髪を洗ってもフケが出る…頭皮のタイプ別対策!脂漏性皮膚炎の場合も
「きちんと毎日髪を洗っているのに、なぜかフケが出る…」という方は、シャンプーの仕方か食生活に問題があるかもしれません。
フケには乾性・脂性・炎症性とあり、それぞれ原因が異なります。
この記事ではフケの対策について解説します。
そもそもフケの正体は?
フケは、古くなった頭皮の角質がはがれたものです。
肌は新陳代謝を繰り返しているため、通常は古くなった細胞は目に見えない垢となって、約28日の周期で徐々にはがれ落ちていきます。
しかし何らかの影響で新陳代謝が早まると、未熟な細胞は目に見える状態のまま7~21日ほどで剥がれてしまい、フケとなります。
フケの種類
フケには3つのタイプがあり、それぞれ異なる特徴を持ちます。
- 乾性:乾燥によって生じるフケ
- 脂性:過剰な皮脂によって生じるフケ
- 炎症性:皮脂の放置が原因となり、炎症が起きて発生するフケ
フケが出る原因は?男性や子どもに出やすい!
1.フケが出る原因
フケは主に「皮脂」「マラセチア菌(頭皮の常在菌)」「その人の持つ肌質」と、大きな関わりがあるとされています。
これらのバランスが崩れると頭皮の新陳代謝が早まるため、フケが出やすくなります。
ほかにも合わないシャンプー・リンス・カラーリング剤・パーマ液などを使うと、刺激によって皮膚の新陳代謝が早まることでフケの原因になります。
またフケの種類によっても原因が異なるので、それぞれ解説していきます。
乾性フケ
1日1回以上のシャンプーで、頭皮が乾燥することが原因です。
シャンプーで洗い流された皮脂や角質層の保湿成分は、約24時間で回復するといわれています。
そのため1日に何度も洗うと肌のバリア機能が低下するほか、水分保持力が回復する前にうるおいが奪われることで頭皮の乾燥が進行します。
脂性フケ
洗いが足りず、頭皮に皮脂が残ることが原因です。
また日頃から、揚げ物やスナック菓子のような脂っこいものを好んで食べている人も、皮脂分泌が過多になりフケが出やすい傾向があります。
炎症性フケ
頭皮の皮脂分泌が増えたまま放置すると、マラセチア菌の繁殖によって「脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)」を起こすことがあります。
その症状として多くのフケが発生するため、この場合は皮膚科での治療が必要です。
2.フケが出やすい人は?
男性
男性ホルモンには皮脂分泌を活発化させるはたらきがあるため、男性の頭皮はマラセチア菌を増殖させて脂漏性皮膚炎を起こしやすいと言えるでしょう。
子ども
子どもは正しいシャンプーの方法を知らないことが多く、しっかりすすげていなかったり洗えていなかったりといった原因でフケが出やすいです。
またドライヤーを使用せず自然乾燥で済ます子もいるため、保護者の方がしっかり正しい工程を教えてあげることが大切です。
自分でできるフケ対策!
フケを改善するには自分がどのタイプのフケなのか見極めて、適切なケアをすることが大切です。
1.頭皮が乾燥している場合
乾性フケに当てはまる方は、シャンプーの方法を見直す必要があります。
1日に1回以上シャンプーしている方は、皮脂を落としすぎている可能性があります。
シャンプーは1日1回にとどめ、汗をかいたり雨に濡れたりしてどうしても頭を洗いたい場合は、お湯ですすぐ程度にしましょう。
また洗浄力の強すぎる高級アルコール系シャンプーなどは乾燥を誘発するので、なるべく刺激の少ないアミノ酸系シャンプーなどを使うことが大切です。
2.頭皮の皮脂分泌が過剰な場合
頭皮の皮脂が多い場合、毛穴の汚れを残さないようしっかり洗いましょう。
シャンプーやトリートメントを使ったら、すすぎ残しがないか確認することも大切です。
また揚げ物や肉、スナック菓子など脂っこいもの摂りすぎている方は、食生活を見直すことでも皮脂の過剰分泌を抑えられます。
3.頭皮が炎症している場合
頭皮の炎症は、過剰な皮脂分泌を放っておくことで起こります。
頭皮がべたつくと思ったら放置せず、シャンプーでしっかり洗いましょう。
シャンプー液は頭皮に直接つけるのではなく、よく泡立ててから髪に乗せ、爪は立てずに指の腹でマッサージするように洗います。
最後は時間をかけて丁寧にすすいでください。
改善しない場合
それでもフケが改善しないなら、脂漏性皮膚炎の可能性が高いので皮膚科へ行きましょう。
病院で受けるフケの治療について
1.こんな症状が出たら病院へ
次のような状態は、「脂漏性皮膚炎(皮脂の過剰分泌によって引き起こされる皮膚炎)」の特徴的な症状です。
- フケ対策をしても改善しない
- 髪を洗って24時間以内に髪の毛が束になるほど脂っぽくなる
- しっとりとした大きめのフケが出る
放っておくと悪化して抜け毛や化膿が起こる場合もあるので、このような症状がみられたらすぐに皮膚科を受診してください。
2.治療方法は?
脂漏性皮膚炎は、原因となる「マラセチア菌」の異常繁殖や炎症を抑える塗り薬が処方されます。
治療期間
4~6週間ほどで治癒します。
費用
脂漏性皮膚炎は保険適用となるので、数千円程度で治療が受けられるでしょう。
まとめ
フケを出さないためには汚れの落としすぎも、洗い足りないのもNGです。
自身のフケの状態をみて対策をとることが大切です。
乾燥と過剰な皮脂分泌を防ぎ、頭皮の水分と油分量をバランス良く保ちましょう。
それでもフケの症状が改善しない場合、皮膚疾患の可能性があるので皮膚科で適切な治療を受けましょう。
執筆・監修ドクター
経歴2007年 山梨大学医学部卒業
国際医療センター国府台病院で初期研修の後、日本医科大学麻酔科学講座に入局
2011年 皮膚科、美容皮膚科に転科
現在はGINZA Zen 禅クリニック院長に至る
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