ぎらん・ばれーしょうこうぐんギラン・バレー症候群
ギラン・バレー症候群(ぎらん・ばれーしょうこうぐん)とは、急性で急速に進行する炎症性の多発神経障害です。
患者さんの2/3で、発症する1~3週間前に風邪や下痢など感染症の症状がみられます。その場合、カンピロバクターという細菌に感染していた可能性が高く、この病気の原因であることがわかっています。
筋力の低下、軽度感覚障害がみられます。
急速に症状が進行し、通常は4週間前後でピークに達します。その後は、症状が改善することが多いといわれています。
重症例では、回復に時間がかかることもあります。
- 目次
ギラン・バレー症候群の症状
以下のような症状があらわれます。
- 手足の力が急に入らなくなる
- 顔の筋肉が動かしにくくなる(顔面神経麻痺)
- 食事をうまく飲み込めない
- ろれつが回らない
いずれの症状でも筋力の低下がみられ、多くは脚から腕へと進行します。
約9割の患者さんで、3~4週目に筋力の低下が最大になります。重症の患者さんでは、顔面や喉の筋力が低下し、水分や食事が摂取できなくなり、低栄養状態となります。
自律神経に影響がおよぶと、不整脈や起立性低血圧などの症状があらわれます。
ギラン・バレー症候群の診療科目・検査方法
脳神経内科を受診するとよいでしょう。
典型的な例であれば、病歴や症状だけで診断することができます。
以下の検査は、ほかの病気でないことを確認するためにおこないます。
髄液検査
腰椎に穿刺針を刺し、髄液を採取します。
初期には異常がないことが多く、1週間後に蛋白の上昇がみられます。
筋電図検査
多くは、発症初期から筋電図の異常がみられます。感度も高いため、診断を確定するためにおこなわれることがあります。
血液検査
抗ガングリオシド抗体という自己抗体が検出されることがあります。
ギラン・バレー症候群の原因
はっきりとした原因はわかっていません。
複数の末梢神経が障害されることで発症すると考えられています。
脳や脊髄などの中枢神経から、体の各部分に枝分かれしているのが末梢神経です。ウイルスや細菌などの感染がきっかけで、本来は自分を守る免疫システムに異常がおこることがあります。そして、自分の末梢神経を攻撃してしまうと考えられているのです。
ギラン・バレー症候群の予防・治療方法・治療期間
免疫調節療法
血液浄化療法
単純血漿(けっしょう)交換、二重膜濾過(ろか)、免疫吸着などの方法があります。血管内にカテーテル(細い管)を挿入し、血液中の有害な物質を取り除き、再び血液を体内に戻す方法です。
免疫グロブリン療法
ヒト免疫グロブリンを5日間、点滴する方法です。
呼吸する筋肉や、ものを飲み込む筋肉の力が低下している場合は、リハビリテーションなどの対症療法をおこないます。
最近では、血液浄化療法に副腎皮質ステロイド薬を併用する方法も議論されています。しかし、現段階では根拠が乏しく、「重症例では選択肢の一つとして考える」とされるにとどまっています。今後も調査、研究が進められると考えられます。
ギラン・バレー症候群の治療経過(合併症・後遺症)
死にいたる症例は、全症例の2%未満です。
ほとんどが数カ月で改善します。しかし、3年後でも筋力の低下がみられることはあります。
ギラン・バレー症候群になりやすい年齢や性別
人口10万人あたり、年間0.4~4.0人に発症すると報告されています。患者さんの総数を示す資料はありません。
発症しやすさには性別によって差があり、男性:女性=3:2と、男性の方が多くなっています。
発症しやすい年齢は20~30代ですが、すべての年齢層で発症する可能性があります。
執筆・監修ドクター
経歴平成14年福井医科大学(現福井大学医学部)卒業
岐阜大学高齢科神経内科入局後松波総合病院にて内科研修、
岐阜大学高次救命救急センター出向。
美濃市立美濃病院内科。
東京さくら病院及び同認知症疾患センター勤務の後
令和元年7月かつしかキュアクリニック開業。
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