すぐに病院へ!「粘液水腫性昏睡」の危険な症状や治療法について

粘液水腫性昏睡は、命にもかかわる病気です。
この記事では、粘液水腫性昏睡はどんな病気か、すぐに病院へ行くべき症状、治療法について解説します。
粘液水腫性昏睡とは
1.粘液水腫性昏睡ってどんな病気?

『粘液水腫性昏睡』は、意識障害の起こる危険な病気です。
甲状腺機能低下症が引き起こす
『甲状腺機能低下症』という病気にかかることで起こります。甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの産生や分泌が低下する病気です。
甲状腺機能低下症にかかっていて、重度かつ長期的に甲状腺ホルモンが欠乏すると、意識障害の起こる『粘液水腫性昏睡』になります。
珍しく、なおかつ難しい病気
発生頻度も明確になっていないほど珍しく、かつ難しい病気でもあります。死亡率も低くありません。
2.粘液水腫性昏睡の原因
粘液水腫性昏睡の原因
先に解説したように、粘液水腫性昏睡は、甲状腺機能低下症にかかることで発症します。甲状腺機能低下症の治療中に、甲状腺ホルモンの投与を中断することで、発症することもあります。
甲状腺機能低下症の原因
粘液水腫性昏睡のもととなる甲状腺機能低下症は、原発性の『慢性甲状腺炎』という病気から誘発されることが多いです。
3.粘液水腫性昏睡の症状について

粘液水腫性昏睡の症状は『意識障害』や、ホルモンの欠乏による『低体温症』、『呼吸不全』、『循環不全』などがみられます。
意識障害
病名にも「昏睡」とあるように、粘液水腫性昏睡にかかると『意識障害』が起こります。
低体温症
低体温症にかかると、体温が35度を下回る低体温状態になります。低体温状態だと正常に臓器が働かないため、『低血糖症』を発症したり、寒気を感じたりすることもあります。
とはいうものの、粘液水腫性昏睡は、必ずしも低体温になるというわけではありません。体温が正常でも、粘液水腫性昏睡にかかっている場合もあります。
呼吸不全
呼吸筋力が衰え、呼吸不全に陥ることもあります。肺容積の減少などが原因です。
循環不全
神経管調節機能に障害が起き、循環不全が起こります。また、『徐脈』や『低心拍出』なども循環不全の原因になります。
粘液水腫性昏睡の検査や治療
1.すぐ病院へ!自覚症状

次のような症状があらわれたら、すぐに内科や内分泌内科などを受診しましょう。
身体の一部にまひやけいれんがみられる
普段よりも体温が1度以上低い
一度眠りにつくと、疲れがとれず起きられない(『睡眠障害』)
粘液水腫性昏睡が疑われる場合、一刻も早く『甲状腺ホルモンの補充』をおこなう必要があります。甲状腺ホルモンの投与が遅れれば、死に至ることもあります。少しでも体調に異変を感じたら、すみやかに病院へ行き、検査や治療をうけましょう。
2.病院でうける検査
検査は、『心電図』や『血液検査』、『心臓音波検査』などをおこないます。
また、『虚血性心疾患』や『心筋梗塞』などを同時に発症している可能性もあります。それらの病気についても同時に検査します。
3.粘液水腫性昏睡の診断基準
診断基準として、まず『甲状腺機能低下症』にかかっていることが挙げられます。
そのほか、『しびれ』、『ろれつが回らない』、『字が書けない』、『まっすぐ歩けない』など中枢神経症状が一定基準以上あることが必須です。
加えて、低体温や循環不全、代謝異常などが起こっているかどうか確認します。
4.粘液水腫性昏睡の治療法

検査と同時にホルモンの投与をおこなう
先に解説したように、検査と並行して『甲状腺ホルモンの補充』をおこないます。
そのほか、『副腎皮質ホルモン』を投与することもあります。
治療は集中治療室(ICU)でおこなうことが多い
粘液水腫性昏睡は、死に至る可能性もある緊急疾患です。
そのため、『集中治療室(ICU)』に入ることが多いです。ICUでは、全身を管理しながら治療をおこないます。特に大切なのは、『呼吸管理』や『心収縮力を整える』ことです。
呼吸管理や心収縮力を整えることが大切
先に解説したように、呼吸不全があらわれることがあるため、呼吸の管理をおこなう必要があります。
また、ショック状態に陥るのを避けるため、心収縮力を整えることが重要です。血圧の調整や、『血管収縮薬』を使用することで、循環器を管理します。
そのほか、『抗菌薬』を使って合併症を予防したり、毛布や空調で体温調整をおこなったりします。
5.治療期間について
粘液水腫性昏睡の場合、容体が安定するまではICUから出られません。ICUから出た後も、体調が回復するまでは、しばらく入院が必要になることが多いです。
さいごに
粘液水腫性昏睡は、すぐに治療が必要な『緊急疾患』のひとつです。
粘液水腫性昏睡が疑われる場合は、一刻も早く病院へ行き、検査や治療をうける必要があります。近くに病院がない、意識障害などの重い症状が出ている場合は、迷わず救急車を呼んでください。
早期発見が何より大切です。気になる症状があらわれたら、万が一を防ぐためにも病院へ行きましょう。
執筆・監修ドクター
経歴2006年 北里大学大学院卒、
2008年 平塚共済病院内科医長を経て小田原銀座クリニックに入職、その後院長に就任。
2013年 12月には当院久野銀座クリニックを開業
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