下痢症の原因はストレス?病気?病院へいくべき症状と食事のとりかた
『下痢』で病院に行くなんて…と思っていませんか?
しかし、1日10回以上の下痢やひどい腹痛がともなう場合は、すぐに病院へ行きましょう。
また、それほど下痢がひどくない場合も、少量ずつ食事をとるなど、家庭でできるセルフケアを行うことが大切です。
こちらの記事では『下痢症』の病院へ行くべき症状や、治療法、食事のさいの注意点について解説します。
すぐ病院へ行くべき、下痢症状
1日に3回以上の排便があり、水っぽい便であれば「下痢症」であるといえます。
その中でも、下痢の症状が重く、快方へ向かわない場合は迷わず病院へ行きましょう。特に下記のような症状があれば注意が必要です。
1.下痢が1日10回前後、ひどい腹痛が伴うとき
具体的には、1日に10回前後の下痢があること、それもかなり水っぽく形を成していないような排便であることなどがひとつの基準です。
またひどい腹痛が同時にある場合は、下痢以外の病気が隠れている場合もあります。早めに病院へ行って診察を受けてください。
2.トイレから出られない、急な腹痛でトイレに駆け込む
トイレから出られないほど下痢の症状がひどいときも、できるだけ早く病院で診察を受けるべきです。
また、急な腹痛でトイレに駆け込むことが頻繁にあったり、下痢と便秘といった、両極端な状態を繰り返していたりする場合も、病院へ行くことをおすすめします。
3.経過に応じて、病院を受診する
もちろん、上記の条件に当てはまらないからといって、病院へ行かなくて良い、ということではありません。
経過を見ながら、必要に応じて受診するようにしましょう。軽度の下痢や腹痛でも、心配なことがあれば内科などを受診し、医師へ相談しましょう。
下痢症を引き起こす病気。ストレスとの関係
1.ウイルス性の下痢
ロタウイルス
ウイルス性の下痢症のなかでは、ロタウイルスがもっとも重症といわれています。
1週間ほど下痢が続き、ひどい時には1日10回以上の下痢があります。
ノロウイルスなど、その他のウイルス
その他のウイルス(ノロウイルス、サポウイルス、アイチウイルス、アストロウイルス、腸管アデノウイルス、サイトメガロウイルス)の場合も、下痢症状が数日続きます。
ノロウイルスが二枚貝などから感染するのは有名ですね。
他のウイルスは、衛生・環境状態が悪いとき、また人から人へと感染することもあります。
2.ストレスが原因!過敏性腸症候群(IBS)
過敏性腸症候群とは?腹痛や下痢、便秘が起こる
下痢に関連する病気のひとつに、過敏性腸症候群(IBS)があります。
IBSとは、腸に問題がないにも関わらず、下痢や便秘など便通に異常がある病気のことです。
また同時に、腹痛やガスが溜まったようなお腹の張り、異常にお腹が鳴るなどの症状がみられます。
原因の多くはストレス
IBSを引き起こす原因の多くは、ストレスです。
過労や睡眠不足、食生活、運動状態など身体的なストレスや、対人関係などの精神的なストレスがIBSの原因になっています。
下痢症状の治療やセルフケア
下痢症状で病院を受診した際に、どのような治療を受けるのでしょうか。
家庭で食事をとる際の注意点もあわせてご紹介します。
1.病院でうける下痢症状の治療
吐き気を抑える薬や整腸剤を処方
病院を受診すると、多くの場合、吐き気を抑える『鎮吐薬(ちんとやく)』を処方されます。
また『ビオフェルミン』など、腸の機能を正常に整えるはたらきがある、整腸剤を処方されることもあります。
一方で、ウイルス性の下痢やIBSなど、原因や病名がはっきりしている場合は下痢を止める薬が使わないケースもあります。
乳児は要注意!小児科で相談を
下痢症は赤ちゃんから高齢者まで、幅広い年齢でかかる病気です。
特に乳児の場合は、大人に比べて体力も少ないため注意が必要です。
口から食べられるものも限られているため、軽度の下痢でも点滴を打つこともあります。まずは、お近くの小児科で相談しましょう。
2.家庭で食事をとる際の注意点
症状がそれほど重くなく、家で経過観察をする場合は以下のようなことに注意しましょう。
少しずつ、何回かにわけて食事をとる
まず、絶対に無理して食べないようにしましょう。
一度に食べる量を減らし、少量を何回かにわけて食べることが大切です。
一度にたくさん食べてしまうと、消化に負担がかかり、再び下痢や便秘、嘔吐にもつながる可能性があります。
消化によい重湯やおかゆを中心に
また、下痢のときは何を食べたらいいか迷いがちです。体に負担をかけないように、消化によい『重湯』や、『おかゆ』などから食べ始めましょう。
下痢の症状がおさまっても食欲がなく、ほとんど食べ物を口にできない日が続くような場合は、病院を受診してください。
まとめ
下痢症の予防には、普段から健康に気を配ることが大切
下痢症は、幅広い年齢層で発症する可能性のある病気です。
下痢症を予防するためにも、普段から健康に気を配り、自分の体調や体力に見合わない過酷なスケジュールをこなすといったことは、できる限りやめておきましょう。
ストレスの解消につとめよう
また、対人関係など精神的なストレスに関しても、無理は禁物です。何か自分にあったストレス解消法を見つけられるとよいですね。
ストレスを上手に発散するだけでも、下痢症や身体の異常を防ぐ手助けになります。
下痢が悪化する、数日続く場合は病院へ
もし、下痢の症状がひどくなったり、数日間続いたりする場合は、迷わず病院を受診してください。
執筆・監修ドクター
経歴2006年 北里大学大学院卒、
2008年 平塚共済病院内科医長を経て小田原銀座クリニックに入職、その後院長に就任。
2013年 12月には当院久野銀座クリニックを開業
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