目がかゆい原因とは?かゆくなったときに試したいこと
目がかゆくなることは、誰にでもおこります。かゆみが気になって仕事や勉強の効率が下がってしまうといった影響もあらわれます。
このように、油断のならない目のかゆみはどのようにしておこるのでしょうか。また、どのように解決すればよいのでしょうか。
「異物」と「乾燥」のせいで、かゆくなります
私たちが「目がかゆい」と感じるとき、目のなかではどのようなことがおこっているのでしょうか。
それには、大きくわけて「異物」が原因である場合と「乾燥」が原因である場合の二種類があります。
目が異物を外に出そうとしています
目は体のなかでも大きな役割を果たしています。そのため、さまざまな仕組みによって、正常な状態を保てるように守られています。
なんらかの「異物」が入ってきたとき、それを目の外へ出そうとする仕組みも、その一つです。
目に入ってくる異物には、多くの種類があります。大きなものでは、ゴミやホコリ、砂粒などです。小さなものでは、花粉、細菌、ウイルスなどがあります。
目ヤニ、まつげなど、自分の体から出たものが異物になることもあります。
異物が入ってくると目の組織は活発に動きだし、涙の量を増やすなどして、異物を外へと出そうとします。
こうした、普段とは違う目のなかの動きがかゆみとして感じられることがあるのです。
アレルギー反応がおこることもあります
人間の体には、異物から体を守る免疫反応(めんえきはんのう)があります。花粉などの異物が反応をおこす抗原となって、それが体内に入ると体は危険を察知します。
抗原に対抗する抗体を作り、抗原を排除しようとします。しかし、抗原の侵入が何度か続くと抗体が過剰にはたらきます。
この過剰な働きがかゆみなどを引きおこします。こうした反応をアレルギーといいます。
このアレルギーは目にもおこることがあります。アレルギーがおこると、かゆみが増し、結膜炎など、目の病気の原因になることもあります。
また、アレルギー以外にも目に入った細菌やウイルスによって、目の病気が引きおこされることもあります。
乾燥でかゆくなる人が増えています
目がかゆくなる原因としては、「乾燥」も考えられます。目は涙などの水分で潤っている状態が基本です。
しかし、なんらかの理由で、水分が不足し、乾燥してしまうと、かゆみを感じるようになります。
最近では、パソコンやスマートフォンの画面を長時間、見続けることによって、目が乾燥する人が増えてきました。
また、コンタクトレンズを使っている人は目が乾燥しやすい傾向にあります。
かゆくならないように予防をしましょう
目のかゆみに対しては、予防をすることが何より大切です。具体的には、かゆみの原因となる「目に異物が入る」ことと、「目が乾燥する」ことがおこらないようにすればよいのです。
メガネで目を守ってください
外へ出るときには、メガネをかけて、目に異物が入るのを防いでください。
より効果を期待するのであれば、専用のメガネ、ゴーグルなども売られています。風が強いときには、目の乾燥を防ぐことにも役立ちます。
目を洗うことは必ずしもよくない
目を洗う行為は必ずしもいいことではありません。
液体や異物が入った場合には水で洗うことは非常に有効です。しかし、それ以外の状況でこまめに洗う必要はあまりありません。
涙液が普段は角膜や結膜上皮を保護しています。目を洗うことで、それを洗い流し涙液によるバリアー機能を低下させてしまう恐れがあるからです。
目薬の使い方
目薬の使い方は種類によって違いがあります。眼科で処方される目薬のなかにはステロイド剤が入っている場合があり、頻繁に点眼をすることで眼圧上昇などの副作用を生じる恐れがあります。
このようなこともあり、必ず決まった回数を守って目薬をつける必要があります。
また、ステロイド点眼剤を使用している場合は眼圧が上がっていないか眼科での定期検査が必須となります。
市販の目薬であれば、目薬の容器に書かれた用法や用量の通り、定期的にさすようにしてみてください。
それでも、かゆくなってしまったときには…
さまざまな予防対策をしていても、目がかゆくなってしまうことはあります。かゆくなったときには、どうすればいいのでしょうか。
「してはいけないこと」も含めて、ご紹介します。
目をこすることは絶対に許されません
目がかゆくなると、つい手でこすってしまいがちです。しかし、これは絶対にやってはいけないことの一つです。異
物が入った状態で目をこすると、異物が動いて、目のなかを傷つけてしまうからです。
最悪の場合、目が見えなくなってしまう恐れもあります。目がかゆくなったときには、こするのではなく、落ち着いて、以下のようなことを試してみてください。
目を冷やしたり、休ませたりしてください
目と、目のまわりを冷やすと、かゆみが和らぐことがあります。清潔なタオルを水で濡らしたものをよく絞って、目に当ててみましょう。
よく冷やしたあとに温めると、血のめぐりがよくなり、乾燥やかゆみがおこりにくくなることもあります。
また、一時的に作業を中断し、目を閉じたり、アイマスクをつけたりして、目を休めることも試してみてください。
普段、コンタクトレンズを使っている方は、ときどきは使うのを休んで、メガネで代用してみることも、目を休めることにつながります。
かゆみを抑える目薬もあります
かゆみを強くしている炎症や、アレルギー反応を抑えるはたらきのある目薬を使う方法もあります。
早く治したいときには、ドラッグストアなどで症状を伝え、購入してみるのもよいでしょう。
眼科を受診したほうがよい場合もあります
これらのケアーを試してみても、かゆみが治まらないときなど、眼科を受診したほうがよい場合もあります。
ご自身では対処できない種類のかゆみであったり、大きな病気が原因でかゆみがおこっていたりする恐れがあるからです。
こんなときには眼科へ
かゆみが強い症状がある場合、アレルギー性結膜炎である可能性が高いです。市販の点眼薬では効果が弱いときは、眼科で相談しましょう。
アレルギー性結膜炎の原因は何なのかを診てもらいましょう。アレルギーの原因となるものを見いだしてもらい対処する必要があります。
例えば、コンタクトレンズが原因になっている場合であれば、コンタクトレンズを一時的に中止にするなどの必要があるからです。
しかし、花粉症の時期などのかゆみはたとえ眼科で処方される点眼薬をつけてもかゆみを完全にとることはできません。
かゆみを和らげるというぐらいに考えてもらうといいかもしれません。
ただし、アレルギー性結膜炎でも重症化すると、黒目、つまり角膜が傷つくことがあります。異物感が強くなる場合などは眼科受診を検討しましょう。
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まとめ
執筆・監修ドクター
経歴1991年 栃木県立栃木高等学校卒業
1997年 東海大学医学部卒業
2006年 自治医科大学大学院(地域医療学系皮膚感覚器疾患学系専攻)卒業
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