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低温やけどの処置方法。20~30分冷やして!病院へ行く目安は?

更新日:2022/11/30 公開日:2018/02/23 view数:1,280
低温やけど 処置

すぐにやけどに気づかない「低温やけど」。熱傷(ねっしょう)とも呼ばれており、多くの人が一度は経験するけがの一つです。

低温やけどは、熱で皮膚の組織が破壊されて、皮膚が持っている防御機能が失われてしまった状態です。この記事では、低温やけどの処置法についてご紹介します。

目次
  1. 低温やけど、どう処置する?
  2. 低温やけどの跡が残らないようにするために
  3. まとめ

低温やけど、どう処置する?

1.低温やけどとは?原因で多いのはカイロや電気毛布など

やけど

低温やけど(低温熱傷)は、短時間の接触ではやけどになる可能性がない程度の温度に、長時間接触することによって起こる皮膚の怪我のことです。

熱いと感じる温度ではなく、温かいと感じる程度の温度でも長時間あたっていると、皮膚の奥深くまで熱の影響を受けることになります。

低温やけどの原因となるもの

ホッカイロ

  • 使い捨てカイロ
  • 電気アンカ
  • 湯たんぽ
  • 電気毛布

 

低温やけどは、一定の時間直接皮膚に接触していることで起こります。

高齢者、乳幼児、体の不自由な人、皮膚感覚の弱い糖尿病の人は特に注意が必要で、自分でも気づかないうちに症状がひどくなってしまうことがあります。

2.低温やけどに気づいたら…応急処置

まずは冷やしましょう

低温やけど 処置

低温やけどに気づいたら、症状の進行を食い止めるために、流水か洗面器などに水をためて、冷水でできるだけ早く患部を冷やすようにします。

目安は20分~30分

冷やす時間の目安は20分~30分で、やけどの部分がズキズキと痛むような状態が和らぐまで行います。

痛みや熱さが引いてきたら、清潔なガーゼで患部をゆるくおおうようにしましょう。

やけどをした範囲が広いときは?

毛布

やけどをした範囲が広く、冷やす面積が大きい時は、冷やすことで体温が下がらないように注意が必要です。

もしも冷やしている間にさむがったり、震えがでたりするようであれば、いったん中止し、毛布などで包み、保温するようにしましょう。

3.病院へ行くべき症状

痛みが強く、水泡がある 場合

処置

痛みが強い、または水泡ができている場合は病院を受診するようにします。

低温やけどの場合、長時間かけて傷を受けているため、慌てて流水などで冷やしても、効果がない場合があります。

見た目からは判断しにくい

応急処置

また、表面からみてそれほどやけどの状態が悪くないと思っても、真皮深層(第二度熱傷)から、皮下組織に達するような深い傷(第三度熱傷)である場合が多くあります。

やけどに気づいたら患部を清潔なガーゼでおおい、病院を受診することが大切です。

何科を受診すればいい?

医師

低温やけどの場合、患部を冷やしたら、すみやかに形成外科や皮膚科などの病院を受診することが大切です。

4.病院で受ける処置

治療の効果が出にくい低温やけど

治療

通常のやけどでは、被覆材(ひふくざいといい、傷の部分を保護して治療を促進するもの)などを用いて、湿潤療法(傷を乾かさないようにし、痛みを軽減して傷跡を残さないように早く治す方法)を行います。

しかし、低温やけどの場合はこれらの効果が出づらく、冷やしたり、軟膏を塗ったりする治療も効果が薄いといわれています。

やけどからしばらくたって皮膚が壊死することも

皮膚

やけどの状態で治療法は異なりますが、やけどの跡すぐにはほとんど変化がなく、7~10日後ごろにズキズキと痛みが出て皮膚が壊死することが多いといわれます。

これは、皮膚の深い部分で起こっているため防ぐことができませんが、早めに被覆材を使用して傷の部分の乾燥を防げば、黒色の壊死でなく灰白色~クリーム色のやわらかい皮膚にすることができます

黒くなった皮膚は自然に剥がれることもありますが、きちんとケアして色を薄くしていくことが大切です。

壊死した皮膚を毎日シャワーで洗って、抗菌作用と保湿効果のある「サルファジアジン銀含有クリーム(ゲーベンクリーム)」を付け、その上からサージカルパッドを貼りましょう。

皮膚が壊死したらどうなる?

皮膚切除

壊死が確認されたら、壊死した部分は切除します。切除は医師が判断し、壊死している部分はすべて取り除きます。

一回でとる場合もあれば、範囲が広い場合は複数回に分けることもあります。壊死した組織は死んでしまっている皮膚なので、このままで再生することはありません。

壊死した皮膚組織は残しておくことで、感染源となり傷が治るのを妨げてしまいます

外科手術が必要になることも

手術

また、皮膚の欠損範囲 が大きい時は、自然治癒 だけで完治するには長期間となり、変形が大きくなる (平たい皮膚として形成されない)ので、皮膚移植や皮弁術などの外科手術が必要になることもあります

治療期間はおよそ1か月~数か月です。

傷口がひきつれてしまうことも

傷

また、傷が肥厚性瘢痕 (ひこうせいはんこん)やケロイド状(赤く盛り上がったような状態)に残ることもあります。

肥厚性瘢痕は傷の部分だけにとどまっている炎症、ケロイドは傷の部分を超えて広がっていく炎症を指します。

これらは、見た目だけでなく、傷口がひきつれて、動きの制限となることがあります。その場合には正常な機能が妨げられてしまうため、ひきつれを解除する手術が必要となる場合もあります

低温やけどの跡が残らないようにするために

1.水ぶくれはつぶしてもいい?

水ぶくれ

水ぶくれはつぶさないようにしてください。

水ぶくれをつぶすと、細菌感染を起こしやすくなるため、清潔なガーゼで保護をして病院を受診しましょう。

2.これはNG!やってはいけないこと

アロエ

自己判断で市販の薬を塗ることは避けましょう。

また、アロエなど傷に効くと考えられているものもやめましょう。傷口が細菌感染を起こすと、治りにくくなります。

3.やけどを早く治すのにおすすめの食事は?

食事

傷がきれいに治るまで根気よく治療を続けましょう。下記にあげた栄養素を含む食品を、いつもの食事に積極的に取り入れてみましょう。

やけどに有効な栄養素と含まれる食品

<亜鉛>

傷を早く直す働きがある

例)牡蠣、牛肉や豚肉の赤身、レバー、うなぎ、そら豆、そば など

<ビタミンE>…血行を改善する働きがある

例)うなぎ、あゆ、はまち、アーモンド、かぼちゃ、アボガド など

<ビタミンC>…細胞の結合組織であるコラーゲンの合成に働いて皮膚を強くする

例)いちご、みかん、かき、キウイ、赤ピーマン、ブロッコリー、にがうり、ほうれん草など

<ビタミンP>…ビタミンCの働きを補強し、毛細血管を強くする

例)みかん、レモン、オレンジ、グレープフルーツ、そば

まとめ

低温やけどは、自分でなかなか気づかないことも多く、予想以上に深い組織まで達してしまい、治療に長い期間を必要とすることがあります。

低温やけどをしたら、自己判断はせず、早めに病院を受診しましょう。

執筆・監修ドクター

長谷川 佳子
長谷川 佳子 医師 ルサンククリニック銀座院 院長 担当科目 形成外科/皮膚科/内科

経歴北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
を経て横浜栄共済病院 形成外科
2014年 KO CLINICに勤務
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長 就任

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