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心雑音があると危険?原因は貧血や病気など。子どもの原因は?

更新日:2022/07/27 公開日:2020/12/16 view数:13,034

【医師監修】

心雑音の原因は、貧血や心臓の病気、発熱、甲状腺の病気などさまざまです。

また、心雑音は聞こえるタイミングによって、3つの種類に分けられます。

健康診断で、「心雑音がある」といわれたら不安になりますよね。

しかし、心雑音にはさまざまな種類があり、すべてにおいてすぐ治療や手術が必要なわけではありません。

この記事では、そもそも心雑音とは何なのか、心雑音の原因や心雑音の種類、考えられる病気について解説します。

目次
  1. 心雑音とは?どんな原因で発生する?
  2. 心雑音が聞こえることから、考えられる病気とは?
  3. 心雑音があるといわれたら…普段の生活で気をつけること
  4. まとめ

心雑音とは?どんな原因で発生する?

心雑音の検査結果イメージ

1.そもそも心雑音って?

正常な心臓では発生しない、心音以外の音

心雑音とは、正常な心臓では発生しない、心音以外の音のことです。

心雑音は、循環器系の病気を診断するときの目安になる症状のひとつです。一方で、「心雑音がある」と指摘されても、自分では自覚症状のないことがほとんどです。

どのタイミングで心雑音が聞こえるかで病気を診断

心臓は、心房と心室が交互に収縮しています。心室が、収縮と拡張を1回ずつ行うと、心臓が1回拍動したことになります。

この1回の拍動の、どのタイミングで雑音が聞こえるかによって、病気の状態 を診断します。

2.心雑音の種類

心雑音は大きく3種類に分けられるイメージ

心雑音は、聞こえるタイミングによって、3種類に分けられます。

また、通常聞こえないようなタイミングでなる音のことを『過剰心音』と呼びます。

収縮期雑音

心臓

心室が収縮するときに発生する雑音です。

原因は『三尖弁』の異常や、『大動脈弁』が硬くなっている、先天性の心疾患などが挙げられます。

拡張期雑音

心室が拡張するときに発生する雑音です。

原因は、主に大動脈弁と僧帽弁の異常にあります。

連続性雑音

先に解説した、「収縮期雑音」と「拡張期雑音」が同時に聞こえる状態です。

『動脈管開存症』や『大動脈肺動脈中隔欠損症』などが原因で生じることがあります。

3.心雑音の原因

心雑音の原因には、心臓を構成する組織の形に異常があるものと、ないものとがあります。

また、心雑音の音量が重症度の目安になります。

貧血

貧血が心雑音の原因となることもあります。

貧血の女性イメージ

赤血球が少なくなると、血液中の酸素レベルが下がります。すると、体が酸欠だと判断して、心臓を速く動かそうとします。その結果、心雑音が生じます。

心臓の「弁」に何らかのトラブルがある

心臓の「弁」の開閉に問題が生じることで、雑音が聞こえます。

『弁狭窄(べんきょうさく)』や『弁閉鎖不全症』がこれに当たります。弁が厚くなったり、完全に閉鎖できなくなったりすることで、主に心室の動きの変化にあわせて雑音がなります。

先天性の病気の可能性もあり、対処する必要があるケースもあります。

アテローム性動脈硬化

アテローム性動脈硬化は、一般的に動脈硬化といわれているもので心臓および心臓周辺の動脈と弁に影響する病気です。

動脈が狭くなることで、血液が循環する速度が速くなり、心雑音を引き起こします。

動脈硬化で診察を受けているイメージ

血液をうまく送り出せず、心臓に負担をかけてしまうほか、動脈が硬くなったり、血管の内側が狭くなったりすると必要な酸素、栄養がいきわたらず、臓器や組織が正しく機能しなくなります。

さらに血管が詰まると臓器や組織に血液が流れず、壊死してしまうこともあります。

心房や心室の間に穴がある

左右の心房や心室の間に、穴(『欠損孔』)があると、血液の異常な流れや、心臓の動き(心筋が心拍リズムに沿って、有効な拍動を行わせる興奮伝達状態)の問題が生じることがあります。

これは、先天的に生じることが多いです。

そのほか、発熱や甲状腺の病気など

それ以外にも、発熱や甲状腺疾患が心雑音を引き起こすこともあります。

また、『心膜性雑音』という、心膜の炎症が原因で生じる雑音もあり、ウイルスや細菌、薬剤、がんなどが原因で起こります。特に心臓手術後に多くみられます。

4.幼児期から高校生の心雑音

幼児期から学童期、高校生までの間には、健康診断をきっかけとして心雑音が発見されることがあります。

多くの場合、何の問題もなく日常生活を送ることが出来ます。

というものの、中には先天的な病気が原因のケースもあります。

心雑音を診察してもらう子供のイメージ

日常生活に問題ない心雑音は、肺動脈弁が音源となっていることが多くあります。これは心臓に異常がなくても出現する雑音です。

さらに肺動脈弁を音源とする雑音には心臓以外の原因もあります。

貧血や甲状腺機能亢進症、運動、発熱など、心臓活動が活発なときに出現する雑音で、これも害はありません。

5.高齢者の心雑音

高齢者の場合は、加齢にともなう弁の構造変化や機能の低下、動脈硬化による病気などの可能性があります。

心雑音が聞こえることから、考えられる病気とは?

疲れやすく体力の落ちている女性イメージ

1.大動脈弁狭窄症

大動脈弁狭窄症は、大動脈弁の性質が変化し弁が開きにくくなることで、血液の流れが悪くなる病気です。左心室から大動脈へと流れる血液が送りにくくなります。

無症状のことが多いですが、胸の痛みを感じることもあります。進行していくと、心筋の酸素不足が生じて胸痛が生じたり、失神を起こしたりすることすらあります。

2.大動脈弁閉鎖不全症

大動脈弁閉鎖不全症は、大動脈弁の機能が低下し、弁が閉じにくい状態になる病気です。

左心室が拡張するタイミングで、大動脈から左室へと血液が逆流してしまいます。

体を動かしたときの息切れ、動悸、疲れやすいなどの自覚症状があります。

3.僧帽弁狭窄症

疲れやすく不整脈が気になる女性イメージ

僧帽弁狭窄症のほとんどが、リウマチ熱の後遺症として発症します。リウマチ熱にかかってから、10~30年が経ってから症状が出現します。

僧帽弁の間が狭くなることで、左房から左室へ流れる血液が障害されます。

心房細動や、左房内血栓などの合併症をともない、重篤な症状を引き起こす可能性もあります。

無症状で経過することが多く、進行すると呼吸困難やむくみ、ときに不整脈がでることがあります。

4.僧帽弁閉鎖不全症

僧帽弁閉鎖不全症も、リウマチ熱の後遺症としてかかることがあります。一方で、リウマチ熱にかかってない人が発症するケースが増えています。

さまざまな理由により、僧帽弁の機能が低下して、弁が閉じにくくなります。

5.肺動脈弁狭窄症

倦怠感や息切れに悩んでいる女性イメージ

肺動脈弁狭窄症は、そのほとんどが先天性です。

肺動脈弁が開きにくくなり、右心室の肥大や右房の拡大がみられることもあります。心雑音以外に、倦怠感や呼吸困難、動悸、息切れなどの症状があらわれます。

6.肺動脈弁閉鎖不全症

肺動脈弁閉鎖不全症は、ほとんどの場合、肺高血圧にともなって起こります。

肺動脈弁の機能が低下する病気です。

右心房に負担がかかり、息切れや倦怠感などを生じます。肺動脈弁閉鎖不全症のみが発見された場合は、特に治療は必要のないケースが多いです。

7. 心房中隔欠損症

先天性心疾患のある新生児のイメージ

心房中隔欠損症は、新生児の先天性心疾患のうち、約5~10%を占めます。また、成人してから発見される先天性の心疾患としては、最も多いのがこの病気です。

左心房と右心房を隔てる筋肉に生まれつき穴があいています。自然に穴がふさがることはなく、特に思春期以降、動悸や息切れがあらわれやすくなります。

8. 心室中隔欠損症

心室中隔欠損症は、先天性の心疾患の中で、最も発生頻度が高いです。

心房中隔欠損症と同様に、左心室と右心室を隔てている筋肉に生まれつきの穴がみられます。一方で、自然に閉鎖するケースも70~75%ほど認められています。多くは、乳児期に閉鎖します。

心雑音があるといわれたら…普段の生活で気をつけること

心臓の負担を和らげるウォーキングする女性

1.運動はしてもいい?

軽い運動であれば問題ありません。しかし、息切れなどの症状をともなうことがあります。小走りしただけで倦怠感を感じたり、心拍数が上昇したりすることもあります。心臓に負担を感じる場合は、医師に相談しましょう。循環器内科心臓血管外科など、循環器疾患を扱っているところがよいですが、まずは内科で相談するものよいです。

子供の場合は、ちょっとした変化にも気を配りましょう。

いつもより疲れている、成長が遅いと感じたら、小児科を受診してください。

2.心臓に負担をかけないよう、注意する

ストレスや不規則な生活は心臓に負担をかけてしまいます。リフレッシュできるような時間をとり、ストレス解消につとめましょう。軽い運動やウォーキングなどを取り入れるのもいいですね。

また、定期的に検診を受けるようにしてください。

まとめ

心雑音があるからといって、すぐに手術が必要になったり、命に危険が及んだりする可能性は低いです。心配ない場合もありますが、念のため、詳しく検査を受けましょう。その後も定期的に検診を受け、異常がないかみてもらってください。

同時に生活習慣を見直し、心臓への負担を減らすことも大切です。

執筆・監修ドクター

岡村 長門
岡村 長門 医師 岡村クリニック 院長 担当科目 心臓血管外科/循環器内科/内科

経歴1996年 埼玉医科大学卒業
1997年 埼玉医科大学第一外科入(一般外科、呼吸器外科、心臓血管外科)終了
1999年 戸田中央総合病院心臓血管外科医として就職
2000年 埼玉医科大学心臓血管外科就職
2006年-2012年3月 公立昭和病院心臓血管外科就職
2012年4月 岡村医院、医師として勤務
2012年7月 岡村クリニック開院

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