しゃし/しゃい斜視/斜位
斜視・斜位とは?
通常は物を見る時に両目で見ます。その時に、両目の視線が同じ方向を向きますが、
片方の視線が見たい方向とは違う方向に向いてしまう状態を「斜視」といいます。
また、「斜位」は別名「隠れ斜視」とも呼ばれているように、両目ではなく片方の目で物を見ようとした時に、使っていない方の目(隠している方の目)の位置がずれる状態のことを言います。
斜視は目のずれる方向や先天性か後天性かによって病名が分かれます。また、外見的な症状のため自分で気づくことが難しく、家族や友人と話しているときに「どこ見てるの?」と言われて発覚することもあり得ます。一般的にはガチャ目や寄り目とよばれることもあるかもしれません。
斜視は治療が必要なこともありますが、斜位はトレーニングやメガネによる改善も可能です。
斜視/斜位の症状
鏡や写真を見た時に両目の視線が合っておらず、片方の目の位置がずれてしまう状態です。
外観的な症状のため自分では気づきにくく、自分で意識していなくても症状が出てしまうこともあります。斜視の症状がいつでも現れているものを「恒常性斜視」、普段は健常者と同じだが時々斜視の症状が出る場合を「間歇性斜視(かんけつせいしゃし)」と呼びます。
一方、斜位は「隠れ斜視」ともいい、両目で同じ方向に視線を向けることはできますが、片目で見ようとする時に使っていない方の目(隠している方の目)が違う方向を向いてしまう状態です。斜視とは違い、自分で意識をすれば視線を向けることができ、逆に疲れている時やぼーっとしている時に、目の位置が動くことを指します。
斜視/斜位の診療科目・検査方法
斜視の検査項目は以下の4つがあります。
視力検査
両目の視力差があるかどうかを調べる。
屈折検査
遠視・近視・乱視の程度を計る。
眼位・眼球運動検査
両目の眼球の位置(眼位)、目の動き、左右の目線が合っているかを調べるために行う。両眼をペンライトで照らして調べる方法(角膜反射法)や片眼を隠して眼球の動きを観察する方法(遮閉試験)などがある。
両眼視検査
両目でものを見えているのかを確認するために行う。片方の目の情報だけしか脳に届いていないのではないか、両方の目に入った像が正しく対応しているかといった、立体視・奥行き感覚などを調べるためのテストである。
斜視は早期に治療することが望ましく、乳幼児期に現れる目の病気として代表的である。小児であれば小児眼科、大人であれば眼科、斜視・弱視外来もある。
▼子供の斜視の発見ポイントについて詳しく知りたい方はこちら
ベビママほっと。:斜視は子どもによくある?発見のポイントや治療、日常で気を付けること
斜視/斜位の原因
原因は主に4つに分かれています。
1、目の筋肉や神経によるもの
目を動かす筋肉(眼筋)そのものの異常や、眼筋の神経支配の異常などによる。
2、両眼視の異常
遺伝や脳の一部のわずかな異常により、先天的に両眼でものを見ることがうまくできず、その結果として斜視が起こる。
3、強い遠視・近視によるもの
強い遠視の場合、近くを見る時により強くピント調節を行うため、それに伴って目が内側によってしまうこという。調節性斜視とも呼ばれる。近視の場合は外側へずれる。
4、視力不良
病気やケガ、先天的な眼病により片方の視力が悪くなると、両眼の視力差が生まれてしまい両眼視が難しくなります。これにより視力の良い方ばかりを使うようになり、視力の悪い方が斜視になる。
斜視/斜位の予防・治療方法・治療期間
乳幼児期に発症したものと成人してからの他の病気によるものとでは、治療方法が異なる場合があります。斜視の原因から治療法として、大きく分けて手術かそれ以外の方法があり、以下の4つが主な治療法です。手術以外の方法では長期間となります。
・手術
ボツリヌス注射やレーザー照射を行うもので、小児で全身麻酔を行う場合は数日の入院が必要です。成人は局所麻酔で日帰り手術が可能な場合もあります。手術自体は30分〜1時間半程度です。
・コンタクト・メガネを使用した治療
・プリズム処方
・両眼視機能トレーニング
などが治療法として挙げられます。
斜視/斜位の治療経過(合併症・後遺症)
1度の手術では、斜視が残ってしまうことや、過矯正となることも起こります。そのため、数年後にもう一度、全部で2、3回は手術をする必要があります。また、術後の再発を見るためにも定期的に通院が必要になります。
手術以外の方法として、メガネ・コンタクトの使用は視力の矯正による改善、プリズム処方は外見上の目のずれを正すためのものであって根本的な改善にはなりません。両眼視機能トレーニングは病院で医師の指導のもとに行う方法と、自宅での方法とがあり、両眼視機能の向上により治療が終了することもあります。
斜視/斜位になりやすい年齢や性別
2016年度の傷病別全国統計では、斜視(外傷性・癒着性を除く)の罹患者数は9,437名。その内手術ありが8,663名(91.8%)、手術なしが774名(8.2%)でした。
斜視の種類にもよりますが、子どもの約2%が発症するといわれています。一方で加齢性の斜視の病態についても研究されていますが、発症に関する性差は現在のところ明らかにはなっていません。
執筆・監修ドクター
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