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はいきしゅ肺気腫

更新日:2022/08/10 公開日:2019/03/18 view数:7,891

肺気腫とは?

肺気腫とは、肺組織である肺胞が壊れる病気のことです。
肺胞破壊されることで呼吸機能が低下し、スムーズに息を吸ったり吐いたりすることができなくなります。
初期段階では自覚症状はほぼありませんが、肺の機能が低下してくると、息切れ、慢性の咳等の症状が現れてきて、最終的には呼吸不全になり、酸素吸入が必要になったりします。

肺気腫の症状は一般的にはゆっくり進行します。
進行していくと、少しの移動でも息が苦しくなる等、日常生活に支障をきたす恐れがあります。
また、肺胞の壁が破壊されて肺胞が大きくなると、空気の交換がうまくいかずに肺が過膨張となります。

肺の過膨張は、心臓の大きさに関係し、心不全を併発する可能性もあります。
医療が発達している現在でも、一度破壊された肺組織を元の状態に修復することはできないとされています。
しかし進行を抑制、症状を緩和することは可能です。

肺気腫は慢性閉塞性肺疾患(COPD)の病態の一つでもあり、慢性気管支炎と並びCOPDの患者さんに確認される主な症状でもあります。



目次
  1. 肺気腫の症状
  2. 肺気腫の診療科目・検査方法
  3. 肺気腫の原因
  4. 肺気腫の予防・治療方法・治療期間
  5. 肺気腫の治療経過(合併症・後遺症)
  6. 肺気腫になりやすい年齢や性別

肺気腫の症状

①息切れ(特に運動時)
②咳が続く
③痰がからむ
④陥没呼吸
⑤肩呼吸
⑥喘鳴(呼吸時にヒューヒュー音が出る)

肺胞が破壊されることで少しの動作でも息切れすることがあります。
細気管支に炎症が生じることで咳、痰の症状が現れます。
痰がからみ、詰まることで息苦しくなることもあります。

これらの主症状に加えて、栄養不良や筋肉の減少といった症状が現れることもあります。
肺気腫の症状が進行すると、食事中でさえ息切れすることなどで食が細くなる傾向があり、栄養不良に陥ることがあります。

呼吸するだけで多くのエネルギーを消費してしまいます。
また、すぐに息切れをおこすため、あまり体を動かせなくなり筋肉が減少することもあります。こうした要因によって痩せていくことがあります。

肺気腫の診療科目・検査方法

肺気腫の診断には、血液検査、胸部X腺検査、CT検査等で肺の状態を確認するなどの検査が行われます。
また呼吸機能検査を行い、息を吐き出す速さやその時の気道の狭さ等を確認します。
さらに肺機能低下による体内酸素量を調べるため、血中酸素分圧も確認することがあります。

肺気腫が疑われる場合には、呼吸器内科を受診するケースが多いです。

肺気腫の原因

肺気腫の主な発症原因は喫煙や長期の受動喫煙です。
そのため、喫煙習慣がある人は肺気腫を発症する可能性が高いです。

長きにわたり吸い込んだタバコの煙により、少しずつ肺の中にある肺胞が破壊されていくことが原因と考えられています。

他には大気汚染物質の吸引や遺伝的疾患(α1アンチトリプシン欠損症) などがあります。
また、結核などでも肺胞が破壊されます。

肺気腫の予防・治療方法・治療期間

一度破壊された肺胞は二度と元通りになることはありません。
そのため肺気腫の治療は、症状の進行を抑えること、緩和することでQOLを維持することを目指して行われます。

喫煙習慣がある場合、肺気腫の治療で最も重要なことは禁煙となります。
禁煙をすることで肺機能の低下を予防できます。肺気腫の進行を遅くすることが可能になります。

薬物療法では抗コリン薬、β2刺激薬の吸入等で、気管支を拡張し、呼吸を楽にする薬が使用されます。

症状が悪化している場合や喘息発作を併発している場合は、ステロイドによる治療が行われることがあります。

呼吸リハビリテーションや呼吸訓練等が行われ、食事指導(栄養療法)や楽な呼吸法等についての指導を受けます。

また、在宅酸素療法は肺気腫が重症化した場合、在宅酸素療法(酸素供給装置からチューブを用いて酸素吸入を行います。

肺気腫の治療期間については、現れている症状により異なり一概には言えませんが、長期の治療が一般的に必要な場合が多いです。

自己判断で治療を中止せず、担当医と治療計画や治療方針について相談することが望まれます。

肺気腫の治療経過(合併症・後遺症)

肺気腫治療後の後遺症はほぼないと考えられていますが、薬の副作用についてはおこる可能性があります。

抗コリン薬には、前立せん肥大が副作用としてあり、尿が出にくくなることがあります。
β2刺激薬を用いた場合には、不整脈や動悸、頭痛等がおこったりすることがあります。

しかし肺気腫の治療を行うことで症状の進行を抑制することができれば、残った肺機能を維持し、心臓の合併症を予防するなどが期待できます。
担当医としっかり相談し、適切な治療を行うことが重要です。

肺気腫になりやすい年齢や性別

肺気腫に絞った疫学については発見できませんが、日本国内におけるCOPDの発症率は40歳以上が多く、患者数は530万人を超えると推測されています。

そのすべてに肺気腫がおきているということではありませんが、放置すれば肺気腫をおこす可能性を持っているということになります。

COPDにおいて確認した場合、男女で発症率を比べると、男性の方が多く、特に60歳以上の男性に多いです。
性別にみた死因順位では2017年の人口動態統計では男性では8位と上位にあります。

執筆・監修ドクター

荒牧 竜太郎
荒牧 竜太郎 医師 荒牧内科 院長 担当科目 内科/呼吸器内科

経歴1998年 埼玉医科大学 卒業
1998年 福岡大学病院 臨床研修
2000年 福岡大学病院 呼吸器科入局
2012年 荒牧内科開業

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