ストレスが大きな原因!胃酸過多症の症状や今すぐできる食事の改善方法
「胃酸過多症」はストレスが大きな原因になる胃の病気です。
胃もたれや胸やけ、口の中が酸っぱく感じる…などの症状がある方は、もしかすると胃酸過多症かもしれません。
大したことない、と見過ごしてしまいがちですが、重症になると日常生活に支障をきたすこともあります。
こちらの記事では、胃酸過多症の症状や、食事は何に気をつけるべきかについて解説します。
胃酸過多症について
1.胃酸過多症って?どんな病気?
必要量以上の胃酸が、体に悪影響を及ぼす
胃酸過多症とは、通常よりも多く胃酸が分泌される病気です。
身体に必要な胃酸の量は決まっています。それ以上に胃酸が分泌されると、身体のいろいろな部分に悪影響が現れます。
胃に食べ物が無くても、胃酸が分泌されてしまう
そもそも、胃酸は食べ物を消化するために分泌されます。健康な人の身体では、胃の中に食べ物がなければ分泌は起こりません。
しかし、胃酸過多症になると、胃の中に食べ物がなくても胃酸が分泌されるようになってしまうのです。
2.胃酸過多症が引き起こす症状
次の症状にいくつか当てはまる、という人は胃酸過多症の疑いがあります。
胃もたれや胸やけ
胃酸過多症になると、最初に感じられるのが『胃もたれ』や『胸焼け』です。
普段よりも胃もたれがつらく感じたり、胸やけで食が進まなくなったりなどの症状があらわれます。
その後、さらに進行すると食欲不振や吐き気をもたらすこともあります。
口の中の酸っぱさ
そのほか、食べ物以外で口の中が酸っぱいと感じたら、それも胃酸過多症が原因かもしれません。
胃酸が逆流している可能性があり、胃酸は酸性なので口の中が酸っぱく感じます。
胃の痛み
また、ゲップの回数が異常に増えたり、空腹時に胃のまわりに痛みを感じたりする場合も胃酸過多症が原因であることが多いです。
口臭がきつくなる
さらに、胃酸過多症にかかると、自分では気づいていなくても口臭がきつくなっている可能性があります。
ひどくなると自分で口の臭いに不快感を覚えることもありますが、周りからの指摘で気づくこともあります。
胃酸過多症になる原因
1.ストレスが胃酸過多をまねく
もっとも大きな原因はストレス
胃酸過多症の大きな原因になるのは、ストレスだと言われています。
胃酸は、自律神経の働きが活発になることで分泌されます。この自律神経の働きに、ストレスが大きく関わっています。
ストレスによって自律神経が活発に
人が身体的、精神的にストレスを感じると、自律神経が活発に働き始めます。
これはつまり、常に緊張・興奮状態にあるということです。ストレスにより自律神経が活発になり、胃酸の分泌を促します。
2.ホルモンの過剰分泌による胃酸過多
ホルモンの一種「ガストリン」が過剰に分泌される
ガストリンが過剰に分泌されることも胃酸過多症の原因です。
ガストリンは、ホルモンの一種です。血糖値を下げる働きをするインスリンの分泌を促進させたり、胃酸や消化酵素の分泌を促進させたりする働きがあります。
ガストリンが過剰に分泌されると、胃酸の分泌も過剰に促進され、胃酸過多症になってしまいます。
ガストリンの過剰分泌には、ピロリ菌がかかわっているかも…
ガストリンが過剰に分泌されるのは、胃の中にピロリ菌が生息している可能性があります。
ピロリ菌がつくるアンモニアが、ガストリン自体の分泌を促します。こうしてつくり出されたガストリンが胃酸を過剰に分泌します。この状態を、高ガストリン血症といいます。
3.刺激物の食べ過ぎも、胃酸過多症の原因に
また、刺激物の食べすぎも、胃酸過多症の原因になります。
酢を使う料理や、香辛料、アルコールなどの刺激物を食べることで胃酸の分泌が促進されてしまいます。
これは日々の食生活を見直すことで対策できますので、症状に心当たりがあったらすぐに実践してくださいね。
胃酸過多症の治療方法
胃酸過多症にかかってしまった場合、どのような治療法があるのでしょうか。薬を使った治療法と、すぐにできる生活習慣の見直しについて解説します。
1.薬による治療
病院では、『胃酸分泌抑制薬』という、胃酸の分泌を抑える薬が処方されます。多くの場合、これを飲むことで回復方向に向かいます。
市販の胃薬を購入する場合は、胃酸分泌を抑える効果があるものがおすすめです。
市販薬を購入する場合は、薬剤師に症状を伝えて、どの胃薬が良いか相談してください。
2.食事や生活習慣を改善して、症状の改善・予防を!
胃酸過多症の発症を予防したり、症状を改善したりするためには食事や生活習慣を見直すことが大切です。
食生活を見直す!アルコールやコーヒーはNG
胃酸過多症にかかってしまった場合は、しばらくの間、胃酸を分泌させる食べ物は口にしないように心がけましょう。
酢の物や香辛料などの刺激物はもちろん、コーヒーやアルコールも控えてください。
普段通りの食事ができるようになって、自覚症状が完全になくなるまでは、食生活を意識した生活を送ってくださいね。
ストレスの解消につとめる
また、胃酸過多症の原因となるストレスを溜めないことも大切です。自分なりのストレス発散法を見つけられるといいですね。
まとめ
胃酸過多症は、ストレスや食生活など、自分でも気づかないうちに身体に負担がかかって発症します。
自覚症状が現れたら、病院に行くか、近くの薬局・薬剤師に相談をしてすぐに対処することで深刻化を防ぎましょう。
また、発症を予防するためにも日々の生活を見直し、食事や生活スタイル、ストレス状態などにも気を配ってください。
執筆・監修ドクター
経歴2006年 北里大学大学院卒、
2008年 平塚共済病院内科医長を経て小田原銀座クリニックに入職、その後院長に就任。
2013年 12月には当院久野銀座クリニックを開業
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