近藤 謙司先生(日本形成外科学会認定 形成外科専門医)にインタビュー
形成外科の魅力は、新しいことにチャレンジし創意工夫できること
その後は、湘南鎌倉総合病院で救急診療や外来診療、手術などに携わりました。総合病院ということもあり、お越しになる患者さまの数はかなり多かったですね。朝から晩まで臨床に携わった経験が、「日本形成外科学会認定 形成外科専門医」の資格取得につながったと感じています。
また、形成外科の治療は、一つの症状に対して複数の治療法がありますし、「切って縫う」だけではなく、「できるだけ傷あとを残さないように治療をする」ことも求められます。創意工夫が求められる診療科ですので、治療に関する引き出しを多く持てること、それをもとに患者さまにより適したアドバイスができるようになったことも、「日本形成外科学会認定 形成外科専門医」を取得してよかったことだと考えています。
あざは、「赤ちゃんのうちから対応できる」だけではなく、「赤ちゃんのうちに対応したほうがあとが残りにくい」症状でもあります。小さなうちはレーザーでとるだけで済む症状が、大きくなってからだと皮膚移植が必要になったりすることもあるからです。子どもの頃より大人になってからのほうが傷あとが消えにくいのはよく知られていることだと思います。当クリニックでは、局所麻酔を用いて、生後間もない赤ちゃんの治療にも対応しています。赤ちゃんの皮膚に関して気になることがあれば気兼ねなくご相談ください。
どんな疾患に対しても、症状を改善するだけでなく傷あとを残さない治療を
治療法は複数あり、内服薬や貼り薬、注射などの保存的治療のほか、当クリニックではレーザーによる治療を行っています。また、ケロイドの大きさなどに応じて、大学病院と連携をして放射線治療を行うこともあります。ケロイドは、症状があるもののそれがケロイドだと気づいていない方も多く、治療ができることを知らない方も少なくありません。私はケロイドの診療に力を入れており、その大きさにかかわらず、できるだけ傷あとを残さないように治療することを心がけています。見た目が変わることで気持ちも明るくなり前向きになることもあると思いますので、悩んでいる方はぜひご相談ください。
霰粒腫は、まぶたの中にできる小さな腫瘍のことです。初期の段階では抗生物質や副腎皮質ステロイド薬での治療も可能ですが、当クリニックでは手術で治療することが可能です。切開をして中の状態をきちんと確認しながら処置することで、傷あとを残さないように努めています。
血管腫や血管奇形などにはさまざまな種類があり、それによって適する治療法も異なります。ただ、早い段階で治療をすることが、より傷あとを目立たせないために大切だということがわかっていますので、気になった段階でご相談にお越しいただければと思います。
生後間もない赤ちゃんからご年配の方まで、幅広い症例に対応
形成外科分野全般を通していえば、若い世代の医師の育成にも力を入れていきたいと思っています。総院長の山下医師も私も、「日本形成外科学会認定 形成外科専門医」と「日本レーザー医学会認定 レーザー専門医」の資格を持っておりますので、そういった専門性とこれまでの経験を生かしていければと考えています。
また、山下医師がよく患者さまにお伝えしている「『まだ若いから』『もう年だから』『子どもがかわいそうだから』は、やめましょう」という言葉は、私から患者さまにお伝えしたいことでもあります。先ほどお話ししたように、あざなどの治療は局所麻酔を用いることで、小さな赤ちゃんからご年配の方まで負担なく受けていただけます。また、早い段階での治療が傷あとを残さないために大切ですし、治療をすることで見た目が変わるだけでなく、気持ちまでもポジティブになったり日常生活が楽になったりするなど、メリットはたくさんあります。ぜひ、気になった段階でお越しください。