つらい下痢が続く…原因は?食生活に注意!過敏性腸症候群の可能性も
下痢は大人や子どもに関係なく、さまざまな理由で起こります。
食べ物・病気・体調不良・ストレスなど、体に不調があれば、下痢を起こす可能性は誰にでもあります。
下痢が起こったときには、まずその状態や色、頻度などをしっかりと覚えておくことが大切です。
症状が1∼2週間以上、もしくは定期的にくり返すなど長期間続くときは病院を受診することも考えてください。
この記事では続くと気になる下痢について、種類や原因、『過敏性腸症候群』について説明します。
下痢について
1.下痢とはどんなもの?
下痢は、健康的な便とくらべて、ゆるく、柔らかい状態で水っぽい便のことです。
そのほとんどは、暴飲暴食・アルコール・刺激物・冷え・細菌やウィルス・ストレス・何らかの疾患が原因で、『食道』『胃』『腸』などの消化器系の異常 によるものです。
2.下痢の状態や症状は?
健康な便は水分が6~7割ほどで形がしっかりとしていて、崩れることはありません。
だいたい、水分量が7~8割のものを『軟便』といい、8割以上のものを『下痢』といいます。
下痢は水に溶け、浮いてバラバラになってしまっている状態のものです。
また、腹痛をともなうことが多くトイレに行く回数が増えてしまうなどの症状もあります。
3.下痢にはいくつか種類ある
下痢は、『軟便』『泥状便』『水様便』に分けることがあり、水分量に違いがあります。
軟便は80~90%で、トイレの中の水に混じってしまわず、境界線がはっきりしています。
泥状便は80~90%で、形がはっきりとせず、べっとりとしたおかゆやカレーのような水分量の便です。
水様便は90%以上で、ほぼ水のような便です。
勢いがあってお腹に痛みが伴うことが多いのも特徴です。
食生活が下痢の原因になることも
1.どんな飲食をすると下痢を引き起こす?
原因はさまざまなものがありますが、食事の影響は大きいと考えられます。
暴飲暴食や、アレルギーがあるものを食べたとき、牛乳を飲んだときに下痢を起こす人もいます。
アルコールを過剰摂取したときや、薬の副作用なども考えられるでしょう。
2.下痢を予防する!食事のさいの注意点
冷たい物や脂肪分の多い物に注意!
冷たい物を食べ過ぎたり、飲み過ぎたりすることは避けましょう。
てんぷらなどの揚げ物も、消化しきれず下痢を起こす可能性があります。
また、ラーメンなど脂肪分が多い食べ物を暴飲暴食することも下痢を引き起こす原因になります。
日常的に下痢に困っている方は水に注目
慢性的に下痢が気になる方は、『軟水』 にしたほうが下痢を起こしにくいといわれています。
日本人は軟水に慣れ親しんでいて、マグネシウムを多く含む硬水はお腹を下しやすいのです。
下痢が続くことによって考えられる病気
1.ストレスが原因で起こる『過敏性腸症候群』
過敏性腸症候群ってどんな病気?
過敏性腸症候群は、10~20代に多く、ストレスが大きな原因となって日常的に下痢や便秘をくり返します。
これは、腸に異常があるのではなく、精神的な影響で下痢を起こしているものです。
そのため、おかしいと感じて検査を受けても、異常が見られないことが特徴的です。
腸は自律神経と深く関係しています
胃や腸をはじめとする内臓系は、自律神経が深く関係しています。
そのため、不安や強い緊張などを感じることで自律神経が乱れ、下痢や便秘を起こしてしまいます。
症状が長引いている場合は過敏性腸症候群かも?
症状が1週間以上 続く場合や、月に3回以上の腹痛や下痢 が数ヶ月にわたって続く場合は、過敏性腸症候群の可能性が高いでしょう。
この症状には『下痢型』と『便秘型』、下痢と便秘が数日ごとに交互にあらわれる『交替型』があります。
下痢型は急激な腹痛と便意をともなう水のような便が、1日に3回以上も排泄されます。
また、便秘型は排便回数が週3回以下に減少し、強くいきまないと便が出ないことがほとんどです。
ウサギの糞のような硬いコロコロとした便のうえ、残便感があることが特徴です。
2.妊娠中の下痢
妊娠中に出る『黄体ホルモン』が腸の働きを抑える
妊娠中に出る黄体ホルモンは、腸の働きを抑える作用があります。
そのため、腸内が不安定になって下痢や便秘を起こしやすくなります。
また、妊娠初期には自律神経の乱れが原因になることもあります。
妊娠中期以降は子宮の拡大により腸が圧迫
妊娠中期から後期にかけて子宮が大きくなることで腸が圧迫されます。
そのため、胃腸の活動が妨げられることもあります。
すると胃液の分泌が抑えられ、胃腸が普段とは違った働き方をすることで下痢を起こすこともあります。
妊娠中の下痢や便秘は考えすぎないことも大切
妊娠中の下痢や便秘は、特別めずらしい症状ではありません。
あまりシビアに考えすぎずに、まずは担当の医師に相談してみましょう。
3.子どもに起こる下痢
子どもの下痢はよく起こるもの
子どもは大人に比べて免疫力も低いため、下痢はよくあることです。
ですので、下痢だけで病気や原因を断定するのは難しいでしょう。
激しい下痢・吐き気・嘔吐などをくり返す場合は、早めに病院へ行くようにしましょう。
子どもは市販薬が効きすぎることも…
子どもの場合、市販薬が効きすぎて発疹・発赤・痒み・頭痛・排尿困難・顔のほてり・異常な眩しさ・口の渇き・目のかすみなどの副作用が出る可能性があります。
保護者の判断で下痢止めなどを使うのは控えましょう。
下痢以外に症状がない場合は?
食欲があり、下痢以外にとくに症状がなければ少し様子を見てもよいかもしれません。
食欲や本人の体調を確認しながら、病院を受診するかどうか判断してください。
しかし「水っぽい下痢」や「あまりにもつらそうな様子」であれば、早めに病院を受診しましょう。
下痢が続く場合の対処法
1週間以上続くようであれば、いちど病院へ行って医師に相談することをおすすめします。
その場合には、頻度や状態、色などを医師に伝えましょう。
症状についてメモなどをとり、記録しておくとよいですね。
まとめ
1.下痢の原因はさまざま
大人や子どもに関わらず、一概に何が原因とは言えません。
しかし、状態を知ることでその原因を探ることができます。
短期的なものであれば心配はいりませんが、長く続く場合には病院を受診した方がよいでしょう。
2.日ごろから規則正しい生活を
暴飲暴食をしないように心がけましょう。
冷たいものなど、胃腸に負担がかかるものを一気に大量に食べるのはよくありません。
バランスのよい食事と睡眠をたっぷり取って体調を整えれば下痢も減るはずです。
執筆・監修ドクター
経歴2006年 北里大学大学院卒、
2008年 平塚共済病院内科医長を経て小田原銀座クリニックに入職、その後院長に就任。
2013年 12月には当院久野銀座クリニックを開業
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