筋肉痛の予防法を解説!食事の摂り方は?歳をとると痛みが遅く出る?
【医師監修】
筋肉痛の予防法として、運動前のウォーミングアップや運動後のクールダウンが効果的です。食事でも予防できます。
また、筋肉痛は、年齢とともに痛みが出るまでに日数がかかると言われていますが、本当にそうなのでしょうか?
この記事では、筋肉痛が起こるメカニズムや予防法について解説します。
筋肉痛の予防法
1.筋肉痛はなぜ起こる?
スポーツなどで日頃使っていない筋肉を使うと、筋肉疲労が起こり、痛みとなります。
筋組織が壊れて炎症を起こすことでも筋肉痛が起こります。
運動前後の過ごし方や食事を工夫するだけで、痛みを和らげることができます。ぜひ試してみましょう。
2.ウォーミングアップ
軽いストレッチとして、「手足を伸ばす」「屈伸運動」「肩を回す」「股関節を回す」「ジャブをする」などを行いましょう。
これらは、ウォーミングアップとなり、筋肉を使う準備になります。
ラジオ体操は、これらの運動を組み合わせているので効果的です。
3.運動前の食事
たんぱく質と炭水化物で栄養補給
筋肉を修復するアミノ酸(たんぱく質)と、エネルギーとなる炭水化物を摂ることが大切です。
鶏肉や赤身肉・卵などには良質なたんぱく質が豊富に含まれています。
豆乳などのスムージーやチーズ・プロテインを摂るだけでも十分です。
玄米やフルーツでビタミンB1補給
穀物やフルーツで、ビタミンB1を補給しましょう。玄米や穀物入りのごはんがおすすめです。
これらにはビタミンB1が含まれていて「疲労回復効果」があります。
バナナやドライフルーツは、手軽に食べられて、エネルギーにも変わりやすく、胃への負担も少ないのでおすすめです。
4.クールダウン
疲れや炎症をおさえるために軽いストレッチやジョギングでクールダウンしましょう。
炎症を鎮めるには、水で濡らしたタオルを当てるのも効果的です。
その後にゆっくりとお風呂につかり、筋肉を軽くもんで血流を良くしておきましょう。
5.運動後の食事
運動後は、運動前と同じく、たんぱく質と炭水化物を摂ります。
汗で流れやすいミネラルの補給も行いましょう。
ミネラルとは、ナトリウムやカリウム・マグネシウムなどのことです。
海藻類・ナッツ類・青菜・フルーツに多く含まれています。運動の後には、意識的にこれらを摂取しましょう。
筋肉痛にまつわる疑問。遅いのは年齢のせい?
1.年齢とともに筋肉痛になるのは遅くなる?
筋肉痛と年齢は無関係
筋肉痛は、歳をとると、数日遅れて痛みがやってくると言われています。
実は筋肉痛と年齢は全く関係がありません。
20代と60代の人が同じ負荷で運動をした場合、筋肉痛の出方や回復には大差がない、というデータが出ています。
遅れて筋肉痛になるのはなぜ?
遅れて痛みが出てくることもあります。
普段は使っていない筋肉の毛細血管があまり発達していないためです。
傷ついた筋肉の修復に使う血液成分の到着が遅れ、さらに「発痛物質」の生産が数日経ってから現れることから、遅れて痛みが出るのです。
2.筋肉痛になるといいことは?
筋肉痛になるということは、筋肉がきちんと使われている証拠です。
もし、筋肉をつけたいのであれば、痛みが出ている間の運動は控えてゆっくりと体を休めましょう。
痛みが落ち着いてから筋トレを再開したほうが、筋肉はつきやすくなります。
3.筋肉痛になりやすい人なりにくい人
日頃から運動をしていない人は、筋肉疲労がたまりやすく、筋肉が炎症を起こしてしまうため、筋肉痛になりやすくなります。
逆に、運動をする習慣がある人は、筋肉痛になりにくいと言えます。
4.筋肉痛と眠気の関係
痛みとともに眠気やだるさを感じる場合もあります。
これは、運動や筋トレで筋肉が使われ、疲労がたまっていることが原因です。
疲労回復のために眠らせようと、体が反応しているからです。
運動後に、たんぱく質やビタミンを摂取することは眠気の改善につながります。
まとめ
筋肉痛は、運動前後の過ごし方や食事で防ぐことができます。
また、痛みの出方に年齢は関係ありません。
体の痛みは、運動によってしっかりと筋肉が使えているという証拠でもあります。
痛みがつらい間はなるべく安静にし、ひどく痛む場合には鎮痛剤を服用することも効果的です。
執筆・監修ドクター
経歴1995年 昭和大学卒業(形成外科)
1996年 慶應義塾大学(整形外科) ※以後、関連病院にて脊椎専門にて勤務医
2010年 久我山整形外科ペインクリニック 開院
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