【地域医療連携特集】かかり方を変えよう、医療を変えよう

目次

「とりあえず」でも相談できる!かかりつけのお医者さんを見つけよう

「かかりつけ」って知ってますか?実はかかりつけの医師がいることで得られる利点があるんです。

「かかりつけ」とは、健康に関することを気軽に相談できる地域の診療所やクリニックのお医者さんのこと。

今まで、「なんとなく大きな病院のほうが良い」という理由で総合病院や大学病院を選んでいた人も、この記事を読めばきっと「身近なかかりつけのお医者さん」を見つけたくなります!

なんでかかりつけのお医者さんが必要なの?

高齢化社会で医療のピンチ!日本の医療制度が崩壊するかも

保険証1枚で「だれでも」「どこでも」「いつでも」保険医療を受けられる国である日本。

当たり前のように思われている日本の医療制度が、崩壊の危機に迫っている現状をご存じですか?

その原因は少子高齢化などさまざまな要因による「増え続けるばくだいな医療費」と「医療現場の人手不足」です。

厚生労働省は、2018年度の医療費を「42兆6,000億円」と2年連続で記録を更新したと発表しました。

さらに2050年には、「1人の働いている世代が1人のお年寄りの社会保障費を支える時代」が到来するともいわれています。

高齢者の人口増加に対し医療現場での慢性的な人手不足なども重なり、国民が十分に医療を受けることが難しい時代がそこまできているのです。

このままでは、子どもたちが大人になったときに日本の医療制度そのものが持続しているのかどうか、不安ですよね。

 

こういった現状を改善するために「地域医療連携」の取り組みが重要になってくるのです。

「地域医療連携」とは、日本の医療を支えるネットワーク

「地域医療連携」と耳にしても、聞き慣れない方が多いかもしれません。

では、あなたがどこか大きめの病院を受診しようとしたときに「紹介状をお持ちですか?」と尋ねられた経験はないでしょうか。

実はこの「紹介状」こそが、地域医療連携において大切な役割を担っているのです。

 

地域医療連携とはひとことで言うと「日本の医療を支えるネットワーク」です。

「診療所」や「クリニック」、「大学病院」などさまざまな規模の医療機関が私たちのまわりには存在しています。

日常的な病気や軽い症状であれば身近なクリニックを、手術や入院が必要であれば中規模の病院を、専門的な医療や緊急性を要する場合は大病院を、といったように医療資源を正しく利用しましょう、という公の取り組みです。

 

病気やけがをしてしまったときに「良い治療を受けたい」という思いで、良い設備や優れた医師が多く在籍しているイメージのある大きな病院を選ぶのはごく自然なことですよね。

しかし、地域の診療所でも対応できる患者さんが大病院に集中した結果、本当に専門的な治療が必要な人への対応が遅れてしまうというケースも少なくないのです。

そこで必要なのが「かかりつけ」

では、もし体調が悪くなったら私たちはどこに相談すればよいのでしょうか。

その答えが、「かかりつけ」です。日本医師会では「健康に関することをなんでも相談でき、必要な時は専門の医療機関を紹介してくれる身近にいて頼りになる医師のこと」をかかりつけの医師と呼んでいます。

選ぶポイントとしては、話をよくきいてくれ、病気や治療・薬などについてわかりやすく説明してくれる医師がよいでしょう。

通いやすく待ち時間が少ないという点からも自宅の近所にあるクリニックがおすすめです。

 

かかりつけの医師は、大きな病院で検査・治療をした方がよいと判断した際には、すぐに診てもらえるよう紹介状を出すなど、大病院を含めた他医療機関と連携しています。

その後、紹介先の病院で治療を受けて症状が安定した場合、大病院からかかりつけ医院への「逆紹介」も可能です。

継続した治療や経過観察を、自宅から通いやすいかかりつけの医院にて受けることができます。

かかりつけの医院を持つとこんなメリットも!

・病気や健康問題を気軽に相談できる

普段から知っている先生であれば、「ちょっとおかしいな」と感じる不調などでも相談しやすいですよね。

病気のことだけでなくあなたの健康管理もおこなってくれるので、日頃の食事面や生活面に関するアドバイスを受けることができ、「病気にならないための健康づくり」をサポートしてくれます。

・待ち時間を軽減できる

自宅から近いので通院しやすく、受診の手続きも簡単。

医院の規模が小さいため、大病院に比べ待たずに診てもらえます。

具合の悪いときに病院の待合室で長時間待たされてしまうのはとても苦痛ですよね。

近年では、待ち時間対策を導入しているクリニックも増えてきています。

・ていねいな診断を受けられる

「あんなに待ったのに、少ししか診察してもらえなかった」という経験はありませんか。

「かかりつけの医院」ではなじみの先生が継続的にあなたの健康状態を把握しているため、問診や検査など密におこなってくれます。

家族の病歴や生活環境なども考慮した、コミュニケーションを重視した診療が特徴です。

・大病院との連携がスムーズに行える

 

症状を診てもらった結果、「より専門的な検査や手術などが必要」と判断された場合でも心配いりません。

地域のクリニックは近隣のさまざまな医療機関と連携・協力しています。

それぞれに適した医療施設へのスムーズな紹介が可能です。

・選定療養費がかからない

大病院と違って、飛び入りで受診しても特別な費用を請求されるということはありません。

「大病院では別途費用がかかるの?」という方も多いはず。その選定療養費について、以下に説明します。

選定療養費って何?

・選定療養費とは

選定療養費は、400床以上のベッド(病床)がある大きな病院を紹介状なしに受診する場合、医療費以外に初診時5,000円以上の費用を負担するものを指します。

また、大病院で治療を受け症状が安定したあとに経過観察のため診療所へ逆紹介をすることがありますが、逆紹介後に、紹介先の診療所ではなく引き続き大病院を受診した場合にも、再診とみなし2,500円以上の選定療養費がかかります。

(※2020年3月1日現在)

以前はなかった制度ですが、2018年以降より選定療養費が義務付けられました。

・選定療養費がかかる場合とかからない場合

ただし例外もあり、緊急入院の場合や緊急手術などの重篤な状態の場合は発生しません。

注意!

過去紹介状があり受診したことがある方も別の理由で紹介状無しに受診した場合は選定療養費がかかります。

急な病気やけがをしたときは?

今すぐ緊急で病院に行くべき?それともかかりつけの医院が診療受付時間になるまで待ってから受診すべき?

このように症状で迷ったときに相談できる電話窓口がこちら。

 

救急安心センター事業(#7119)

こども医療でんわ相談(#8000)

 

#からはじまる4桁の短縮番号をプッシュしてください。お住まいの都道府県の相談窓口に自動転送され、専門家からアドバイスを受けることができます。

※実施している地域や時間帯に関しては以下のページでご確認ください。

#7119について

#8000について

 

上手な医療のかかり方

まとめ

いきなり大病院にかかるのではなくまずは身近な「かかりつけの医院」に相談することが、個人にとっても日本の未来にとっても重要だということをわかっていただけたでしょうか。

近所にどんな医院があるのかわからないという場合には、各自治体の医師会ホームページなども活用してみてくださいね。

いざというときに困らないように、かかりつけをもってかしこく受診しましょう。

身近な病院での地域医療連携の取り組み

聖マリアンナ医科大学病院

向ヶ丘遊園駅 バス30分/武蔵溝ノ口駅 バス20分/あざみ野駅 バス30分

 

順天堂大学医学部附属浦安病院

京葉線 新浦安駅 徒歩7分

 

日本大学医学部附属板橋病院

東武東上線 大山駅 徒歩20分

 

横浜労災病院

横浜線 新横浜駅 徒歩5分

 

東京都立広尾病院

日比谷線 広尾駅 徒歩7分