胃痛のときに背中も痛むのはなぜ?対処法や病院での治療法を医師が解説
胃が痛いときに、なぜか背中も痛むことはありませんか?
これにはさまざまな原因がありますが、病気の可能性もあるので注意が必要です。
胃痛と背中の痛みが同時に起こる原因や対処法、病院で受ける検査や治療などについて詳しく解説します。
胃痛と背中の痛みが同時に起こる原因は?
内臓疾患
胃の痛みが伴った背中の痛みは「胃炎」「胃痙攣(いけいれん)」「十二指腸潰瘍」「膵炎(すいえん)」などの内臓疾患の可能性があります。
背中の痛みなので整形外科を受診してしまい、なかなか治らないということもあります。
ストレス
ストレスによる胃の痛みが背中に伝わっている場合と、緊張状態が背中の筋肉を硬直させることで背中に痛みを感じます。
身体の構造
胃の位置
胃は背骨にぶら下がるようについているため、胃に痛みがあるときに背骨を通して背中にも痛みを感じることがあります。
十二指腸の位置
十二指腸は背中にまでおよぶため、痛みがでると背中にも広がります。
胃と背中の両方が痛む場合の対処法
姿勢に注意
あごを引き、肩の力を抜いて、背筋を伸ばし、お腹に軽く力を入れた姿勢を意識しましょう。
胃は背骨にぶら下がるようについているので、正しい姿勢を取ることで胃の重さが背中に負担にならず、痛みが緩和することがあります。
また、胃と背中の両方に痛みがある場合、楽な姿勢を取ることで痛みが和らぐことがあります。
胃痛が原因で背中にまで痛みが広がっている場合、背中が貼っていたり肩甲骨の周辺に痛みが出たりすることがあります。
背中の筋肉が緊張した状態だと痛みが増すので、一度ご自身が楽だと思う姿勢を取って、体をリラックスさせましょう。
食事に注意
食べ過ぎない
暴飲暴食や食べ過ぎで胃痛が起こることもあります。
これは、消化によって胃に負担がかかっていることと、胃の中に食べ物がたくさんあることで胃が重くなり、背中にも負担がかかっているためです。
腹八分目を心がけて食べ過ぎには注意しましょう。
刺激物や冷たいものを控える
脂っこいものやアルコール、カフェインの多いお茶やコーヒー、香辛料などの刺激物、冷たいものなどは胃に負担をかけるので胃痛があるときには控えるようにしましょう。
ストレスをためない
ストレスによる背中の痛みには、軽いストレッチや運動が有効です。
緊張している筋肉をほぐすことで痛みが緩和されることもあります。
また、ストレスで過食にならないよう、食べること以外のストレス解消法を見つけておきましょう。
身体を温める
血流を良くすることも効果的なので温かいものを飲んだり、入浴の際に湯船につかったりして身体を温めましょう。
胃薬を飲む
胃痛を緩和させるためには胃薬を飲むことも効果的です。
しかし、原因を探らずに飲んでも一時的に痛みをおさえているだけになってしまいます。
受診して、原因にあった治療を行うようにしましょう。
胃痛と背中の痛みの治療について
何科を受診する?
胃も背中も痛い場合
内臓疾患の可能性が高いので内科や消化器内科を受診しましょう。
精神的なことが原因の場合
心療内科や精神科を受診しましょう。
原因不明の場合
総合診療科か内科を受診しましょう。
何科にかかれば良いのか分からないときには、総合診療科がおすすめです。
病院で受ける検査や治療について
診断から治療までの流れ
まずは症状からどの疾患かを探り、検査を行ったうえで原因にあった治療を行います。
胃の検査
胃の検査はおもに「バリウム検査」「内視鏡検査」があります。
バリウム検査はバリウムを飲んでからX線で胃を撮影し、胃の形や影などを見る検査です。
内視鏡検査は「胃カメラ」のことで、胃の中に小型カメラを入れて撮影し、直接胃の中の状態を見ます。
膵臓の検査
X線で検査を行う『CT検査』や『腹部超音波検査』で膵臓に炎症が起こっていないかを調べます。
まとめ
胃と背中が同時に痛む理由として、ストレスや身体の構造のほかに病気の可能性も考えられます。
背中の痛みだからと整形外科を受診してしまい、病気の発見が遅れることもあるので、何科を受診して良いのか分からない場合には総合診療科か、まずは内科を受診しましょう。
病院では症状から診断、検査を行った上で原因に合った治療を行います。
執筆者:久野銀座クリニック 岡村信良先生
執筆・監修ドクター
経歴2006年 北里大学大学院卒、
2008年 平塚共済病院内科医長を経て小田原銀座クリニックに入職、その後院長に就任。
2013年 12月には当院久野銀座クリニックを開業
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