脊髄小脳変性』など、重大な病気の可能性があります。
立ちくらみが起こるめまい
心臓など、『循環器系の障害』がある可能性があります。失神で意識を失う、などの症状がみられたら、すぐに病院を受診しましょう。
おわりに
普段から頻繁にめまいを感じるかた、急にめまいの回数が多くなったかたは、早めに病院を受診してください。
そのさい、問診で症状具体的に説明するためにも、どんな種類のめまいだったか、どのくらい継続したかなど、記録しておくとよいですね。
執筆・監修ドクター
経歴2001年 慶應義塾大学医学部附属病院耳鼻咽喉科入局
2002年 佐野厚生総合病院耳鼻咽喉科
2004年 川崎市立川崎病院耳鼻咽喉科
2007年 静岡市立清水病院耳鼻咽喉科 科長
2011年 深谷耳鼻咽喉科クリニック開業
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