大腸ポリープ

大腸ポリープの基本情報

 

大腸ポリープとは?

大腸(だいちょう)ポリープとは、大腸の内側粘膜に隆起してできる突起物のことを意味します。大腸ポリープは腫瘍性のものとそれ以外のものとがあります。腫瘍性の中でも悪性のものが大腸がんですが、進行すると突起物状ではなくなるためポリープとはよばれなくなります。そのため単に腫瘍性で良性のものを大腸ポリープと呼ぶ場合もあります。

また潰瘍など炎症性の病気からポリープができることもあります。ポリープがどういったタイプのものなのか、外見から判断するのは難しいため、切除して組織を確認することも重要です。

大腸ポリープの基礎知識

病名

大腸ポリープ(Colorectal polyp)

別名

症状

基本的に無症状。
便潜血検査の異常や大腸内視鏡検査時に偶然発見されることが最も多い。
非常に大きなポリープで腹痛や便通異常を感じ、また肛門に近い場所にできたポリープでは血便を自覚することもある。

罹患者数

大腸ポリープとは、腸壁から発生して管腔内に突出する組織の総称であり、腫瘍性の腺腫(※1)、非腫瘍性の過形成ポリープ(※2)や炎症性ポリープ(※3)などに分類される。
うち大腸がんとの関連の深い腺腫に関しては、大腸内視鏡検査を受けた方の1~2割に発見される。

発症しやすい年齢と性差

一般的な腺腫性ポリープは成人で発症し年齢とともに増加傾向にある。
男性が女性に比べて2倍ほど多い。
男性では30代の1割、60~70代の2割弱ほどとされる。

原因

特別な遺伝性疾患を除けば原因不明である。
腺腫に関しては年齢や大腸癌の家族歴のほかにアルコール、喫煙、生活習慣病、また赤身肉や加工肉の摂取過多も因果関係があると考えられている。
食物繊維の摂取や適度な運動に予防効果があるとの報告もある。

受診の必要性

治療方針については内視鏡専門医の判断を仰ぐ必要がある。
消化器内科を受診する。

検査内容

大腸ポリープを見つけるためのスクリーニング検査としては、便に血液がまじっているかを確認する便潜血検査が一般的である。
陽性と判定されれば大腸内視鏡による精密検査をおこなう。
そのほかにバリウム注腸検査や、近年ではCTを用いた大腸検診もおこなわれている。

治療可否

内視鏡上あるいは病理診断で良性が確認されれば内視鏡にて切除することで完治する。
悪性病変も条件により内視鏡で根治切除が可能である。

治療法

腫瘍性ポリープである腺腫は内視鏡的切除の適応となる。
非腫瘍性ポリープに関しても内視鏡的切除にて完治可能であるが、経過観察となる例が多い。

治療期間

2cm程度までの大きさのポリープであれば内視鏡的切除の適応になることが多い。
1~2日の短期入院や日帰りでの切除がおこなわれることもある。
状況により切除後1~2週間の生活上の制限がある場合もある。

編集部脚注

※1 腺腫 (せんしゅ)

腺腫は、「通常の限度を超えて増殖する良性腫瘍」です。
「限度を超えて増殖する」といっても、無制限に増殖するわけではありません。
ある程度、大きくなった時点で「血管から供給される栄養が不足する」などの理由から増殖が止まります。
要するに、最初に発生したところで「できもの」になるだけです。
周囲の組織に広がる「浸潤:しんじゅん」、離れた場所に飛び火する「転移」は起こしません。
しかし、腺腫は悪性化(=がん化)するリスクがあります。
腺腫・悪性腫瘍が発生するのは、「遺伝子の変異」が要因です。
まず、「増殖を抑える遺伝子(APC遺伝子)」が変異を起こすと、細胞は「常時、増殖する状態」になります。
この時点で、腺腫となります。
さらに「K-ras遺伝子」「P53遺伝子」が変異した場合、悪性化すると考えられています。
ちなみに、本来、細胞が増殖するのは「成長ホルモン(EGF)からの信号を受けたとき」です。
しかし、K-ras遺伝子が変異すると、EGFからの信号を受けなくても、無制限に増殖を繰り返すようになります。
P53遺伝子は「がんを抑える遺伝子」です。
細胞が悪性化に向かったとき、細胞自然死(アポトーシス)へと導きます。
P53遺伝子が変異すると、がん化を防ぐ機能が損なわれます。
要するに、腺腫には「大腸がんの前段階」という側面があります。

※2 過形成ポリープ

過形成ポリープは、「細胞数の増加による組織増大」です。
大腸に発生する過形成ポリープの場合、ほとんどが「平べったい見た目の隆起形」で数mmの大きさです。

※3 炎症性ポリープ

炎症性ポリープは、「炎症性腸疾患に伴うポリープ」です。
炎症性腸疾患としては、「潰瘍性大腸炎」「クローン病」が知られています。
潰瘍性大腸炎は「粘液便・血便などを伴う原因不明の大腸炎」、クローン病は「小腸・大腸を中心に、消化管全体が炎症を起こし得る病気」です。

クローン病には自己免疫が関連している(=免疫システムが自分の消化管を攻撃する)と考えられていますが、詳しい原因は未解明です。
このような炎症性腸疾患を起こしたあと、傷跡のように発生するのが炎症性ポリープです。

■医師が推薦する情報サイト
日本消化器病学会ガイドライン 大腸ポリープ
オリンパス おなかの健康ドットコム

■参考サイト
日本消化器病学会ガイドライン 大腸ポリープ
日本消化器病学会 大腸ポリープ診療ガイドライン2014
国立がん研究センター がん情報サービス
大腸線腫発生のリスクの検討

【執筆】大田 幹 先生

一緒に調べられている病名

大腸がん

都道府県から病院・クリニックを探す
病院・クリニックを探す
病気スコープ編集部
2018年4月20日

情報リクエスト

病気スコープは、ユーザーの皆様が求めている情報を可能な限りお届けしたいと思っています。
「掲載されている病気についてより深く知りたい」「新しい情報として掲載してほしい病気がある」どちらの場合も、お気軽にリクエストしてください。
皆様の期待に応え続けることで、より信頼できるサイトとして成長して参ります。

どちらの情報をリクエストしますか?

または

※個別のご病気や治療法などの医療行為にかかわるお問合せには、
お答えできませんのでご了承ください。

送信完了

リクエストいただきありがとうございました。
いただいたご意見を元に、より信頼していただけるサイトとして成長して参ります。