
院長
玉川 祐司
取材日:2023年1月11日
玉川 祐司先生(日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医)にインタビュー
丁寧な問診とお声がけ、臨機応変な対応で患者さまの苦痛を軽減
逆流性食道炎について教えてください。診断時は何を大切にしていますか?
逆流性食道炎は、胃酸が食道内に逆流し炎症を起こす病気です。暴飲暴食・脂肪分の多い食事を摂っている方、肥満の方、ご年配で腰が曲がっている方などに起こりやすい傾向にあります。また、ストレスを感じやすい方は、胃酸が逆流したことにも敏感になりやすく、症状が強く出ることがあります。
このようにさまざまな原因があるため、まずは問診を行い、症状や不快感が普段からあるか、それによって生活に支障が出ているか、食べる量に制限が出ていないか、睡眠障害が起きていないかなど、日頃の生活習慣について詳しくお聞きすることを大切にしています。そのうえで胃酸を抑えるお薬を処方しますが、同様の症状で胃潰瘍や胃がんを発症している場合もあるので、内視鏡検査を行ってリスクを見逃さないようにしていることも大切にしていることです。
内視鏡検査はカメラ自体が細く、嘔吐反射の少ない鼻からの検査をご提案しています。患者さまによっては花粉症で鼻がむくみ検査がしづらいという場合もあるので、そういったときには口から検査をするなど臨機応変に対応しています。
このようにさまざまな原因があるため、まずは問診を行い、症状や不快感が普段からあるか、それによって生活に支障が出ているか、食べる量に制限が出ていないか、睡眠障害が起きていないかなど、日頃の生活習慣について詳しくお聞きすることを大切にしています。そのうえで胃酸を抑えるお薬を処方しますが、同様の症状で胃潰瘍や胃がんを発症している場合もあるので、内視鏡検査を行ってリスクを見逃さないようにしていることも大切にしていることです。
内視鏡検査はカメラ自体が細く、嘔吐反射の少ない鼻からの検査をご提案しています。患者さまによっては花粉症で鼻がむくみ検査がしづらいという場合もあるので、そういったときには口から検査をするなど臨機応変に対応しています。
便秘でお困りの方にも、問診を大切にされているのでしょうか?
そうです。便秘は「3日に1回しか便が出ない」など、排便回数が少ないことを指すイメージをお持ちの方が多いですが、実際は毎日排便していても残便感があったり、すっきりした感じがなかったりする場合も便秘に含まれます。そのため便秘の自覚がない方もいらっしゃいますので、排便のペースや便の形などを問診でしっかりと伺うようにしています。治療はお薬の処方と生活習慣の指導がメインです。
また便秘には、大腸にがんや炎症など何かしらの病変があって起こる器質性便秘と、そもそもの機能に問題がある機能性便秘があります。どちらの便秘かを判断するため、当クリニックでは大腸内視鏡検査を行っていますが、この検査はお尻からカメラを挿入するため、羞恥心や恐怖心がある方も多いかと思います。加えて、圧迫感や痛みを伴う場合もありますから、こまめにお声がけをすることで、リラックスして受けていただけるよう心がけています。
また便秘には、大腸にがんや炎症など何かしらの病変があって起こる器質性便秘と、そもそもの機能に問題がある機能性便秘があります。どちらの便秘かを判断するため、当クリニックでは大腸内視鏡検査を行っていますが、この検査はお尻からカメラを挿入するため、羞恥心や恐怖心がある方も多いかと思います。加えて、圧迫感や痛みを伴う場合もありますから、こまめにお声がけをすることで、リラックスして受けていただけるよう心がけています。
便秘症状がある方以外でも、大腸内視鏡検査を受けることはありますか?
当クリニックで大腸内視鏡検査を受ける方は、便秘症状でお困りの方以外に、健診の便潜血検査で陽性と診断された方などがいらっしゃいます。先ほども言いましたように、「大腸内視鏡検査は恥ずかしい」「お尻からカメラを入れるのは怖い」という印象がありますから、勇気を持って受診された方には「よく来たね!」「病気を早期に発見するチャンスだよ」などとポジティブなお声がけをしています。
便潜血陽性となると、「痔があるから」「生理中だったから仕方ない」と勘違いされる方も多いです。しかし、大腸がんがあったり大腸ポリープからの出血だったりする可能性が高いので、お早めに受診していただければと思います。大腸内視鏡検査にてポリープが見つかった際にはその場で切除しますが、サイズが大きい場合は連携病院をご紹介したり、数が多い場合は2期的・3期的と回数を分けて行ったりするなど、患者さまと相談しながら治療方針を決定しています。
便潜血陽性となると、「痔があるから」「生理中だったから仕方ない」と勘違いされる方も多いです。しかし、大腸がんがあったり大腸ポリープからの出血だったりする可能性が高いので、お早めに受診していただければと思います。大腸内視鏡検査にてポリープが見つかった際にはその場で切除しますが、サイズが大きい場合は連携病院をご紹介したり、数が多い場合は2期的・3期的と回数を分けて行ったりするなど、患者さまと相談しながら治療方針を決定しています。
他の病気が隠れていないかを丁寧に探ることで、リスクの見逃しを防ぐ
続いて、脂肪肝について教えてください。どのような治療方法がありますか?
脂肪肝は、肝臓に中性脂肪がたまった状態のことを指します。お酒をよく飲まれることが原因であることが多く、脂質異常や糖尿病を合併している方も少なくありません。中には自覚症状がなく、何かのはずみで急激に肝機能障害が進んでしまうことがあるので、高血圧症や脂質異常症、糖尿病などをお持ちの方は特に気を付けていただきたい疾患です。
治療の第1段階としてはこまめな運動を促したり、バランスの良い食事を摂っていただくようお話ししたりするなど、生活習慣の指導をしています。薬物治療は第2段階です。腹部超音波検査で脂肪肝の程度を確認したり、糖尿病を併発していないかを確認したりと集学的に診るよう心がけています。
治療の第1段階としてはこまめな運動を促したり、バランスの良い食事を摂っていただくようお話ししたりするなど、生活習慣の指導をしています。薬物治療は第2段階です。腹部超音波検査で脂肪肝の程度を確認したり、糖尿病を併発していないかを確認したりと集学的に診るよう心がけています。
ピロリ菌の除菌治療をする際に心がけていることはありますか?
ピロリ菌の治療はお薬の内服によって行います。内服薬には便が軟らかくなったりアレルギー反応が出たりする副作用があることを患者さまにしっかりとご説明し、ご理解いただいたうえで治療を行うようにしています。
ピロリ菌は胃潰瘍などの原因となる菌です。上下水道の衛生環境が十分でなかった時代に幼少期を過ごされている方の感染が多いですが、若い方でも感染されている方はいらっしゃいます。感染していてもご自分ではわかりにくいため、ABC検診などで陽性と診断され来院されるケースが多いです。
このような方に対して当クリニックでは、胃内視鏡検査を受けていただくようお願いしています。そうすることで胃がんなどの早期発見にもつながるからです。その後ピロリ菌の有無を検査し除菌治療へと進んでいく流れです。
ピロリ菌は胃潰瘍などの原因となる菌です。上下水道の衛生環境が十分でなかった時代に幼少期を過ごされている方の感染が多いですが、若い方でも感染されている方はいらっしゃいます。感染していてもご自分ではわかりにくいため、ABC検診などで陽性と診断され来院されるケースが多いです。
このような方に対して当クリニックでは、胃内視鏡検査を受けていただくようお願いしています。そうすることで胃がんなどの早期発見にもつながるからです。その後ピロリ菌の有無を検査し除菌治療へと進んでいく流れです。
幅広い疾患に対応されていますが、どのような思いで医師を志したのですか?
幼い頃に扁桃腺の病気で入院していたことがあったのですが、苦しい状況を救っていただいた先生には漠然と憧れのようなものがありました。高校時代、周囲に医学部に進学するような友人が多く、私も勉強をしていく中で人間の身体に興味を持ち医師を志すようになりました。
専門分野として消化器内科を選択した理由は、口からお尻の穴までは一つの管なのに、所々で機能や構造・役割が違って、それぞれに応じて知識を深めるのは楽しそうだなと感じたからです。また、生きていくうえで必要な「食べる」という行為に対して何らかの原因で食べられない人もいれば、食べ過ぎて困ってしまう人もいて、その点も興味深く感じました。
あとは内科分野でありながら、内視鏡を用いたポリープの切除など、外科的な処置や検査ができるところも魅力だと思っています。病変を見つけて診断できる、外科の医師に正しくつなげられるのが消化器内科の強みであり、「日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医」としての専門性を生かせる部分だと感じています。
専門分野として消化器内科を選択した理由は、口からお尻の穴までは一つの管なのに、所々で機能や構造・役割が違って、それぞれに応じて知識を深めるのは楽しそうだなと感じたからです。また、生きていくうえで必要な「食べる」という行為に対して何らかの原因で食べられない人もいれば、食べ過ぎて困ってしまう人もいて、その点も興味深く感じました。
あとは内科分野でありながら、内視鏡を用いたポリープの切除など、外科的な処置や検査ができるところも魅力だと思っています。病変を見つけて診断できる、外科の医師に正しくつなげられるのが消化器内科の強みであり、「日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医」としての専門性を生かせる部分だと感じています。
医療機関と連携し、小さなお子さまからご年配の方まで年代問わず診療
勤務医時代に学んだこと、印象に残っていることを教えてください。
臨床研修の際に内科の基礎を学んでから消化器内科の分野も学び、臨床研修期間が終わってからは母校の大学院で消化器内科の診療をしつつ、逆流性食道炎やバレット食道についての研究に携わりました。
また、縁があってテキサス大学に3年ほど留学しました。アメリカにはいろんな国籍の方がいますし、さまざまな性格の方がいらっしゃいます。ときには英語が話せない方もいました。そんな環境の中で生活していましたから、度胸が身につき、予想外なことが起きても動じないようになりましたね。留学を機に「この症状であればこの治療をする」という固定概念がなくなり、臨機応変に対応するという現在の診療方針につながりました。
また、縁があってテキサス大学に3年ほど留学しました。アメリカにはいろんな国籍の方がいますし、さまざまな性格の方がいらっしゃいます。ときには英語が話せない方もいました。そんな環境の中で生活していましたから、度胸が身につき、予想外なことが起きても動じないようになりましたね。留学を機に「この症状であればこの治療をする」という固定概念がなくなり、臨機応変に対応するという現在の診療方針につながりました。
開業したのは、より地域に密着したいという思いがあったからでしょうか?
そうですね。地域の皆さまと信頼関係を築き、気兼ねなく相談に来ていただきたいという思いで当クリニックを開院しました。これまで、小さなお子さまからご年配の方までさまざまな方との出会いがあり、家族ぐるみで来てくださる方もいました。ご家族やご親戚など、大切な方をご紹介いただけるということは、信頼関係がないとできないことなので、とても励みになっています。
また、消化器内科の医師として、胃内視鏡検査や大腸内視鏡検査を通してがんを早期に発見し、治療につなげることで多くの方をサポートしてきました。今後も、患者さまを見放さず、「病ではなく人を診る」を信条に、一人でも多くの方の健康を支えられるよう尽力していきたいと思っています。
また、消化器内科の医師として、胃内視鏡検査や大腸内視鏡検査を通してがんを早期に発見し、治療につなげることで多くの方をサポートしてきました。今後も、患者さまを見放さず、「病ではなく人を診る」を信条に、一人でも多くの方の健康を支えられるよう尽力していきたいと思っています。
最後に、このページを見ている地域の方へメッセージをお願いします。
斐川町は出雲市の東側にある地域で、体調が悪いときに市の中心部へ行くのはとても大変かと思います。そんなときには気兼ねなくご相談にいらしてください。出雲市立総合医療センターなどの医療機関と密に連携を取り、より専門的な診療ができるよう環境を整えています。また、斐川町には小児科を標榜するクリニックがないため、市役所の方と相談し、当クリニックで乳幼児の予防接種(※)を受け入れています。ベビーカーをご利用の方でも移動しやすい造りになっていますので、小さなお子さまと一緒にお越しいただければと思います。
最後になりますが、「検査を受けたほうがいいかな」と考えているのであれば一度お越しください。ためらっていると、何か病気があったときに手遅れになってしまう可能性もあります。病院に来る少しの勇気に期待していますし、ご相談にいらした方にはできるかぎりの手助けをさせていただきます。
(※)は、お住まいの市区町村によっては補助制度を利用できます。料金は料金表をご確認ください。
最後になりますが、「検査を受けたほうがいいかな」と考えているのであれば一度お越しください。ためらっていると、何か病気があったときに手遅れになってしまう可能性もあります。病院に来る少しの勇気に期待していますし、ご相談にいらした方にはできるかぎりの手助けをさせていただきます。
(※)は、お住まいの市区町村によっては補助制度を利用できます。料金は料金表をご確認ください。