水下痢が続く原因は?急性胃腸炎など病気の可能性も!飲み物は何が良い?
はじめに、「下痢」の基準ってなに?
1.『下痢』を起こすとこうなる!
『下痢』とはどんな状態の便?
下痢は、健康的な便と比較してゆるく、柔らかい状態の便や、水っぽい便のことです。
便の状態としては、水に溶けたり、浮いてバラバラになったりしているものです。
下痢の原因のほとんどは胃腸にある!
下痢のほとんどは、胃腸などの 消化機能系の異常により起こります。
腹痛をともなうことが多く、我慢できずにトイレに行く回数が増えるなどの症状があります。
2.健康な便と下痢の違い
健康な便は水分が6~7割ほどで形がしっかりとしていて、崩れることはありません。
水分が7割以上になると下痢とよばれ、段階ごとに軟便・泥状便・水様便などとよばれます。
だいたい、水分量が7~8割のものを軟便、8割以上のものを下痢といいます。
水下痢ってなに?
1.『水下痢』は水分が9割以上
下痢の中でも、とくに9割以上の水分を含んでいるものを水下痢ということがほとんどです。
ただし、便の水分量を正しく計測することはできないので、おおよその判断になります。
2.水下痢が起こる理由
おもな原因は『胃腸炎』!
水下痢の原因として考えられるのは、次のような感染による胃腸炎です。
・ノロウイルス
・ロタウイルス
・食中毒
・食あたり
急性のものが多く、急に便意をもよおしたら、水下痢だったということが多いでしょう。
どれも症状として水下痢がみられますが、食あたりだけは比較的症状が軽いという特徴があります。
『水下痢』の前後にはどんな症状がある?
その前後に腹痛をともなうこともあり、場合によっては吐き気や、嘔吐をくり返すこともあります。
水下痢の場合に考えられる病気について
水下痢に考えられる原因はこの3つ!
水下痢は、ウイルスや細菌・食中毒・食あたり など、急性のものがほとんどです。
この3つが原因となり、胃腸炎を引き起こしていることが多いため、まずはこれらを疑うべきでしょう。
食中毒は細菌が体内に入ることで起こり、食あたりは暴飲暴食、消化不良、痛んだものを食べたことなどが原因となります。
急性の下痢について
急性の下痢 であれば、日に数回程度から数十回にわたって便意をもよおすこともあります。
腹痛や吐き気をともなうときは重大な病気の可能性も
排便時や、その前後に腹痛・吐き気をともなうときは、できる限り早い段階での検査が必要です。
水下痢をもよおすウイルスには『赤痢』、『コレラ』などの可能性があるほか、潰瘍性大腸炎や、大腸ガンなどの病が隠れている可能性もあります。
とくに、便の色が赤みがかっている場合は、これらの病気を疑ってすぐに病院へ行くことが重要です。
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水下痢が続く場合の対処法!
水下痢が続く場合に心がけることや、下痢止めを服用してもいいかどうかについて解説します。
1.家では、とくに水分補給を心がける
水下痢が続く場合は脱水症状に注意!
1日に数十回も便意をくり返すものでも、多くは1週間程度 で治るものがほとんどです。
しかし、この週間の間に何度も水下痢が続く場合は、脱水症状が起こることが多い です。
たくさん水分が排出されてしまうので、喉が乾く前に水分をしっかりととるようにしましょう。
めまいやふらつきが少しでもあれば注意が必要です。
胃腸を冷やさないものでこまめに水分補給!
水下痢が出るということは、少なからず胃腸の調子がよくない状態です。
そのため、冷たいものを一気に飲むのは控えてください。ぬるめの白湯やお茶、常温のスポーツドリンクなどを飲むのがよいでしょう。
吐き気がある場合の水分補給は?
吐き気がある場合には、飲めるものを飲んでください。
100%ジュースなどが飲みたくなった場合には、果糖が多く含まれていることを考慮して飲みすぎないようにしましょう。
2. 急性の胃腸炎が疑われる場合は受診を
水下痢の際に腹痛などがあるかが診断のポイント!
急性の胃腸炎が疑われる場合は、内科や消化器内科、胃腸内科を診療科目に掲げる病院を受診するのがよいでしょう。
水下痢の際は、急に腹痛をともない症状が出ることがあります。
水下痢になってしまう前後に、腹痛や吐き気がないかをしっかりと覚えておくことが重要です。
便の状態をよく覚えておくこと
病院へ行く場合には、便の特徴をできる限り詳しく報告するようにしましょう。
頻度や便の状態だけでなく、血が混ざっているかどうか、色なども報告できるようにその都度確認してください。
3.下痢止めの使い方はそのときの状況によって判断を!
基本的には下痢止めは使用しないこと
仕事など急な用事の場合はやむを得ませんが、下痢止めの服用はおすすめできません。
水下痢は、ウイルスなど体に不要なものを排出するために起こっている症状です。
しかし、下痢止めを飲んでしまうとウイルスなどの不要なものの排出を止めてしまうことになります。
そのため、特別な理由がなければ、むやみに下痢止めを服用するのはやめたほうがよいでしょう。
有効なのはこんなとき
食べ過ぎや、お腹が冷えたことによる下痢であれば、下痢止めの作用が有効です。
しかし、判断ができない場合には、病院を受診し、医師に相談するようにしてください。
最後に
種類も原因もさまざま
下痢にはさまざまな種類があり、それは便の水分量によって変わります。
その中でも、水下痢は便の9割程度が水分になります。
原因もさまざまですが、ウイルスや細菌・食中毒・食あたりなど、急性の胃腸炎が多いです。
ほかにも、食べ過ぎや体を冷やしたことによる水下痢の場合もあります。
病院を受診する基準は?
急性の胃腸炎であれば、早めに病院を受診することが必要です。
しかし、食べ過ぎなどであれば下痢止めなどの市販薬を服用することで症状が治ることがあります。
原因が判断できないときには、病院を受診することをおすすめします。急性胃腸炎であれば、水下痢の前後に腹痛や吐き気をともなうこともあります。
そのため、受診した際に医師にしっかりと伝えられるよう、症状にじゅうぶん注意しておくことが大切です。
通常、1週間程度 で下痢の症状は治まりますが、治まったあとも水分補給をしっかりとおこないましょう。
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執筆・監修ドクター
経歴2006年 北里大学大学院卒、
2008年 平塚共済病院内科医長を経て小田原銀座クリニックに入職、その後院長に就任。
2013年 12月には当院久野銀座クリニックを開業
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