カミソリ負けを治す3つの方法。まずは冷やして!皮膚科での治療法は?
【医師監修】
女性はムダ毛処理の習慣がありますが、正しい方法で手入れしないとカミソリ負けを起こしてしまうことがあります。
初夏から夏にかけて、腕や足を露出したファッションが増えますね。
ムダ毛処理にもいっそう力が入る季節ですが、カミソリ負けで赤く腫れてしまうと、逆に露出を控えたくなります。
ヒリヒリと痛みもあり、早く治したいものです。
この記事では、カミソリ負けの原因と治す方法、肌荒れを防ぐムダ毛処理の方法をご紹介します。
痛い…カミソリ負けの原因は?
カミソリ負けを起こす原因としては、大きく分けて3つあります。
1. カミソリ負けを起こす原因
不衛生なカミソリ
次のような不衛生なカミソリは、カミソリ負けを起こす原因となります。
・ゴミや埃がついている
・前回使用したときのムダ毛がついている
・刃がさびている
このようなカミソリでムダ毛処理をした場合、刃が触れた部分から雑菌が入り肌荒れにつながります。
これは、「黄色ブドウ球菌」という皮膚の表面にいる常在菌が傷口から皮膚の中に侵入して炎症を起こすことが原因です。
ホルモンバランスや体調の変化
ホルモンバランスの変化や、ストレスなどで免疫力が低下しているときはカミソリ負けを起こしやすくなります。
いつもはなんともなくても突然カミソリ負けを起こしたら、体調が影響していると考えても良いでしょう。
剃毛の環境が良くない
シェービングクリームなどを使わなかったり、皮膚がふやけた状態で剃ったりするとカミソリ負けにつながります。
皮膚の角質まで削ってしまうことで、炎症につながるため注意しましょう。
2.カミソリ負けはくすみの原因に!?
カミソリ負けをした状態で直射日光にさらされると、色素沈着を起こしてくすみの原因にもなるため、炎症が沈静化するまで肌の露出を控えることをおすすめします。
自分でできるカミソリ負けの治し方
1. 冷やす
カミソリ負けを起こしたときは、まずその部分を冷やすことが大切です。
肌が炎症している状態なので、熱をとりクールダウンすることで状態が改善されます。
冷たいシャワーでなるべく刺激を与えないように冷やすか、水に濡らしたタオルをやさしく患部に当てて熱をとると良いでしょう。
2. 保湿
炎症を起こした肌は乾燥しやすくなり、乾燥した肌は更に炎症を悪化させるという悪循環に陥ります。
そのため患部を冷やした後は肌を保湿しましょう。
化粧水やローションをたっぷりと肌に押し込むようにつけて、蒸発を防ぐためにその上からクリームを塗ります。
乾燥がひどいようなら、ドラッグストアで手に入る白色ワセリンをクリームの代わりに使うのがおすすめです。
皮膚科で手に入るヒルドイドも、保湿と代謝促進の働きがあるのでカミソリ負けに良いでしょう。
3. 市販薬の使用
カミソリ負けには、市販薬の作用が記載されている部分にカミソリ負けと書かれている塗り薬や、
黄色ブドウ球菌によって肌が炎症を起こしている状態に効く、殺菌作用のあるものがおすすめです。
皮膚科で受けるカミソリ負けの治療について
1. こんな症状があれば皮膚科へ!
上記のセルフケアを行ってもなかなか改善がみられなかったり、かゆみに耐えられなかったりする場合、皮膚科を受診しましょう。
通常、カミソリ負けは2~3日、長くて1週間程度でおさまりますが、それ以上治らないようであれば、市販薬でのケアは難しくなってきます。
2. 治療方法
カミソリ負けの原因が細菌感染によるものか、皮膚を擦ってしまったことが原因かをしらべ、それに応じて次のような治療薬が処方されます。
・抗菌薬
・ビタミン剤
・ステロイド入り外用薬
・抗生剤
・保湿剤
・新陳代謝を正常化する軟膏(ビタミン、ミネラル配合)
処方されるのは基本的に塗り薬ですが、症状によっては内服薬を併用する場合もあります。
薬の使用を続ければ、カミソリ負けの症状は通常2~3日、長くて1週間程度でおさまることが多いでしょう。
カミソリ負けの予防法
1. カミソリを清潔に保つ
細菌は湿度の高い場所で繁殖する性質があるため、カミソリを清潔に保つには、乾燥する場所に保管しておくことが大切です。
濡れたまま放置していたり、湿った場所に置きっぱなしにしたりすると、目に見えない細菌がカミソリの刃に繁殖する可能性があります。
2. シェービングクリームなどを使って!
ムダ毛を処理する前はシェービングクリームなどで剃毛の環境を整え、毛の流れに沿って力を入れずにカミソリを滑らせます。
毛流れに逆らったり力を入れたりすると、深剃りが起こり、肌が傷つきます。
傷口から細菌が入ると、炎症にもつながるため要注意です。
3. クールダウンと保湿をしっかりと
ムダ毛処理の後は、炎症の有無にかかわらず流水でしっかりクールダウンしましょう。
その後、肌を保湿することでカミソリ負けを予防できます。
4. 免疫力を高める食品
免疫力の低下は肌荒れを引き起こしやすくするため、その原因となるストレスや生活習慣の乱れを極力減らすことがカギとなります。
特に食事は、次のような食品を意識して摂れると良好です。
発酵食品・食物繊維
発酵食品や食物繊維には、免疫力を高める働きがあります。
納豆・味噌といった発酵食品や、海藻・きのこ類など食物繊維を多く含むものを摂りましょう。
とくにきのこに含まれる「βグルカン」は、免疫力UPに高い作用を発揮するためおすすめです。
ビタミンA・C・E
ビタミンA・C・Eは肌の調子を整える作用があり、できれば毎食取り入れたい栄養素です。
それぞれ次のような食品に多く含まれています。
・ビタミンA:
緑黄色野菜(モロヘイヤ・にんじん・大葉・ほうれん草・小松菜など)
・ビタミンC:
モロヘイヤ・パプリカ・ブロッコリー・菜の花・レモン・キウイフルーツ・いちご
・ビタミンE:
モロヘイヤ・カボチャ・ほうれん草・アボカド・ナッツ類
毎食野菜やフルーツを摂り、間食にナッツを取り入れると無理なく続けられるでしょう。
まとめ
カミソリ負けを防ぐには、保管や使用方法に注意して、剃毛後はアフターケアを怠らないことが大切です。
体調によっても左右されるため、食生活などを意識して、日頃から免疫力を高めておくことも有効です。
なかなか改善がみられなければ、皮膚科を受診して治療を受けましょう。
執筆・監修ドクター
経歴北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
を経て横浜栄共済病院 形成外科
2014年 KO CLINICに勤務
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長 就任
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