コンタクトで目が充血!原因は?放っておくと黒目が小さくなることも…
コンタクトレンズをしていると目が乾き、充血しやすくなります。
しかし、充血をそのままにしておくと黒目が小さくなってしまうこともあるため、正しい知識を身につけておくことが大切です。
この記事では、『ドライアイ』をはじめとする充血の理由や、充血を抑える方法などについて解説します。
コンタクトを装着するときに起こる充血の原因
1.充血はなぜ起こる?
コンタクトをしていて充血がおこる理由はおもに以下の3つが考えられます。
それぞれ、充血と合わせて出る症状があるので見ていきましょう。
① 結膜炎
② 目の傷(ドライアイ)
③ 目の炎症
2.充血の原因と、合わせて出る症状について
① 結膜炎による症状
結膜炎は白目が炎症を起こす病気で、目やにが出やすいのが特徴です。
② 目の傷やドライアイによる症状
目の傷による充血は、目やにはあまり出ません。
コンタクトがごろごろする、痛みがある、涙がたくさん出るなどの症状があります。
③ そのほか目の炎症による症状
ブドウ膜炎などによって、充血してくることがあります。場合によっては、充血ではなく出血している可能性もあります。
結膜炎・目の傷以外の炎症は、視力が下がる危険があるので要注意です。
3.出血と充血はどう違う?
出血と充血ともに目が赤くなりますが、以下のようなちがいがあります。
充血の場合
充血は、目の血管が太くなることで、血管が増えたように見えることをいいます。
出血の場合
血管があることもわからないほど、目が一面真っ赤になります。
目をぶつけた以外でも、「目をこすった」「コンタクトを外すときにさわった」など、ちょっとしたことで出血することがあります。そのほか、くしゃみやせきなどで力んだときも、まれに出血します。
4.コンタクトをしていて充血したときの対処法
まずはコンタクトを外しましょう
コンタクトに傷や破損があって、目に傷をつけてしまっていることがあります。その際は、コンタクトを外して断片がすべてそろうか確認してください。
そろわなかった場合、目のどこかにコンタクトが残っている可能性があります。眼科でチェックしてもらってください。
コンタクトを外しても改善されない場合は治療が必要
コンタクトを外しても視界がかすんでいる場合は、目が強く傷ついていたり、目の玉の中が炎症したりしている可能性があります。
その場合は、ドライアイ・急性充血・アレルギー性結膜炎・角膜新生血管などの病気 が考えられるため、治療が必要となります。
コンタクトを外しても違和感がないときは
コンタクトを外しても、とくに見にくくもなく、痛みも充血もひどくないという場合は、しばらく様子を見ましょう。
コンタクトが汚れている、ゴミが入っているなど、衛生面の問題も考えられます。それでも状態が落ち着かなければ受診しましょう。
5.コンタクトの充血でとくに多いのは『ドライアイ』
『ドライアイ』によって、目の表面がわずかに傷つき、充血してしまいことも多いです。
傷がついたら、「痛くて目があけられないのでは?」と思うかもしれません。
しかし、顕微鏡で見ないとわからないほどの小さい傷であるため、コンタクトが多少ゴロゴロするくらいで自覚症状がないこともあります。
コンタクトによる充血を防ぐ方法
1.コンタクトによる『ドライアイ』の予防法
コンタクトのカーブを目に合ったものにする
コンタクトにはカーブ(曲がり度合い)がありますが、それが目に合っていないと傷がつきやすくなります。
目の潤いを保ってくれるコンタクトを選びましょう
ドライアイの人の場合、酸素をうまくとおして、目の潤いを保ってくれるコンタクトを選ぶ必要があります。
目薬は防腐剤が含まれていないものを!
目の乾きを予防するため、目薬をこまめにさすのはよい方法です。
ただし、防腐剤が含まれている目薬だと、逆に目が傷ついてしまいます。防腐剤が含まれていない目薬をさすようにしましょう。
まばたきをしっかりすること
まばたきをすると、涙が分泌されるため、目を休めて守ってくれます。
とくに、スマホやパソコンを見ているときは、まばたきの回数が通常時の半分以下になっています。スマホやパソコンを見る際は、意識してまばたきをして目を休めるようにしましょう。
部屋の湿度を保つ
クーラーや暖房をつけていると、部屋の湿度が低くなり目も乾燥しやすくなります。加湿器などで対策するのも一つの手です。
2.生活習慣を改善しよう
コンタクトをつけたままの夜ふかしやうたた寝は危険!
夜中までコンタクトをつけていたり、コンタクトをつけたまま寝てしまったりすると、充血することがあります。
コンタクトは目にとっては異物です。そのため、外さずに寝てしまうと目が乾き、傷ができやすくなります。炎症を起こすこともあるので気をつけましょう。
睡眠時間を確保しましょう
睡眠は目を休める大切な時間です。睡眠時間が確保できないと、目の表面を守る潤いが弱くなり、傷も治りにくくなってしまいます。
3.コンタクトによる充血で、黒目が小さくなる!?
1.コンタクトによる充血を放っておくと黒目が小さくなる
コンタクトを長時間つけている人は要注意!
コンタクトを長時間つけていると、傷ができたり、酸素のとおりが悪くなったりするため、黒目の栄養が不十分になります。
黒目の栄養を補うために血管が増殖
黒目の栄養が不十分だと、黒目が栄養をもらおうと白目から黒目の方に血管を生やします。
この血管を「パンヌス」といいます。パンヌスはほっておくとどんどん増えてしまうため、黒目を侵食して黒目が小さくなってしまいます。
そうならないためにも、充血をした時点で対処していくことが必要です。
黒目に栄養が行き届かないとどうなる?
黒目(角膜)はしっかりとバリアを張っているため、炎症は起こりにくいです。
しかし、いったんバリアを破って異物が侵入してしまうとなかなか排除できないため、視覚障害のリスクが大きくなります。
そうならないためにも、栄養分をしっかりと与え、黒目のバリア機能を保つ必要があります。
2.充血止めの目薬は使わないで!
充血すると、市販の充血止めの目薬を使いたくなります。目薬を使うと、確かに充血が落ち着いてくるので、安心です。
しかし、充血するたびに目薬を使っていると徐々に効かなくなり、「いつも」充血している状態になってしまいます。どうしても充血を止めたいときにのみ、目薬を使うようにしましょう。
まとめ
ちょっとした充血だと思っていても大変なことになる場合もあります。
コンタクトをしている人は、こまめなケアをして、『ドライアイ』の予防をしておくことが大切です。
夜は早めにコンタクトを外して、じゅうぶんな睡眠をとるのも予防の一つです。万が一充血したとしても、早めの対処で悪化を防ぐことができます。
長引く充血や、痛みや違和感をともなう充血があれば、眼科を受診して適切な治療を受けましょう。
執筆・監修ドクター
経歴昭和大学医学部卒業、医学博士。
昭和大学東病院助教、三友堂病院眼科科長、彩の国東大宮メディカルセンター眼科科長
をへて二本松眼科病院に勤務。
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