上咽頭炎の5つの症状は?のどや鼻の奥が痛い!病院での治療について

上咽頭炎とは、鼻とのどの間にある『上咽頭』が炎症を起こしている状態です。
細菌やウイルスが付着して感染することが原因ですが、『アレルギー性鼻炎』や『副鼻腔炎(ちくのう症)』、鼻水がのどに流れる『後鼻漏(こうびろう)』も原因となることがあります。
この記事では、上咽頭炎症状や原因、治療法について解説します。
上咽頭炎ってどんな病気?

1. 『上咽頭』ってどこにあるの?
のど・鼻・口はそれぞれつながっています。のどは「咽頭」と「喉頭」に分けられ、咽頭は呼吸や発声、飲食物を飲み込むなどの働きをしています。
咽頭は、上から上咽頭・中咽頭・下咽頭と3つに分けられます。
このうち、鼻で呼吸する通り道であり、鼻腔のつきあたりの位置から、口蓋垂いわゆる“のどちんこ”よりも後方上部の間の位置を上咽頭といいます。
2. 上咽頭炎が起こりやすいワケ
「上咽頭」は外気に触れやすいため、細菌やウイルスの付着によって炎症を起こしやすい場所です。
しかし、口を開けても目でわかりにくく、炎症に気づきにくいため、治療が遅れる場合があります。
3.上咽頭炎は「急性」と「慢性」の2種類がある!

急性上咽頭炎
『急性咽頭炎』とは、一般的な『のど風邪』のことで、症状は1~2週間で治まるものがほとんどです。これ以上続く場合は慢性上咽頭炎です。
鼻から侵入したウイルスや細菌によって、咽頭(のど)全体に炎症がおきた場合を急性咽頭炎(一般的なのどかぜ)といいますが、上咽頭の部分に炎症がおこる場合を急性咽頭炎といいます。
冬などに鼻粘膜の乾燥のほか、スギによる花粉症の症状としても起こることがあります。
慢性上咽頭炎
『慢性上咽頭炎』とは、症状が1~2週間以上続くものをいいます。
繰り返し急性上気道炎(鼻からのどの急性炎症である、急性鼻炎や急性咽頭炎など)を起こしたり、炎症が治まる前に治療を中断してしまったりする場合などに起こります。
上咽頭炎の症状って?

上咽頭炎の症状は、一般的な風邪に似ていて、さまざまな症状があらわれます。
1.のどの異物感・痛み
上咽頭は、外気に触れやすいため乾燥・炎症を起こしやすく、そのためにイガイガしたり、のどの奥が詰まった感じがしたりします。
上咽頭は鼻の一番奥で、のどとの境目にあります。見えにくい場所なので、炎症に気づかないまま慢性上咽頭炎を発症することもあります。
2.後鼻漏(鼻水がのどに流れる)
上咽頭の粘膜が炎症することで、鼻とのどの間が重く、粘液が絡みついている感じがする、鼻水がのどに流れてくる症状があらわれます。
3.鼻の奥の腫れ・痛み
上咽頭炎になると、咽頭粘膜が腫れて分泌物(粘液)も多くなるため、鼻の奥が腫れたり痛みを感じたりすることもあります。
粘液は粘膜を保つために分泌されていて、「炎症をを抑えよう」、「正常に保とう」とする働きがあるため、炎症があると、分泌量が増えます。
また、腫れた部分のまわりの神経を刺激することも、粘液を出やすくします。
4.耳が詰まった感じ・耳鳴り・めまい

上咽頭には、耳管につながっている『耳管咽頭口』があります。
そのため、耳の炎症や耳鳴りなどの症状が出ることがあります。また、上咽頭は自律神経とも関係があるとされているため、めまいが起こることもあります。
5.頭痛・肩こり

上咽頭に炎症を起こすと、周囲の臓器や部位にも影響が出やすくなるため首や肩のコリを感じたり、コリによって頭痛があらわれたりします 。
炎症の起きた状態では血管が拡張して腫れた状態になるので、周囲の神経や血管を圧迫し、痛みに過敏になったり、血流を悪くしたりして痛みを引き起こすことがあるのです。
頭痛はコリによってあらわれることも多いですが、自律神経の乱れなどからも起こることがあります。
上咽頭炎の原因は?他の人にうつる?

1. 上咽頭炎の原因って?
急性上咽頭炎の原因
急性上咽頭炎の原因は、一般的な風邪です。細菌やウイルスに感染すると、かぜの最初の症状として急性上咽頭炎が起こり、のどの痛みや痰などの症状があらわれます。
慢性上咽頭炎の原因
急性上咽頭炎ほど炎症は激しくない、軽度から中度の炎症が持続することで慢性上咽頭炎になります。
慢性上咽頭炎の場合は、自覚症状がないことも多いですが、症状が続いていれば、かぜが長引いているように感じることもあります。
2.上咽頭炎にかかりやすい人は?

『アレルギー性鼻炎』の人
花粉症などの『季節性アレルギー性鼻炎』や『通年性アレルギー性鼻炎』の人は要注意です。
アレルギーによって炎症が起きている上咽頭に鼻水が流れ落ちること、口呼吸や冬の冷たい風を吸い込むことによって、のどが乾燥することで上咽頭炎を引き起こしやすくなります。
上咽頭に鼻水が流れ落ちると、外から侵入したウイルスが入り込むことになり上咽頭で増殖するため、炎症を起こしやすくなります。
『副鼻腔炎(ちくのう症)』の人
副鼻腔炎(ちくのう症)といって、鼻にある「副鼻腔」とよばれる空洞内に炎症が起きている人も上咽頭炎のリスクが高くなります。
鼻の周りに炎症を起こしているため、鼻水に細菌やウイルスが含まれています。これがのどに流れてくることによって、上咽頭炎を引き起こすこともあります。
免疫力が低下している人
免疫力が低下している場合、上咽頭炎の原因となるウイルスや細菌と戦う力が弱くなっているため感染しやすくなります 。
3.上咽頭炎はほかの人にうつる?

上咽頭炎は、細菌やウイルスに感染することで起こっていることがほとんどであるため、ほかの人にうつることもあります。
飛沫感染
上咽頭炎を起こしている人の「くしゃみ」や「せき」のしぶきを吸い込むんでしまった場合、口や鼻の粘膜に触れて周りの人に感染することがあります。
接触感染
「くしゃみ」や「せき」をすることで、細菌やウイルスを含んだ「鼻水」や「だ液」が手に付着し、その手が口や鼻に触れることで感染することもあります。
上咽頭炎の治療について

1.病院での基本的な治療法
まずは薬の服用で改善させていきます
病院は、『耳鼻いんこう科』を受診しましょう。
まずは、炎症・感染・粘液の産生をおさえる薬が処方されます。細菌性の上咽頭炎の場合は抗生物質の処方を受けることになります。
薬で治らない場合の治療法
薬で治らない場合は、うがい薬を鼻に入れてのどから出す『鼻うがい』や、上咽頭に直接薬を塗る『Bスポット療法』をおこなうこともあります。
Bスポット療法は、曲がった綿棒(「咽頭けんめんし」といいます)に塩化亜鉛液をつけて、口から入れ、上咽頭に塗る処置で、1分ほどで終了します。
2. アレルギー性鼻炎を起こしている場合の治療
アレルギー性鼻炎から上咽頭炎を起こしている場合、鼻炎の治療もおこないます。
アレルギー性鼻炎の場合、のどの乾燥や鼻づまりによって、口臭の原因になるかたまりが出てくる場合があります。かたまりは無理に取らず、耳鼻咽喉科で相談するようにしましょう。
3. 副鼻腔炎(ちくのう症)を起こしている場合の治療
慢性副鼻腔炎(ちくのう症)によって、鼻水がのどに流れ落ちる後鼻漏(こうびろう)が生じ、上咽頭炎を起こすことがあります。
その場合は、慢性副鼻腔炎(ちくのう症)の治療もおこないます。原因となっている細菌に対しての抗生剤投与、また適温に温めた生理食塩水による鼻洗浄などを行います。
アレルギー性鼻炎のように、口臭の原因になるかたまりが出てくる場合があるので、耳鼻咽喉科へ相談しましょう。

4.症状が長引くと、さまざまな病気を引き起こす可能性も
治療を受けて1週間程度で治まることもありますが、長引くと『慢性上咽頭炎』を引き起こすこともあります。
慢性上咽頭炎になると、上咽頭炎の症状に加えて、歯の知覚過敏・自律神経系の影響による睡眠障害・過敏性腸症候群・IgA腎症・ネフローゼ症候群など、さまざまな病気になる可能性があります。
そのため、症状があれば早めに病院を受診し、完治するまで治療を続けることが大切です。
まとめ
上咽頭炎は気づきにくく見逃しがち…
上咽頭炎は、口蓋垂(のどちんこ)後上部と鼻の奥の間の部分である「上咽頭」 に、ウイルスや細菌が感染することで起こる炎症です。
上咽頭は見えにくい部分であるため、炎症を見逃してしまい治療が遅れることもあります。
症状が出たら早めに病院へ
頭痛・めまい・のどの異物感・鼻水がのどに流れるなどの症状がみられたら上咽頭炎の可能性があります。慢性上咽頭炎になる前に早めに病院を受診するようにしましょう。
執筆・監修ドクター
経歴2002年5月 昭和大学藤が丘病院 消化器外科臨床研修医
2004年5月 昭和大学藤が丘病院 消化器外科助教(院外)
2006年6月 幕内会 山王台病院 外科
2007年6月 昭和大学藤が丘病院 消化器外科助教
2008年6月 関東労災病院 外科
2009年6月 昭和大学藤が丘病院 消化器外科 助教
2012年10月 横浜旭中央総合病院 外科、昭和大学藤が丘病院 兼任講師
2017年11月 しらはた胃腸肛門クリニック横浜を開業、院長に就任
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