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きゅうせいすいえん急性膵炎

更新日:2022/08/10 公開日:2019/04/11 view数:9,608

急性膵炎(きゅうせいすいえん)は、膵臓(すいぞう)で産生され膵管を通って十二指腸に分泌される消化酵素が、膵臓自身を自己消化してしまうことで起こります。
激しい腹痛を伴うことが多く、アルコールや胆石(胆管結石)が主な原因となります。

炎症をおこした膵臓は、正常な働きが低下するだけでなく、他の臓器に悪影響を及ぼす物質が産生され、重症化する場合があります。
重症化した場合は心臓や肺、腎臓、肝臓、胃などの消化管に障害を及ぼし、意識障害などの全身症状を引き起こし、生命にかかわることがあります。
また急性膵炎を繰り返しているうちに慢性膵炎に移行する場合があります。
治療軽快後もアルコールや暴飲暴食、脂肪の多い食事を避けるなど、食生活を中心とした生活改善が再発予防には重要です。

目次
  1. 急性膵炎の症状
  2. 急性膵炎の診療科目・検査方法
  3. 急性膵炎の原因
  4. 急性膵炎の予防・治療方法・治療期間
  5. 急性膵炎の治療経過(合併症・後遺症)
  6. 急性膵炎になりやすい年齢や性別

急性膵炎の症状

急性膵炎では、上腹部に腹痛、圧痛が起こります。
この腹痛はしばしば激痛になることが多いです。
吐き気や嘔吐(おうと)、背部痛、黄疸(おうだん:胆石性の場合起こる)が起こる場合もあります。

脳血管障害や認知症の患者さんでは、腹痛の訴えが乏しく、診断が遅れ重症化するケースがあるため注意が必要です。
重症の急性膵炎では意識障害、血圧低下(ショック)、呼吸困難、尿量低下などが起こることもあります。

治療が奏功せず、時間を追って膵炎が重症化し、生命に危険が及ぶことも少なくないです。

急性膵炎の診療科目・検査方法

急性膵炎を疑う場合、血液検査によりアミラーゼ、リパーゼなどの膵酵素の値を測定します。
胸腹部エックス線撮影や超音波検査、CT、MRIなどの画像検査も重要な検査になります。
重症化すると生命にかかわるため、早急な受診が必要です。

診断から治療、重症化を早期に判断する経時的な経過観察も必要となるため、可能であれば消化器内科を受診しましょう。

急性膵炎の原因

急性膵炎は、タンパク質を分解するために膵臓で産生・分泌される消化酵素によって膵臓自身を自己消化してしまうことによって発症します。

その原因としてアルコール、次いで胆石(胆管結石)によるものが挙げられます。
アルコールによる発症リスクは飲酒量が増加するほど高くなります。
その他にも原因不明の特発性急性膵炎、薬剤性、高脂血症、手術などによる医原性(ERCP 後)、遺伝的な要因なども急性膵炎の原因として知られています。

急性膵炎の予防・治療方法・治療期間

治療は絶飲食と大量の点滴による膵臓の安静化を図る治療が基本となります。
激しい痛みに対しては鎮痛剤の投与、また重症例では人工呼吸管理、動脈注入療法や腹膜濾過透析など集中治療を要する場合もあります。

飲食は腹痛、血中膵酵素の値が改善された段階で再開を判断することになります。
食事は低脂肪食で開始されます。
再発防止には、禁酒の継続はもちろんのこと、脂分の多い食事や暴飲暴食は避ける必要があります。

胆石(胆管結石)が原因の場合は内視鏡的に結石除去治療を行います。

急性膵炎診療ガイドラインでは胆石性の場合は内視鏡治療が可能な施設への搬送が推奨されており、膵炎の回復後には胆石性膵炎の予防のため胆のう摘出術が推奨されています。

急性膵炎の治療経過(合併症・後遺症)

急性膵炎を繰り返すことで慢性膵炎へと移行する場合があります。
また重症化した急性膵炎では死亡率が10%程度あることから、再発予防策が重要です。

原因がアルコールの場合は禁酒をすることで再発の可能性を低下させることが可能です。
胆石性の場合は胆のうを摘出することで再発率を低下できます。

原因を確定し、治療することで再発の可能性を下げることができます。

急性膵炎になりやすい年齢や性別

2014年の厚生労働省研究班の調査では罹患率は10万人あたり49.4人です。

そのうち、アルコール性膵炎は33.5%で男性に多く、胆石性膵炎は26.9%で女性に多いです。
近年は増加傾向にあるとされ、男性では60歳代、女性では70歳代がもっとも多くなります。

執筆・監修ドクター

川口 義明
川口 義明 医師 かわぐち消化器内科 院長 担当科目 消化器内科/内科

経歴1993年 札幌医科大学卒業
横浜市大医学部第二内科入局後、横浜市立港湾病院(現みなと赤十字病院)、横浜南共済病院、京都第二赤十字病院に勤務。

2003年 横浜市大病院助手
2006年 東海大学消化器内科講師
2010年 同准教授

2017年7月 かわぐち消化器内科開院。
東海大学医学部客員教授。横浜市大医学部臨床教授。

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