日焼け後のケア、どうしてる?子供はダメージ大!飲む日焼け止めとは?
日焼け対策をしていたのに、思った以上に焼けてしまった…ということはありませんか?
いつもは日焼け止めを塗っているのに、その日に限って日焼け止めを塗り忘れてしまった、ということもあるかもしれません。この記事では、日焼け後のケアについて詳しく解説していきます。
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日焼け後のケア、なるべく早く
1.日焼けのメカニズム
サンバーンとは
日焼けすると、体質の違いによって肌が赤く炎症を起こしてヒリヒリしたり、色素沈着をおこして黒くなったりします。この肌が赤く炎症を起こした状態を、サンバーンといいます。
サンバーンは、軽いやけどと同じで、1~2日ほど、ヒリヒリとした痛みがあります。
サンタンとは
その後、メラニン色素が沈着することで肌が黒くなります。この状態をサンタンといいます。
2.日焼け後はまず肌を冷やす
なるべく早くケアを!
日焼け後は、なるべく早くケアをすることで、皮膚の炎症を抑え、肌への影響を少なくすることができます。
日焼け後のケアとして大切なのは、まず炎症を起こした肌を冷やすことです。
冷やしすぎも肌にはよくない
日焼けは軽いやけどと同じですから、冷たいシャワーやぬれタオルなどで、日焼けした肌をクールダウンしましょう。
氷や保冷剤が良いと思われる方もいますが、冷やし過ぎても肌の細胞にダメージを与えてしまいます。
冷たいシャワーや濡れタオルで十分です。
3.しっかりと保湿する
その後、しっかり保湿をします。
肌が炎症を起こしているため、敏感肌や低刺激の保湿剤、肌の炎症を鎮める効果のある保湿剤を使用します。
保湿剤を肌になじませる時は、軽くおさえるように保湿します。
化粧水だけでは蒸発してしまうので、スキンケア用のオイル(ワセリン、ホホバオイル、オリーブオイル、椿油など)でふたをするようにしましょう。クリームや乳液もオイル成分が含まれているものがほとんどなのでそちらでも構いません。
日焼け後は、肌だけでなく、体の水分も少なくなりやすいので、こまめに水分補給を心がけましょう。
4.日焼け後のケアで得られるメリット
肌老化を食い止める
日焼け後にしっかりとケアをすることで、肌老化を食い止めることができます。ひどい日焼けは、真皮層までダメージを与え、コラーゲンを破壊します。コラーゲンが破壊されると、肌のハリが失われ、たるみやしわの原因となります。
メラニン色素の発生を防ぐ
また、日焼け後は肌表面にメラニン色素が多く発生することで、シミやそばかすの原因となります。つまり、日焼け後のケアは肌の炎症を抑えるだけでなく、シミ・そばかす・しわなど様々な肌トラブルを防ぐことにもなります。
日焼けしてしまったことを後悔するのではなく、その後のケアが重要です。きれいな肌を保つためにも、日焼け後のケアに力を入れましょう。
日焼け対策をしても日焼けをしてしまう理由
そもそも、日焼けをしないように日焼け止めを塗るなど対策をしていたにも関わらず、日焼けをすることはないでしょうか。それにはいくつか理由があります。
1.日焼け止めの強さが合っていない
日焼け止めはSPFという数字が表示されていますが、例えばSPF30の場合、何もつけない状態では15分で日焼けをしてしまうところ、SPF30の日焼け止めを塗っていれば、15分×30倍=450分(7.5時間)に延長できるという数字になります。
ですから、日焼け止めも自分の生活スタイルに応じたSPFの日焼け止めを使用しなければ効果が発揮されません。
2.日焼け止めの量が足りていない
顔に日焼け止めを塗る場合
日焼け止めのタイプにもよりますが、手のひらで500円玉くらいの大きさ、1g弱程度が適量です。
全身に日焼け止めを塗る場合
日焼け止めの必要量は、片手の平にたっぷり載せてちょうど良い量と言われています。だいたい30gが目安です。卵1個が60gくらいなので、その半分くらい使用しなければ効果は発揮されません。
3.塗る頻度が足りていない
SPFが十分にあったとしても、日焼け止めは汗や水分によりとれていきます。ウォータープルーフのものもありますが、塗っても必ず取れないわけではなく、2~3時間に一回など、こまめに塗らなければ日焼けしてしまいます。
4.日焼け止めの効果が減少する薬や食べ物を摂取している
その他にも、服薬している薬の内容によっては、日焼け止めの効果が得られないことがあります。
また、レモンなどの柑橘系、きゅうり、セロリ、キウイなどに含まれるソラレンは、光化学反応を起こし肌を黒くします。多くの場合皮に多く含まれているので、美肌のためと皮ごと作ったスムージーを飲んだり、朝食にこうした食品を摂ると、日焼け止めを塗って外出しても日焼けすることがあります。
一方でこれらに含まれるビタミンCは日焼け予防や日焼け後のケアにも良いため、皮をむいて食べる、またはサプリメントでとるなどの方法がおすすめです。
子供の日焼け・大人の日焼け
1.子供は日焼けしても大丈夫?
一生のうちに浴びる紫外線の半分は、18歳までに浴びるといわれています。身体や心を含め、様々な部分が成長途中のこの時期に、たくさんの紫外線を浴びます。
子供だから日焼けしても大丈夫ということはありません。むしろ、肌も成長途中ですから、子供の方が日焼けによるダメージを受けやすいのです。
2.子供のターンオーバーは早い
私たちの肌は、常に新しい細胞が作られ、生まれ変わっていきます。
肌は皮下組織、真皮、表皮からできており、表皮に向かって新しい細胞に押し上げられます。アカスリなどで出た垢は、肌のターンオーバーにより剥がれ落ちた古い角質です。
このターンオーバーは、大人で28日周期ですが、子供ではかなり短く、生後すぐの赤ちゃんはなんと1週間ほどとも言われています。
ターンオーバーが早ければ紫外線でダメージを受けても垢となって剥がれ落ちるから大丈夫ですが、子供はこのターンオーバーが短いため丈夫な肌が作られる前に、紫外線のダメージも受けやすくなります。
肌の状態別、日焼け後のおすすめケア
1.肌が黒くなった場合
火照りが残っている場合は、肌を冷やし炎症を鎮めます。
皮膚のターンオーバーを早めるために、皮膚の元になる食事を摂りましょう。
皮膚のターンオーバーを促すビタミン、亜鉛、鉄分、たんぱく質を日ごろからとります。
2.肌が赤くなった場合
赤くなっている場合は、皮膚が炎症しており、ヒリヒリした痛みを伴うことがあります。この場合、スキンケアで何かを塗る前に、炎症を抑えるためにまず肌を冷やし、炎症を抑えることが第一です。
3.皮がむけた場合
日焼け後、数日たつと皮がポロポロと剥がれることがあります。かゆくなったり、服についたりすることで気になる場合もありますが、自然にとれるまで決して触らないようにします。
皮が剥がれてしまった肌は未熟で傷つきやすいため、色素沈着の原因になります。
しっかり保湿し、化粧水などは低刺激のメラニン還元作用(酸化し、黒褐色になったメラニンを無色の状態へと戻していく作用)のあるビタミンC入りのものが良いでしょう。
皮が剥けてヒリヒリする場合は、皮膚科への受診をおすすめします。
4.水ぶくれになった場合
水ぶくれになると、気になってしまいつい破りたくなりますが、絶対にやってはいけません。
水ぶくれした皮膚の中に含まれる水分は、単なる水ではなく、体の中に含まれる傷口を修復しようとする水分です。水ぶくれ部分が刺激、または圧迫するような服装は避け、触らないことが早くきれいに治す近道です。
5.日焼けに効く?民間療法
きゅうりパック
日焼け後に、きゅうりを薄くスライスして顔全体に乗せてパックするという方法です。
きゅうりは夏野菜で、体を冷やす効果があります。
また、水分もたっぷりですから、一見するとパックはよさそうですが、きゅうりに含まれるソラレンという成分は、紫外線と反応する性質があります。
きゅうりに限らず、ソラレンを含んでいる食品の水分や汁などが、皮膚につくと紫外線と反応するため、おすすめしません。
ヨーグルトパック
ヨーグルトには古い角質を落とすピーリング効果があるといわれています。
ヨーグルトに小麦粉を混ぜて顔に塗り、洗い流す方法などがあります。
しかし、アレルギーなどの問題、炎症がひどくなるケースもあります。
ピーリング効果については、炎症を起こした日焼け後の皮膚については控えたほうが良いでしょう。
アロエ
アロエには抗炎症作用があり、紫外線で傷んだ皮膚の修復効果もあります。
病院に行くべき日焼けとは?
1.何科に行けばいい?
日焼けで水ぶくれになってしまったり、ヒリヒリして痛みがあるなど、症状が重い場合は病院を受診しましょう。
日焼けは皮膚トラブルなので、皮膚科を受診します。
2.病院で行う日焼けの治療法は?
炎症がある場合は、炎症を抑えるためのステロイドによる外用薬が処方されます。
またかゆみや痛みがある場合は、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、消炎鎮痛剤が処方されます。
水ぶくれを伴う場合は、細菌感染を防ぐためステロイドの内服薬が処方される場合があります。
3.飲む日焼け止めとは?
近年、飲む日焼け止めがあります。主に美容皮膚科などで取り扱っています。
長時間のアウトドアや、肌が弱く日焼け止めを塗れない人、面倒でなかなか日焼け止めをこまめに塗ることができない人、小さなお子さんにはおすすめです。興味のある方は、一度専門家に相談してみてください。
まとめ
日焼け止めを塗り、日焼け対策をしていても日焼けをすることがあります。日焼け対策も大切ですが、日焼け後のケアが重要です。冷やす、保湿、水分補給を基本として、もし炎症がひどい場合や痛みを伴う場合、自宅でのケアが困難な場合には、無理せず病院で診てもらいましょう。
執筆・監修ドクター
経歴北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
を経て横浜栄共済病院 形成外科
2014年 KO CLINICに勤務
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長 就任
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