血尿とストレスの関係を解説!病気の可能性は?疲労や冷えも原因に

「過度なストレスは血尿の原因となる」と聞いたことがある方もいると思います。
しかし、ストレス自体が血尿を起こすわけではありません。ストレスによって生じる疾患が血尿の原因となります。
この記事では血尿とストレスの関係や、病気の可能性について解説します。
血尿が出る仕組み
尿がつくられる腎臓から、尿の通り道(尿管・膀胱・尿道)までのどこかに出血があると、これが尿に混じって血尿となります。
これらの器官が出血を起こす原因としては、腎臓や泌尿器の病気が挙げられるでしょう。
1.ストレスで血尿が出ることはある?

ストレスが血尿の原因になるという医学的根拠はありません。
しかしストレスによって抵抗力が落ちると、膀胱炎などの尿路感染症にかかりやすくなったり、既に生じていた疾患が悪化したりする可能性があります。
そのため直接的な原因にはならなくても、間接的に影響することはあり得るでしょう。
2.血尿が出やすい人とは?

子供や高齢者は細菌に対する抵抗力が弱いため、比較的血尿が出やすいと言われています。
また、女性は男性よりも尿道が短いため細菌が入りやすいと言えるでしょう。これによって感染症が起こり、血尿につながります。
またストレスの影響を受けやすいのも女性と言えます。
原因となる病気は?血尿の色をチェック!
血尿の原因となるのはがん・尿管結石・膀胱炎など、主に腎臓や泌尿器の病気です。
血尿の色をみれば「尿がつくられてから排出されるまでどの過程で血液が混ざったのか」を大まかに判断できるので、病気を判断する目安となります。
1.赤茶色、黒褐色

赤茶色、黒褐色などの血尿は、主に尿をつくる腎臓からの出血が考えられます。
色が黒ずんでいるのは、血液が混ざってから排出されるまで時間が経っているということです。
そのため尿がつくられた段階で血液が混ざった可能性が高く、腎臓に異常が生じていると考えられるでしょう。
原因となる病気
- 急性腎炎
- 慢性腎炎
- 慢性腎不全
- 腎結石
- 腎癌
- 腎孟腎炎
- ネフローゼ症候群
2. オレンジ、濃赤色

オレンジ色や濃赤色の血尿は、膀胱・腎臓・前立腺(尿管)からの出血が考えられ、悪性腫瘍が隠れている可能性があります。
悪性腫瘍があると、次のような尿がつくられることがあります。
- オレンジ:腎臓で尿のろ過が正常に行われず、尿が濃くなっている
- 濃赤色:尿に赤血球が混在している
この場合は血尿が一度で治まったり、他に症状が出なかったりすることもあるため、一度でもオレンジや濃赤色の尿が出たら要注意です。
原因となる病気
- 膀胱癌
- 腎癌
- 前立腺癌
これらの病気は排尿痛などが特に出ないという特徴もあります。
濃い黄色~オレンジ色の場合
肝臓や胆管に異常があると、濃い黄色~オレンジ色の尿が出ることもあります。
これは「ビリルビン尿」とよばれるもので、血液ではなく胆汁の色が影響しています。
3. 鮮明な色

ピンクや赤、ワイン色など比較的鮮明な血尿は、血液が混じってからそれほど時間が経っていないことを表します。
つまり尿路の中でも出口に近い、尿道や膀胱からの出血が考えられるでしょう。
原因となる病気
- 膀胱炎
- 腎炎
- 尿管結石
まれに膀胱や腎臓といった尿路の腫瘍が原因で、血尿が出ることもあります。
とはいえ鮮血は出血して間もないことを表すため、オレンジや濃赤色の場合と比べて、症状はそれほど進行していないと言えるでしょう。
血尿の原因となる生活習慣
次のような生活習慣は、血尿を引き起こしやすいので要注意です。
1.疲労

疲労などで体力や抵抗力が落ちていると、膀胱や腎臓が細菌感染を起こしやすくなります。
細菌感染によって炎症が起こると血尿の原因となるため、疲れをため込んでいるときは要注意です。
2.冷え

身体が冷えて血流が悪くなると、代謝が落ちて抵抗力が弱まります。
すると尿路が細菌に感染しやすくなり、血尿を引き起こすことがあります。
3.食生活の乱れ

偏食や、動物性脂質・たんぱく質が多い食品(肉など)の摂り過ぎは、尿中の「シュウ酸」濃度を高めます。
シュウ酸とは老廃物のひとつで、カルシウムと結びつくことで「シュウ酸カルシウム」という結石をつくり、血尿の原因となります。
4.アルコールの過剰摂取

お酒を飲みすぎると尿酸濃度が上昇するため、尿酸結石を引き起こしやすくなります。
アルコールの中でも特にビールはプリン体を含むので、飲みすぎないよう注意が必要です。
プリン体が分解されるときに発生する「尿酸」は、溶けきれずに結晶化すると尿酸結石となります。
ストレスで血尿が出た場合の対処法
1.放っておかず病院へ

疲れが溜まっているときなどに出る血尿は、放っておいても自然治癒することがあります。
しかしがんの場合は、血尿と普通の尿を繰り返して進行する傾向があり、放っておくと危険です。
早期発見と早期治療のためにも、放っておかず検査を受けましょう。
何科を受診するべき?
血尿がみられたら、まずは男女ともに内科や泌尿器科を受診しましょう。
検査結果によってはその後、腎臓内科の受診を勧められることもあります。
2.検査方法は?

基本的には『尿沈渣検査』を行います。
尿沈渣検査とは、尿を遠心分離機にかけて、沈澱した固形成分(赤血球・白血球・尿酸結晶・細胞・細菌など)の量を調べる検査方法です。
尿中の細胞成分や細菌を調べられるため、尿検査時に尿が赤くなくても血液や赤血球の有無がわかります。
検査の結果、血尿のほかに尿蛋白もみられたら腎臓内科で治療を行い、血尿だけなら泌尿器科で治療を進めます。
腎臓内科での詳しい検査
24時間で出た尿をためておき1日の尿蛋白量をしらべる『蓄尿検査』や、腫瘍や結石をしらべる超音波検査・腹部CTを行います。
これによって膠原病・ネフローゼ症興奮・子宮体腎炎などの有無を確認します。
腎機能に異常がある場合は、『腎生検(腎臓の組織を採取して顕微鏡で観察)』が検討されます。
泌尿器科での詳しい検査
泌尿器科での検査の場合は、さらに超音波検査、尿細胞診、CT検査、必要に応じて造影剤を使用した尿路造影検査・内視鏡検査も行います。
2.普段の生活で気をつけること
食生活を改善する

肉類や塩分、アルコールを摂り過ぎると、尿が酸性に傾くことで結石ができやすくなります。
お酒を飲む時は水も一緒に摂り、できるだけ体内で薄めることが大切です。
トイレを我慢しない

無理にトイレを我慢すると膀胱炎になりやすく、血尿の原因にもなります。
尿意を感じたらなるべくすぐ排泄し、外陰部は清潔に保って細菌感染を防ぎましょう。
ストレスを溜めない

過度なストレスがあると尿道の流れが滞り、細菌感染を起こしやすくなります。
間接的に血尿に影響することがあるので、ストレスはなるべくこまめに発散しましょう。
お風呂にゆっくり浸かったり、趣味に費やす時間を設けたりして、ストレスをためこまないように工夫しましょう。
まとめ
血尿が出るときは、腎臓・尿管・膀胱・尿道のどこかに病気が隠れていることがほとんどです。
血尿が出たらまずは検査を受けて、原因を探りましょう。
また日常生活でもストレスを溜めないよう気を付けたり、食生活を見直したりして予防に努めることが大切です。
執筆・監修ドクター
経歴平成14年 慶應義塾大学医学部卒業
平成16年 立川共済病院勤務
平成17年 平塚共済病院勤務(小児科医長)
平成22年 北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室 研究員
平成29年 なごみクリニック 院長
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