
院長
塚本 慶子
取材日:2022年12月7日
塚本 慶子先生(日本眼科学会認定 眼科専門医)にインタビュー
社会生活を不自由なく送るためにサポートしたいという思いから、眼科の道へ
まず、眼科の医師になろうと思ったきっかけについて教えてください。
はじめから眼科の道に進もうと決めていたわけではありませんでした。小児科にはとても興味がありましたが、子どもは体調が急変することがよくありますし、その場合、1〜2週間、病院に泊まり込みで診なければならないことも少なくありません。私自身も子育てをしながら医師をしていたので、ワークライフバランスが気になり、断念しました。もちろんどの診療科も勉強し続けることや知識の吸収は大切ですが、子育てと勉強や私仕事を両立させるためには、全身状態を診なければならない内科や小児科より、なにか一つの臓器に対する診療が自分には向いていると思い、眼科の他に耳鼻咽喉科や皮膚科なども選択肢に入れていました。
眼科に決めたのは、社会生活を不自由なく送る上で、目はとても大事な臓器だからです。情報の8割は目から得ていると言われています。「よく見える生活」のために、お手伝いできれば幸いです。
眼科に決めたのは、社会生活を不自由なく送る上で、目はとても大事な臓器だからです。情報の8割は目から得ていると言われています。「よく見える生活」のために、お手伝いできれば幸いです。
眼科の医師として、診療の際にこだわっていることはありますか?
病気でつらい症状がある場合は、それを改善することも大事です。ですが、生活する上で「見る」という機能は不可欠なので、その機能の維持を重視しています。そのためには、無理をして裸眼でいるより、メガネやコンタクトレンズなどで矯正視力を維持する方がよいです。
最近急速にデジタルデバイスの使用が増えた為、無理な状態で見ている方がとても多いです。検査の結果、メガネやコンタクトレンズの調整が必要な時は「遠くがよく見える」だけでなく、その方の生活に合わせて「無理せず楽に見える」度数合わせをします。お子さまにメガネを提案すると、ためらわれる親御さまも多いですが、無理をして裸眼でものを見ようとすると、肩こりなど身体の他の部分に悪影響を及ぼしたり、学習意欲の低下につながったりします。将来的に良好な視力を維持するためにも、発育や発達の状況に応じて早いうちから矯正する方がよいこともあります。
見え方に違和感を抱いた時こそ、眼科で目の状態をチェックし病気の早期発見のチャンスだと思って下さい。寿命が延びている今、病気の早期発見・早期治療が、今まで以上に重要です。見たいものがしっかり見える100歳を目指しましょう!
最近急速にデジタルデバイスの使用が増えた為、無理な状態で見ている方がとても多いです。検査の結果、メガネやコンタクトレンズの調整が必要な時は「遠くがよく見える」だけでなく、その方の生活に合わせて「無理せず楽に見える」度数合わせをします。お子さまにメガネを提案すると、ためらわれる親御さまも多いですが、無理をして裸眼でものを見ようとすると、肩こりなど身体の他の部分に悪影響を及ぼしたり、学習意欲の低下につながったりします。将来的に良好な視力を維持するためにも、発育や発達の状況に応じて早いうちから矯正する方がよいこともあります。
見え方に違和感を抱いた時こそ、眼科で目の状態をチェックし病気の早期発見のチャンスだと思って下さい。寿命が延びている今、病気の早期発見・早期治療が、今まで以上に重要です。見たいものがしっかり見える100歳を目指しましょう!
開院することになった背景や経緯はどのようなものだったのでしょうか。
私は大学卒業後、数年間大学病院の眼科に勤めていましたが、その後は開業医の先生のところで勤務医をしていました。その先生には後継ぎの息子さんがいたこともあり、将来的な世代交代などを考えられるタイミングで私も開院しようと思いはじめ、相談にのっていただいていました。
また、勤務医時代から視覚障害者の方へのサポートをしていたのですが、開院したら、病院や社会福祉施設と連携し、そうしたサポートをしていける体制にしたいという思いもありました。そうこうしているうちに、ご縁があり、自宅から近い場所で開院できる機会に恵まれ現在に至ります。
また、勤務医時代から視覚障害者の方へのサポートをしていたのですが、開院したら、病院や社会福祉施設と連携し、そうしたサポートをしていける体制にしたいという思いもありました。そうこうしているうちに、ご縁があり、自宅から近い場所で開院できる機会に恵まれ現在に至ります。
裸眼にこだわらずメガネなどを活用し、ストレスなく見える生活を重視
遠視の場合、診療に際してどのようなことに気をつけていますか?
遠視の方は中高年になって老眼の自覚症状が出てくるまで、近くが見えないわけではないので、自分の目が遠視であることにも、無意識に無理をして近くを見ていることにも気づきにくく、放置されがちです。特にお子さまの場合は、将来的にメガネをかけてもよく見えないといった事態になることもあるので、注意が必要です。そのため、3歳児健診や保育園での健診などで、より早い段階で遠視に気づいてあげられるよう努めています。親御さまや保育園の先生などから見て、お子さまがものを見る時、見えにくそうなそぶりをしているなと感じたら、早めにご相談に来てほしいですね。
遠視のまま大人になってしまうと、無理をしてものを見るストレスが蓄積され、肩こりをはじめ、身体にさまざまな症状として出てくることもあります。現代は、遠くよりも近くを見ることが多い社会ですので、遠視に気づかずに裸眼で過ごしてきた結果、疲れをため込んでしまうのです。そういう方に対して、メガネで視力を矯正し、無理せず見えることの大切さを伝えていきたいです。
遠視のまま大人になってしまうと、無理をしてものを見るストレスが蓄積され、肩こりをはじめ、身体にさまざまな症状として出てくることもあります。現代は、遠くよりも近くを見ることが多い社会ですので、遠視に気づかずに裸眼で過ごしてきた結果、疲れをため込んでしまうのです。そういう方に対して、メガネで視力を矯正し、無理せず見えることの大切さを伝えていきたいです。
子どもの近視や乱視は、テレビやゲームのやり過ぎがよくないのでしょうか?
そうとは限りません。よく、お子さまの近視や乱視が進むと、テレビの見過ぎやゲームをやり過ぎているせいだ、と責めるケースが見られますが、眼も身体の成長に伴って大きくなるので近視化するのは当たり前のことです。
このような社会の中で、よりよく見える生活を維持していくためにメガネやコンタクトレンズを活用することは、寒い季節にジャンパーを着るのと同じことで、決して悪いことではないと考えています。そのため、親御さまに対して、お子さまを責めないようアドバイスすることもありますね。眼科の医師としては、過ぎるほどのゲームや動画の視聴はピント調節の機能に負担がかかるため、お子さまだけでなく大人の方にもほどほどにしていただきたいと思っています。
このような社会の中で、よりよく見える生活を維持していくためにメガネやコンタクトレンズを活用することは、寒い季節にジャンパーを着るのと同じことで、決して悪いことではないと考えています。そのため、親御さまに対して、お子さまを責めないようアドバイスすることもありますね。眼科の医師としては、過ぎるほどのゲームや動画の視聴はピント調節の機能に負担がかかるため、お子さまだけでなく大人の方にもほどほどにしていただきたいと思っています。
自覚症状が少ない緑内障を早期に発見するためにどんな対策をしていますか?
当院にも緑内障の方はよくいらっしゃいますので、早期発見には力を入れています。かなり進行するまで自覚症状がないこともあり、40歳を超えたら検査を受けることが国でも推奨されていますが、当院では、40代より若い方に対しても、他の症状で受診された機会をみて、緑内障の検査を受けるよう提案しています。
診断後の治療については、点眼や手術など、いくつかの選択肢がありますが、よりよい環境で治療を受けていただけるよう、年齢や進行度合いによっては、緑内障を専門としている医師にも診てもらうようお勧めしています。定期的な検査は当院で行い、クリニック間で連携し情報共有をしながら経過観察や治療を続けることが大事だと考えています。
診断後の治療については、点眼や手術など、いくつかの選択肢がありますが、よりよい環境で治療を受けていただけるよう、年齢や進行度合いによっては、緑内障を専門としている医師にも診てもらうようお勧めしています。定期的な検査は当院で行い、クリニック間で連携し情報共有をしながら経過観察や治療を続けることが大事だと考えています。
メガネやコンタクトレンズを管理する大切さを伝え、よく見えるようサポート
今度の眼科分野は、どのようなことが課題になると思いますか?
今は、医師の診察なしで何でもインターネットで購入できてしまう時代です。便利ではありますが、メガネの度数が合わないことや、コンタクトレンズの衛生管理がよくなかったことによるトラブルが増えていくのではないかと心配しています。ハードレンズは、強度の遠視や近視、乱視などの矯正に優れていますが、装用感の良いソフトレンズを患者さまが好まれる傾向が強いため、ハードレンズを処方できる眼科が年々減ってきていることも危惧しています。
そして、緑内障は今後、さらに研究が進み治療法が変わってくる可能性がある分野だと思っています。
目は日常生活を不自由なく送るために、とても重要な器官ですので、病気がないか、度数が合っているかなどを含め、できれば眼科の医師のチェックを受けることを提案します。ものがきちんと見える生活を送れるよう、正しい知識をより多くの方に知っていただくことが課題ですね。
そして、緑内障は今後、さらに研究が進み治療法が変わってくる可能性がある分野だと思っています。
目は日常生活を不自由なく送るために、とても重要な器官ですので、病気がないか、度数が合っているかなどを含め、できれば眼科の医師のチェックを受けることを提案します。ものがきちんと見える生活を送れるよう、正しい知識をより多くの方に知っていただくことが課題ですね。
最後に、今後の展望なども含め、患者さまにメッセージをお願いします。
今後も引き続き、近視・遠視・乱視などの見え方の調整や、緑内障を含む、加齢に伴う目の病気の治療に力を入れていきたいと思っています。また、近年注目されている目元の衛生管理についても、より新しい処置方法をいち早く導入したいと考えています。例えば、学会でも話題にあがっている、目元を清潔に保つためのシャンプーなどは、実際に患者さまに提案してみたところより目のトラブルが減ったと感じています。
よりよく見える生活を末長く維持するために、微力ながらお役に立ちたいと思っていますので、目の痛み・かゆみ、見え方の違和感、その他、目に関して気になることがあればいつでもご相談にいらしてください。
よりよく見える生活を末長く維持するために、微力ながらお役に立ちたいと思っていますので、目の痛み・かゆみ、見え方の違和感、その他、目に関して気になることがあればいつでもご相談にいらしてください。