目やにが多い原因は?目やにの状態から考えられる病気の可能性を医師が解説
目の周りにあらわれる白っぽいものを、目やにと呼ぶのはご存知でしょう。目やには「眼脂(がんし)」とも呼ばれており、さらっとしたものやねっとりとしたもの、クリーム状のものなどいろいろな状態があります。
この記事では、そんな目やにが多くなる原因や、目やにの状態から考えられる病気について紹介していきます。
目やにの役割と目やにが多い原因について
そもそも目やにって何?
目やには、垢のような生理的分泌物と言われ、老廃物や目に入った異物を包んで外に出す働きをします。
老廃物とは、代謝によって角膜(目の表面にある膜)や結膜(まぶたの内面と白目の全面を覆っている膜)からはがれた古い細胞などを指します。
目覚めた時に目やにが出るのはなぜ?
起きているときはまばたきをすることで、目に入った異物や老廃物を涙と共に鼻腔へと流しています。
しかし、眠っている間はまばたきをしないため目頭や目尻に老廃物がたまり、目覚めた時に目やにがついている状態になります。
目やにが多い原因
通常の目やには、起きた時に目頭や目尻に少量みられる程度です。前述の通り、目やには異物や老廃物を排出するために必要なので、少量であれば代謝活動が正常に働いている証です。
目やにが多い場合は細菌が原因かも
しかし、目やにが通常より多い場合、細菌やウイルスの感染またはアレルギーが原因である可能性が高いです。
この場合の目やには目の炎症反応でつくられているため、細菌やウイルス、細菌と戦った白血球が含まれています。
要注意!目やにの状態によっては病気の可能性も
炎症反応による目やには、その状態を見て原因を予測することができます。
黄緑色でドロッとした膿のような目やに
この状態の目やには、細菌に感染している場合に多くみられます。考えられる病気としては細菌性結膜炎が挙げられます。
黄色ブドウ球菌のような、主に身の回りに存在している細菌が原因となっており、目やにのほかに白目が充血する症状が表れます。
涙のようにさらさらした水のような目やに
花粉症やダニなどのアレルギーが原因の場合にみられます。目やまぶたがかゆくなったり、目が充血して白っぽい目やにがみられたりする場合「アレルギー性結膜炎」の可能性があります。
白くねばねばと糸を引くような目やに
ウイルスによる感染が原因と考えられます。アデノウィルスやエンテロウイルスなど、さまざまな種類のウイルス性結膜炎があります。
症状としては充血やまぶたの腫れ、目やにや涙の増加などが挙げられます。ウイルス性結膜炎は伝染力が強いため、眼科を受診してしっかりと治療することが大切です。
目やにが多い場合の対処法
目やにが気になる場合は、眼科で相談を
やけに目やにが多いなと感じられたり、目やにの状態がいつもと違ったりしたら、それは目の炎症反応によってつくられた可能性が高いため、早めに眼科を受診しましょう。
症状によっては感染性の眼病である可能性も考えられるので、周りの人にうつしてしまう前に病院へ行くことをおすすめします。
目やにの正しい取り方は?
目やにがでていると目が見えにくくなったり不快感を覚えたりするので、水で濡らしたティッシュペーパーやコットンで軽くふき取りましょう。
いつもと違う目やにの場合は、細菌やウイルスが含まれている可能性があります。ふき取った後のティッシュペーパーやコットンは袋で密閉し、すみやかに処分しましょう。
また、手を石けんでしっかり洗い清潔にしておくことも大切です。
眼病以外で目やにが出る原因
子供の場合は鼻の病気が関係していることも
目の炎症以外の原因で目やにがでる場合、子供だと鼻の病気が要因となっている可能性もあるので、鼻の病気がないか確認してみましょう。
鼻、耳、目はつながっているので、鼻炎の症状でもウイルスや細菌などが原因の炎症が目にも広がって目やにとして出ることがあります。
太陽の光やコンタクトが原因かも?
他にも太陽の光をたくさん浴びた時や、コンタクトレンズを長時間つけている時などは、目が疲れて目やにが多く出ることがあります。
目やにの予防法
手で目を触らず、細菌を目に入れない
目やにの予防法として一番効果的なのは、目に細菌やウイルスを入れないようにすることです。
私たちの手には、目に見えない細菌やウイルスが付着している可能性があるので、手で目をこすったり触れたりするのはやめましょう。
コンタクトの装着などでやむを得ず目に触れる場合は、石けんできれいに手を洗ってからにしましょう。
目を疲れさせない工夫も大切
日頃から目を疲れさせないように、コンタクトをあまり長時間つけたままにしないこと、パソコンやスマホを長時間見ないようにすることも有効です。
身の回りは清潔に
ハウスダストはアレルギーの原因となり、目の炎症や目やににつながります。そんなハウスダストを少しでも減らすよう、部屋をきれいに保つことも大切です。
また、結膜炎などの眼病を持っている方は、同じタオルを使わない、目薬を使いまわさないということにも注意しましょう。
眼病はお風呂のお湯を介して感染する可能性もあるため、患者は最後に入浴するか、シャワーのみで済ますことをおすすめします。
まとめ
目やには、異物や老廃物などを外に排出してくれる働きがあります。そのため少量の目やには特に気にしなくて大丈夫ですが、目やにの量が増えたと感じたら注意が必要です。
どのような目やにが出ているかによって原因が異なりますが、目の炎症が関係している場合もあります。細菌やウイルスの感染が原因であれば、周りの人にうつす可能性があるので早めに眼科を受診し、しっかり治療しましょう。
また、日頃から目を疲れさせない工夫をすることで目やにの増加を防ぐことができます。目を使い過ぎないように休ませることも大切です。
執筆者:田町三田やまうち眼科 山内明子 先生
執筆・監修ドクター
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