つらい肩こり、眼精疲労が原因かも!頭痛や吐き気も…。どう改善する?
近年、パソコンやスマートフォンの普及により、目を長時間使う人が増えているかと思います。それが原因で、肩こりなど体への負担を感じている人もいるのではないでしょうか?
この記事では、肩こりの原因にもなっている『眼精疲労』について解説します。
眼精疲労と肩こりの関係
1.眼精疲労とは
目に負担がかかることで、目や体に不調が出る状態を『眼精疲労』といいます。
読書やテレビ、パソコンやスマートフォンなどで、長時間にわたり目を使い続けることで、症状があらわれます。
おもな症状は、目の疲労感や重圧感・かすみ・まぶしさ・充血などです。ひどくなると全身にも疲労感、頭痛、肩こり、吐き気などが起こることがあるでしょう。
2.眼精疲労からくる肩こりの原因
目が疲れてくると、目の周りの筋肉に疲労やコリなどが蓄積されていきます。蓄積された疲れは、首をとおして肩の周辺の筋肉にまでおよびます。
肩の周辺の筋肉が緊張することで血行が悪くなることが原因で、肩こりを誘発してしまいます。
3.肩こり以外の眼精疲労の症状
眼精疲労が原因となって起こる症状には、肩こり以外に、頭痛・めまい・吐き気・背中の痛み・手足のしびれ・全身の倦怠感・不眠などがあります。
眼精疲労からくる肩こりをやわらげる方法
1.肩こりによいマッサージ
目の疲れをとることが肩こりの解消につながります。目のまわりをマッサージするのが効果的です。
こめかみには目の疲れに効くツボがあるので、1日に数回、2~3秒ほど軽くもみほぐすだけでも効果が期待できます。目の周りはデリケートな部分ですので、力を入れ過ぎずに優しくマッサージすることがポイントです。
首や肩の周辺も、血流を促すようにマッサージをするとよいでしょう。
2.肩こりにおすすめのストレッチ
長時間同じ姿勢でいるなど、首や肩の筋肉が固まっていると血流が悪くなり肩こりを起こしやすくなります。
筋肉をほぐすためにも、以下のストレッチを仕事の合間などに取り入れるだけでも効果的が見込まれます。
- ・首を前後左右に動かしたり、回したりする
- ・肩甲骨(けんこうこつ)を動かすように肩を回す
- ・腕を伸ばして肩の周りの筋肉をほぐす
3.血行を良くする栄養素をとって、肩こり解消を!
「ビタミンA・C・E」は、活性酸素を除去する抗酸化作用があるだけでなく、血行もよくしてくれるため、肩こりに効くとされています。「ビタミンA・C」は、体に蓄積されないため、とくに積極的に摂したほうがよいでしょう。
- ・ビタミンA…レバー・乳製品・卵・人参・かぼちゃなど
- ・ビタミンC…キウイ・いちご・パプリカ・じゃがいも・さつまいもなどの芋類
- ・ビタミンE…キウイ・レモン・ナッツ・うなぎ・卵・豆腐など
眼精疲労からくる肩こりの治療法
1.市販薬の使用について
眼精疲労に有効な目薬は数多くありますが、眼精疲労の原因もさまざまです。
市販薬を使用して悪化するケースもあります。医師や薬剤師に相談し、適切なものを使用するのがよいでしょう。
2.眼精疲労の薬は、どんなものがある?
即効性があるのは点眼薬や湿布
眼精疲労を解消するための『点眼薬』、肩こりを取り除くための『湿布薬』や『塗り薬』などがあります。
それぞれ即効性があり、すぐに痛みをとりたいときには有効です。
しかし、原因そのものを取り除いてくれるわけではありません。疲れをとったり、血行を良くしたりするケアもあわせておこないましょう。
内服薬を服用する場合は必ず医師に相談を
原因そのものを解決するためには、肩こりの原因となる、筋肉疲労や血行不良などの改善に有効な『ビタミン』が配合された内服薬が有効です。
服用する場合は、原因や症状に合った使用が大切です。自分で判断せずに医師や薬剤師に相談しましょう。
3.薬に副作用はある?
すべての薬に副作用があるわけではありません。しかし、体調や体質によって副作用があらわれる場合もあり、使用する薬によって症状も異なります。
考えられる副作用は、皮膚の発疹・赤み・かゆみ・吐き気・嘔吐・頭痛などになります。
薬を服用する場合は、必ず医師や薬剤師に相談しましょう。
肩こりの原因が眼精疲労ではないことも…
肩こり・頭痛・目の疲労感など眼精疲労と同じような症状でも、「緑内障」や「結膜炎」など目の病気にかかっていることもあります。
そのほか、視界が暗い・白っぽくかすんで見える・まぶしく見えるなど、目に違和感がある場合は、「白内障」や「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」などの可能性も考えられます。
なかなか症状が引かない場合や仕事や生活で支障がある場合は、早めに病院を受診しましょう。
まとめ
現在、多くの人が眼精疲労による肩こりに悩んでいることでしょう。
しかし、『眼精疲労』による肩こりの場合は、日常生活にストレッチを取り入れたり、睡眠を見直したりすることで改善できます。
症状がひどい場合は薬を服用することも効果的です。薬を服用する際は必ず眼科を受診し、医師や薬剤師に相談してください。
執筆・監修ドクター
経歴慶應義塾大学医学部卒業
慶應義塾大学病院眼科 助教
慶應義塾大学伊勢慶応病院眼科 部長
順天堂大学医学部附属順天堂浦安病院眼科 助教
JCHO埼玉メディカルセンター眼科 部長
現在 中島眼科 院長
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