
理事長
宮下 昌子
取材日:2022年10月21日
宮下 昌子先生(日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医)にインタビュー
診察からお産まですべてに対応。同じ女性として妊婦さんの心に寄り添う医師
初めに、日々どんな思いで妊婦さんに接しているかを教えてください。
お産(※)というのは、いつなにが起こるかわかりません。特に、高齢出産や体外受精などの不妊治療をしたあとのお産はトラブルが多いのが現状です。赤ちゃんが無事に生まれるという喜ばしいことの裏には、お母さん自身が健康であることや妊婦健診(※)で胎児の発育確認を行うことなどさまざまな準備が必要ですから、ささいな変化も見逃さないように努めています。
お産は長い時間を要しますから駅伝と見立てて、医師である私が総監督、助産師や看護師が区間ごとの伴走者として、妊婦さんと共に駆け抜ける気持ちでサポートしています。また、出産時に痛みが続くと妊婦さんは「いつまで続くのだろう」とネガティブになってしまうこともありますから、「あと400メートル!もう少しでゴールだよ」などと声をかけるようにしていますね。
(※)は自由診療の可能性があります。料金表または医院までお問い合わせください。
お産は長い時間を要しますから駅伝と見立てて、医師である私が総監督、助産師や看護師が区間ごとの伴走者として、妊婦さんと共に駆け抜ける気持ちでサポートしています。また、出産時に痛みが続くと妊婦さんは「いつまで続くのだろう」とネガティブになってしまうこともありますから、「あと400メートル!もう少しでゴールだよ」などと声をかけるようにしていますね。
(※)は自由診療の可能性があります。料金表または医院までお問い合わせください。
お父さまが医院を開業されたのですよね。
はい、1954年に父が開業しました。私自身は東京の大学に進学しましたが、さまざまなご縁・タイミングが重なり長崎に戻ってきました。
開業して65年以上が経ちますから、親子2代にわたって来院してくださるご家族がいたり、私が取り上げた赤ちゃんが妊婦さんとして来院されたりすると、医師冥利に尽きますよね。また当院では、診察や検査のすべてを私が担当していますから、何人目のお子さんなのか、不安に感じるのはどんな時か、どんな性格なのかを把握したうえでお産に立ち会います。知っている顔が見られたとリラックスしてお産に臨んでいただけることもよくあり、うれしい限りです。
開業して65年以上が経ちますから、親子2代にわたって来院してくださるご家族がいたり、私が取り上げた赤ちゃんが妊婦さんとして来院されたりすると、医師冥利に尽きますよね。また当院では、診察や検査のすべてを私が担当していますから、何人目のお子さんなのか、不安に感じるのはどんな時か、どんな性格なのかを把握したうえでお産に立ち会います。知っている顔が見られたとリラックスしてお産に臨んでいただけることもよくあり、うれしい限りです。
診療を行ううえで大切にしていることがあれば教えてください。
妊婦さんとの対話を大切にしていますね。妊婦さんのなかには、どんな質問でも答えてくださる方もいれば、赤ちゃんが生まれるまで気を張っていてなかなか心情を話してくださらない方もいらっしゃいます。しかし、後者のような方こそ産後は緊張の糸がほどけ、心の距離がぐっと近づくことがあります。
産前の検査や診察を私一人で行っているからこその気付きがありますし、長くサポートしてきたからこそ話せることもあるかと思いますので、今後も心で寄り添う診療を続けていきたいですね。
産前の検査や診察を私一人で行っているからこその気付きがありますし、長くサポートしてきたからこそ話せることもあるかと思いますので、今後も心で寄り添う診療を続けていきたいですね。
治療方法・重要性について丁寧に説明。納得できる診療提供に尽力しています
月経に関するお悩みについてどのような治療を行っていますか?
当院では、低用量ピルや黄体ホルモン製剤の投与、子宮内黄体ホルモン放出システムを用いて治療を行っています。月経前のイライラや精神不安、食欲不振、肌荒れに加え、月経中の頭痛や吐き気、ひどいおなかの痛みなどがあればお早めにご相談いただきたいです。
もちろん、症状や生活スタイルは患者さんによって異なりますから、お一人おひとりに合った治療方法をご提案させていただきます。また、お薬によっては副作用があったり乳がんの方は使用できなかったりすることもあるので、初診時に丁寧に説明するようにしています。治療を継続するためには、どんな治療なのかを患者さんご自身にしっかりと理解していただく必要がありますから、わからないこと、不安なことがあれば遠慮なくお尋ねください。
もちろん、症状や生活スタイルは患者さんによって異なりますから、お一人おひとりに合った治療方法をご提案させていただきます。また、お薬によっては副作用があったり乳がんの方は使用できなかったりすることもあるので、初診時に丁寧に説明するようにしています。治療を継続するためには、どんな治療なのかを患者さんご自身にしっかりと理解していただく必要がありますから、わからないこと、不安なことがあれば遠慮なくお尋ねください。
子宮頸がんワクチンを受ける重要性について教えてください。
子宮頸がんは早期に発見すれば治療できますが、進行した場合は子宮を摘出しなければならないケースもありますから、予防することが大切です。子宮頸がんワクチン(※)は、小学校6年生から高校1年生までの方であれば公費で受けられます。さらに、平成9年度から平成17年度生まれで子宮頸がんワクチンを接種していない方に対して、令和4年度から3年間キャッチアップ接種として無料で受けることができます。この制度をぜひご利用ください。
また、中学校にて子宮頸がんワクチンについて説明する機会があるのですが、まだまだ認知度は低いようです。患者さんご自身がワクチンについてしっかりと理解できるよう、今後も啓発活動に尽力してまいります。
(※)は自由診療です。料金は料金表をご確認ください。公費負担になる場合もあります。
また、中学校にて子宮頸がんワクチンについて説明する機会があるのですが、まだまだ認知度は低いようです。患者さんご自身がワクチンについてしっかりと理解できるよう、今後も啓発活動に尽力してまいります。
(※)は自由診療です。料金は料金表をご確認ください。公費負担になる場合もあります。
高齢出産をする方やシングルマザーへの支援にも力を入れています
ご自身の経験のなかで診療に生きているなと感じることはありますか?
はい。私は3人の子どもを出産しましたが、いずれも高齢出産でした。35歳を超えると高齢出産と言われており、体力的な面や流産に対する不安・恐怖を感じる方もいらっしゃることでしょう。自分自身の経験から、高齢出産をされる方のお気持ちは理解してあげられると思いますし、真摯に寄り添いサポートしたいと考えています。
産婦人科の医師として今後はどんなことに力を入れていきたいですか?
現在、「諫早いのちを大切にする会」に所属しています。シングルマザーや妊娠しているが結婚する予定のない方、経済面でお困りの方が孤立してしまわないよう支援する組織です。出産・育児をするにはそれなりの費用が必要ですし、肉体的にも精神的にも負担がかかります。
また、日本では、未婚で出産する方に冷たい視線を向けられることがまだまだ多いですよね。そのような方に対して、私たち組織だけではなく市全体として、いつかは国全体としてサポートできるよう力を注いでいきたいです。
また、日本では、未婚で出産する方に冷たい視線を向けられることがまだまだ多いですよね。そのような方に対して、私たち組織だけではなく市全体として、いつかは国全体としてサポートできるよう力を注いでいきたいです。
最後に、先生から皆さんへメッセージをお願いいたします。
出産や婦人科疾患に対して、不安や恐怖を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。私は「あなただけの先生」として、聞きたいこと、わからないことがあればなんでもお話しします。また、パンフレットなどを用いながら説明を行い、納得いただける治療の提供に努めています。
女性として、また、子育てを経験した母親として、来院された方のご要望にできる限りお応えいたします。ささいなことでも構いませんので、気兼ねなくご相談にいらしてください。
女性として、また、子育てを経験した母親として、来院された方のご要望にできる限りお応えいたします。ささいなことでも構いませんので、気兼ねなくご相談にいらしてください。