梅毒の感染経路は?キスや母子間の感染も。性行為でうつる確率とは

梅毒は性感染症のひとつで、人の皮膚や粘膜を通じて感染します。
妊婦の場合は胎児に感染するリスクもあり、予防と早期発見が何よりも大切です。
この記事では梅毒の感染経路や感染確率、予防対策をご紹介します。
梅毒とは?

梅毒は性感染症のひとつで、「トレポネーマ」という病原体に感染することで起こります。
感染すると第一期から第四期にかけて進行し、それに伴ってさまざまな臓器に影響が出るます。
第四期に入ると命に関わる危険性も出てきますが、「ペニシリン」などの抗菌薬が普及したことで、現在は第三期や第四期まで進行するケースはほとんどなくなりました。
1.潜伏→発症をくり返して徐々に進行

何も症状の出ない潜伏期と、症状が表れる時期が交互に訪れ、それを繰り返しながら徐々に進行していきます。
そのため治ったように思えて放置していると、次に症状が表れたときには前よりも進行しており危険な状態です。
2.早期の段階で検査を受けることが重要!

感染から2年間を「早期梅毒(第一期梅毒・第二期梅毒)」といい、この期間は感染力を持ちます。つまり人にうつる可能性があります。
何かしら梅毒の症状が出ていれば、その部位からトレポネーマを検出することで診断を確定できます。
症状はすぐ引くため検査時に異変を目視できない場合もありますが、感染していれば検査で引っかかるため見過ごすことはありません。
診断を確定できれば梅毒の感染や進行を防げるので、早期梅毒の段階ですみやかに病院を受診して検査を受けることが大切です。
梅毒の感染経路や確率について
1.感染経路

病原体のトレポネーマは低酸素状態でしか長く生きられないため、感染経路が限定されています。
最も多いのは性行為
最も多いのは性行為による感染で、感染者の粘膜や皮膚に直接接触することで感染します。
性器と性器の接触・性器と口の接触・性器と肛門の接触はどれも感染の原因となります。
キスでも感染する
トレポネーマは全身に感染が広がる菌なので、当然ながら口の粘膜に感染することもあり得ます。
そのためキスによっても人にうつる可能性があります。
医師が安全と判断するまでは、性交渉だけでなくキスなどの行為も控えましょう。
まれに傷口や輸血から感染するケースも
感染者の手や指にできた傷口から菌が大量放出され、その手で触れた物をほかの人が触ることで感染するケースもあります。
また第一期梅毒の段階では陽性反応や症状が出ないため、感染に気付かず提供した血液が輸血に使用されると感染する可能性も考えられます。
とはいえこれらは滅多に起こることではないので、あまりに神経質になる必要はありません。
妊婦から胎児に感染すると危険
妊婦の場合は胎盤を通じて胎児に母子感染することがあり、流産・早産・死産・胎児の発育不全といったリスクが高まるため非常に危険です。
また母体が感染した状態で出産すると、生まれた子に影響が出ることもあります。
生後2、3ヵ月で症状が出る「早発性」と、7~14歳頃に発症する「遅発性」があります。
- 早発性先天梅毒:骨髄炎・髄膜炎・鼻炎・皮疹などが表れる
- 遅発性先天梅毒:歯の異常・実質性角膜炎・難聴・皮膚異常・中枢神経障害などが表れる
2.感染確率

梅毒に感染している人と性行為をした場合、その感染確率はおおよそ30%と比較的高めです。
日本では戦前から多くの感染者がいましたが、抗菌薬のペニシリンが確立されてからその数は減少傾向にあります。
それでも2016年には4,518人の感染者が確認できており(国立感染研究所のデータより)、まだまだ感染してしまう可能性はあります。
3.感染の疑いがあったら…何科へ行けばいい?
梅毒の疑いがある場合、産婦人科・婦人科・泌尿器科・皮膚科などを受診しましょう。
梅毒の感染を予防するには?

感染部位に皮膚や粘膜を直接接触させないことが大切です。
とくに第一期は菌がまだ全身に広がっていない状態で、感染部位は一部に限られているため接触を避けやすいです。
たとえば性器に感染症状が見られた場合は、性行為を行うときにコンドームを使用しましょう。
しかしコンドームで覆われていない部分の皮膚に感染する可能性もあり、100%予防できるわけではありません。
皮膚や粘膜に異常がみられたら性行為やキスなどは控え、すみやかに病院を受診してください。
梅毒に感染したときの症状
第一期から第四期にかけて、それぞれの特徴的な症状を説明していきます。
1.第一期

感染してから3週間ほど経った頃に、「初期硬結(しょきこうけつ)」というしこりが表れます。
初期硬結の部分の皮膚表面が破れると、「硬性下疳(こうせいげかん)」という潰瘍もみられるようになります。
男性は亀頭などに、女性は小陰唇・子宮頸部などに多くみられます。
リンパ節が腫れることもありますが、これらは数週間すると自然になくなっていきます。
ただし自然になくなったのは治癒の証ではなく、潜伏期に入り症状が進行している状態なので油断はできません。
2.第二期

感染後3ヶ月ほど経つと、全身にバラ疹や丘疹などの発疹がみられます。
これらは数週から数ヵ月で治まりますが、症状がなくなったからといって治癒したわけではありません。
放っておかず早急に病院を受診することが大切です。
3.第三期

感染から約3年経つと「結節梅毒」という硬いしこりや、「ゴム腫」とよばれるゴムのような腫れものが皮膚・骨・筋肉・肝臓・腎臓などに発生します。
ただし既述の通り、現在は第三期まで進行するケースはほとんどありません。
4.第四期

感染から10年以上経過している状態で、心臓血管系や中枢神経系が侵されることで大動脈破裂や認知症などが起こり、生活に困難をきたします。
最悪の場合は死に至ることもある危険な状態ですが、第三期と同様に第四期まで進行するケースは非常に稀です。
まとめ
梅毒は、性感染症の中でも強い感染力を持ちます。
現在は第三期や第四期まで進行することはほとんどなくなりましたが、早期発見と早期治療によってリスクを最小限にとどめることが大切です。
異変がみられたらすみやかに病院を受診し、治るまでは性行為を控えましょう。
執筆・監修ドクター
経歴1996年 埼玉医科大学卒業
1997年 埼玉医科大学第一外科入(一般外科、呼吸器外科、心臓血管外科)終了
1999年 戸田中央総合病院心臓血管外科医として就職
2000年 埼玉医科大学心臓血管外科就職
2006年-2012年3月 公立昭和病院心臓血管外科就職
2012年4月 岡村医院、医師として勤務
2012年7月 岡村クリニック開院
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