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さいじじんしょうこうぐん鰓耳腎症候群

びーおーあーるしょうこうぐんBOR症候群
更新日:2022/09/26 公開日:2020/01/22 view数:3,978
目次
  1. 鰓耳腎症候群とは
  2. 鰓耳腎症候群の症状
  3. 鰓耳腎症候群の診療科目・検査方法
  4. 鰓耳腎症候群の原因
  5. 鰓耳腎症候群の予防・治療方法・治療期間
  6. 鰓耳腎症候群の治療経過(合併症・後遺症)
  7. 鰓耳腎症候群になりやすい年齢や性別

鰓耳腎症候群とは

鰓耳腎症候群(さいじじんしょうこうぐん)は、遺伝子の変異によって耳や腎臓の形成に異常をきたす先天性の病気です。

それによって難聴や、腎臓の機能不全、外耳の奇形や、側頚のう胞や側頚ろうと呼べれる首の部分へののう胞性疾患などの症状がおこります。

患者さんも少なく、根本的な治療法のない難しい病気です。そのため難病に指定されています。

早期に発見し、難聴への対策をとることで、難聴からくる言語発達の遅れの改善が期待できます。また、腎障害の予防や軽減をしたり、治療をおこなって、安定した生活が送れるようにしていきます。

予後は腎臓の症状に影響を受け、腎臓の状態が悪い場合は危険です。しかし、難聴については手術で治療可能な場合もあり、患者さんの状況によりさまざまです。

鰓耳腎症候群の症状

鰓耳腎症候群のほぼ全員に難聴の症状が見られます。

難聴の種類としては音を認識しにくい感音性、内耳まで音がつたわらない伝音性、その両方の症状がある混合性などいずれもおこりえます。

難聴の程度もさまざまで、同じ家族の中でも聴力が異なる場合がよくあります。先天的な症状として、新生児聴力検査などで発見される場合もあります。

また、耳前部に小さな孔ができる先天性耳瘻孔(せんてんせいじろうこう)や側頸瘻(そくけいろう)、そのほかに耳介のさまざまな形成異常がおきる場合があります。

顔面の神経が麻痺することもあります。

腎臓の異常は、腎臓が小さい、機能が悪いなどの腎低形成や、腎臓にもたくさんののう胞ができる多発腎のう胞が見られます。

家族で同じように発症していても、腎臓に全く異常が見られないBO症候群のこともあります。とくに腎臓の病気の状態はさまざまです。

多くの場合、知能は正常ですが、難聴による言葉の遅れが確認されることがあります。

鰓耳腎症候群の診療科目・検査方法

鰓耳腎症候群は家族歴の聴取などの問診、聴力検査、腎臓への超音波検査をおこないます。場合によっては遺伝子検査により確定診断をおこないます。

患者さんがいる家族内で新たに生まれる子どもへおこる確率を考える遺伝カウンセリングをおこなうこともあります。

難聴のうち、とくに伝音難聴は治療可能な場合が多く、また補聴器や人工内耳の適応によって聴力をカバーすることは言葉の発達に重要な意味を持ちます。

腎臓の症状によっては生命への危険も伴うため、早期に発見して治療する必要があります。

腎臓内科耳鼻いんこう科形成外科を受診しましょう。

鰓耳腎症候群の原因

鰓耳腎症候群は遺伝子の変異でおこります。多くはEYA1と呼ばれる染色体に起因しています。

ほかにも原因として確認されている遺伝子変異はありますが、検査してみても起因する遺伝子が不明のこともあります。

また、常染色体優性遺伝で遺伝するため、両親のどちらかがこの病気の場合、遺伝する確率は50%です。

また、両親ともに鰓耳腎症候群がなくとも発症する場合があります。

遺伝子の変異により、「鰓弓(さいきゅう)」の形成異常がおこります。鰓弓とは胎児が成長するのに伴って耳介や顎、頸部などになっていく部分で、ここの異常が、結果的に耳介や腎臓の形成に影響を及ぼします。

そのため難聴や腎臓の形成がとくに障害されて病気が出現します。

鰓耳腎症候群の予防・治療方法・治療期間

鰓耳腎症候群に特別な治療法はありません。

それぞれの症状を軽減し、言語発達障害や、腎不全など、放置することによって生じる問題を予防軽減するための対策が重要です。

聴力は手術で改善する場合もあります。腎臓の症状が進行する場合は透析や腎移植が必要なこともあります。

治療期間も症状によりさまざまです。

鰓耳腎症候群の治療経過(合併症・後遺症)

鰓耳腎症候群は難聴や腎障害の程度は、同じ家族であっても大きく異なることはよく見られます。いずれも障害の程度によって治療の方法や困難さ、長期的な予後は異なります。

腎障害と難聴をうまく対処できれば、通常と変わらない日常生活を送ることができる場合が多いです。

難聴に関しては、早期介入によって言語発達に及ぼす影響も少なくて済みます。

鰓耳腎症候群になりやすい年齢や性別

鰓耳腎症候群は日本国内に約300人の患者さんがいます。性差はありません。

執筆・監修ドクター

福島 邦博
福島 邦博 医師 早島クリニック耳鼻咽喉科皮膚科 院長 担当科目 耳鼻いんこう科

経歴平成 2年 岡山大学医学部 卒業
平成 6年 岡山大学医学部大学院 卒業
平成 2年~ 岡山大学医学部耳鼻咽喉科 入局
      国立岡山大学 耳鼻咽喉科 研修医
平成 7年~ 米国アイオワ大学医学部 耳鼻咽喉科 研究員
平成 9年~ 岡山大学医学部耳鼻咽喉科 助手
平成12年~ 岡山大学医学部耳鼻咽喉科 講師
平成26年4月~ 新倉敷耳鼻咽喉科クリニック 院長
平成27年~ 埼玉医科大学 客員教授
      九州大学 臨床教授
平成29年10月~  早島クリニック耳鼻咽喉科皮膚科 院長

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