おうもんきんゆうかいしょう横紋筋融解症
横紋筋融解症とは?
横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう)は外傷や他の病気、薬などをきっかけにして筋肉の細胞が破壊されて発症します。機械的な圧迫による外傷でおきた横紋筋融解症はクラッシュシンドロームとよばれることがあります。破壊された筋細胞の組織が血液中に流れ出すことで、腎臓に負荷をかけたりします。
筋細胞の壊死や融解の程度により異なりますが、急性腎不全をおこして生命に関わる場合もあります。多くの場合、脱力感やしびれの症状があります。こうした症状は多くの場合、下肢におこります。
あわせて読みたい
横紋筋融解症の症状
四肢(下腿部が多い)の脱力感やしびれ、筋肉痛といった自覚症状があります。
横紋筋融解症の診療科目・検査方法
横紋筋融解症の原因
外傷性と非外傷性があります。
外傷性の場合は、「機械的に強く圧迫されること(クラッシュシンドローム、圧挫症候群)」「過度の運動負荷」「全身性のけいれん」などが考えられます。
また、非外傷性の場合、感染症、ミオパチー、薬剤性、低カリウム血症、低リン血症、熱中症、閉塞性動脈硬化症などが考えられます。
横紋筋融解症の予防・治療方法・治療期間
まず薬剤が原因と考えられる場合には、ただちに原因となっている薬剤を中止します。
脱水の状態に応じて、生理食塩水の点滴などをおこないます。
軽症例では十分な飲水で快方に向かう場合がありますが、重症例では血液浄化法が必要です。
程度によりさまざまです。
横紋筋融解症の治療経過(合併症・後遺症)
横紋筋融解症になりやすい年齢や性別
不明。大災害時には増加する。
性差は特にないが、高齢者に多い傾向がある。
また、腎機能低下例では頻度が増加する。
編集部脚注
※1 低カリウム血症
低カリウム血症は、「血液中のカリウム濃度が不足した電解質障害」です。
具体的には「血清カリウム濃度:3.5mEq/L未満」で低カリウム血症と診断されます。
※2 低リン血症
低リン血症は、「血液中のリン酸濃度が不足した電解質障害」です。「血清リン酸濃度:2.5mg/dL(0.81mmol/dL)未満」の場合、低リン血症と扱われます。
ちなみに「mmol(ミリモル)」という単位ですが、1molは「12gの炭素12の中に含まれる炭素原子の個数に相当する数」です。
数字で表すと「6.02×10の23乗個」になります。
mmolは、molの1000分の1です。
要するに「1mmol=6.02×10の20乗個」です。
※3 閉塞性動脈硬化症(へいそくせい-どうみゃく-こうかしょう)
閉塞性動脈硬化症は、「足の血管が動脈硬化を起こし、血管が狭まったり閉塞したりする病気」です。
足に流れこむ血液が不足するため、「酸素不足」「栄養不足」に陥ります。
最初は「足が冷たい / しびれる」などの症状が現れ、悪化すると「足の痛みによる歩行困難」に陥ります。
最終的には足が壊死して、切断を要する場合もあります。
参考・出典サイト
執筆・監修ドクター
経歴1989年 関西医科大学卒業
1989年 関西医科大学附属病院内科 研修医
1992年 関西医科大学大学院医学研究科博士課程(循環器内科学専攻)入学
1996年 同大学院博士課程単位習得
1997年 関西医科大学附属病院第二内科(助手)
2003年 有隣会 東大阪病院内科 (副院長)
2010年 じくはら医院(内科・循環器内科) 開設(院長)
関連する病気
横紋筋融解症以外の病気に関する情報を探したい方はこちら。
関連カテゴリ
横紋筋融解症に関連するカテゴリはこちら。