乳腺症の原因とは?ホルモンバランスの乱れに注意!乳がんと関係ある?

『乳腺症』は、女性ホルモンのバランスが崩れることが原因で起こる、女性特有の乳腺の状態を指します。
こちらの記事では、乳腺症とはどのようなものなのか、また、乳がんとの関連性について解説します。
乳腺症とは?
1.女性特有の病気

乳腺に生じた様々な変化の総称
『乳腺症』は女性特有の乳腺の変化を指しており、女性ホルモンなどが関係していると考えられています。
そもそも乳腺とは、母乳をつくる小葉、できた母乳を乳頭まで運ぶ乳管、その間を支えているクーパー靭帯などの総称です。乳腺にしこりができたり、硬くなったり、痛みがでるなどの症状を特徴とした乳腺の良性変化が乳腺症と呼ばれています。
30~50歳の女性に多い
乳腺症は、年齢相応の乳腺の変化(発達と退縮)の不均衡から生じると考えられています。30~50歳の女性に多くみられます。
2.乳腺症の症状
乳腺症の症状としては、『胸の痛み』や『張り』、『しこり』などの違和感や、『乳頭からの分泌物』などがみられます。
症状は人によって様々で、自覚症状がほとんどない方もいます。
3.乳腺症と乳がんって関係あるの?

乳腺症になると、乳がんとの関連が気になる方も多いのではないでしょうか。
乳腺症と乳がんの間には、全く関連性はありません。以前は、関連するとも言われていましたが、現在では否定されています。
乳がんも、乳腺症と同様に乳腺の細胞から発生します。同じ乳房の中でも一部に乳腺症がみられ、別のところには乳がんが発生したりする場合もあります。しかしそれは、乳腺症ががんに変化したわけではなく、偶然に混在したと考えられています。
乳腺症と診断されたからといって「乳がんにかかるのではないか」と、過度に不安がる必要はありません。
乳腺症になる原因
1.女性ホルモン

乳腺症は、女性ホルモンと関わりがあると考えられています。
乳腺は、生殖器官のひとつであり、女性ホルモンの影響を強く受けています。思春期に発達し、成長する部分のひとつで、非常に繊細です。ホルモンのはたらきと、それにより乳腺に生じる変化が、乳腺症と呼ばれています。
2.生理前のホルモン分泌の活発化
生理前に胸が張る感じを経験したことは、女性ならあるかもしれません。これも女性ホルモンの影響です。
女性ホルモンには大きく分けてエストロゲン(排卵に関わる)、とプロゲステロン(妊娠維持に関わる)の2種類があります。乳腺に対してもこの2つのホルモンが作用しています。
生理前には2つとも分泌が多くなり、乳腺組織一つ一つがそれぞれいつもより少しふっくらするため、張り感となり、ひどいとパツパツすぎて痛みになります。
3.妊娠や授乳

妊娠、授乳を経ると体の中も、乳腺の中も大きく変化します。乳腺の良性疾患の場合には授乳後にみてみるとなくなっている場合もあります。それは乳腺症の場合も同様です。
もし、妊娠前に乳腺症と診断された場合には、断乳してからしばらく時間をあけて(半年くらい)、授乳の影響が乳房からひいてから、乳腺科で改めて診察してもらうようにしましょう。
乳腺症だった場合の対処法
1.具体的な治療法はない
乳腺症に対する具体的な治療法はありません。
というのも、女性のホルモンバランスは常に繊細な変化を続けており、薬でコントロールすることが難しいからです。
2.痛みが強い場合は薬を処方されることも

日常生活に支障をきたすような痛みがある場合は、我慢せず、医師に相談してください。
耐え難い痛みの場合は、病院で痛み止めを投薬することもあります。とはいえ、ホルモンバランスを治すわけではありません。前述の通り、ホルモンバランスを薬で整えることは難しいですが、一部の漢方を試してみる場合もあります。あまりに乳房の症状がつらい方はお医者さんに相談してみましょう。
3.生活習慣の見直しが大切

ホルモンバランスとは、女性ホルモンに関して言えば、エストロゲンとプロゲステロンの分泌される周期のバランスと言えるかもしれません。周期をもって変化していることなので、1日2日の努力ではなく継続的な生活習慣の見直しが大事と言えます。
普段から、睡眠をよくとる、バランスのよい食生活をする、適度な運動をとりいれるようにしてみてください。
まとめ
しこりをみつけたら産婦人科・乳腺外科を受診!
乳腺症と乳がんの症状は似ています。普段と違う胸のしこりや血液が混じったような乳頭分泌液がみられた場合は、早めに乳腺科や乳腺外科を受診しましょう。
大切なのは、普段からの自己検診
また、早めに異変に気づくためにも、自分で乳房の状態を知っておくことは大切です。月経周期によっても症状が違うので、少し月経周期を意識してみながら、普段から自己検診をして、自分のパターンを知っておきましょう。
まずはがん検診や人間ドックで乳腺のチェックをしてもらう。何もなければその状態をさわって覚えておき、そこから変化がでることがあればすぐ相談に行く、というようにしてみてはいかがでしょうか。
執筆・監修ドクター
経歴北総合病院 初期・後期研修医(一般外科コース)
国立国際医療研究センター病院 乳腺内分泌外科 フェロー
2018年より現クリニック勤務
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