
院長
遠藤 光俊
取材日:2021年12月16日
遠藤 光俊先生(日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医)にインタビュー
脳や脊髄などの一つの部位にこだわらず、全身を診る医師になるために開業
医学部を卒業後、どのような経験をされてきたのでしょうか?
脳神経外科の医師として、主に脳や脊髄、末梢神経の手術にかかわっていました。研修医の後輩や部下の教育についても力を入れてきました。遺伝子と脳の神経に関わる研究もしていました。病気でも怪我でも一度神経細胞に傷がつくとなかなか治りません。遺伝子のレベルで病気や病態を解明し、再生医療に結びつけられたらいいなと思っていました。それが遺伝子の研究をしたいと思った動機です。
研究していたのは今から30年ぐらい前のことで、当時は遺伝子の解析や遺伝子操作などの技術が始まったばかりでした。まだ研究する人がほとんどいない時代です。今は認知症や、病気で脳の神経細胞が壊れてしまったときなどに遺伝子の治療が始まりつつあります。最近、新型コロナウイルスの検査で注目されているPCR検査というのは遺伝子を増幅させて検出させる方法で行うんです。研究していた当時からずいぶん進歩したなと思いますね。
研究していたのは今から30年ぐらい前のことで、当時は遺伝子の解析や遺伝子操作などの技術が始まったばかりでした。まだ研究する人がほとんどいない時代です。今は認知症や、病気で脳の神経細胞が壊れてしまったときなどに遺伝子の治療が始まりつつあります。最近、新型コロナウイルスの検査で注目されているPCR検査というのは遺伝子を増幅させて検出させる方法で行うんです。研究していた当時からずいぶん進歩したなと思いますね。
複数の診療科で経験した後、いざ開業となったときのことを教えてください。
一般的に、医師というのは、大学病院にいると専門の医療に凝り固まってしまう傾向にあります。大学病院では特定の範囲を深く掘り下げることはできますが、幅広く自分の診療範囲を広げることは難しいんです。ですから、一般病院で仕事をしていきたいという考えがありました。ただ、一般病院でも脳と神経という狭い診療範囲しか診ることができないんですね。そこで、開業に至りました。
医者を長くやっていて痛感するのは、脳ばかり、心臓ばかりといったようにひとつの診療を診ているだけでは十分ではないということです。脳と神経を診ているだけでは、患者さんの全体像を診ることができないわけです。「腰が痛い」としても、お腹の病気が隠れていることもあります。「頭が痛い」「足が痺れる」としても、脳の病気や糖尿病などの他の病気が隠れている場合もあります。患者さんの困っていることを受け止めるのは、やはり開業医でないと難しいなと思います。全身を診る医師になるために、開業したというのが大きな理由です。
医者を長くやっていて痛感するのは、脳ばかり、心臓ばかりといったようにひとつの診療を診ているだけでは十分ではないということです。脳と神経を診ているだけでは、患者さんの全体像を診ることができないわけです。「腰が痛い」としても、お腹の病気が隠れていることもあります。「頭が痛い」「足が痺れる」としても、脳の病気や糖尿病などの他の病気が隠れている場合もあります。患者さんの困っていることを受け止めるのは、やはり開業医でないと難しいなと思います。全身を診る医師になるために、開業したというのが大きな理由です。
開業医として、これは大切にしているということはありますか?
医師になって40年以上経ち、開業医として大事なのは「強み」や「専門性」だなと感じています。私の場合脳神経外科と脊髄外科、認知症というのが強みですが、それらの強みや専門性を大事にしながら、特定の部位だけでなく、全身を診ることができる医師でありたいと考えています。「お腹が痛い」「腰が痛い」「膝が痛い」など、色々な症状を訴える患者さんの背景には、肺がんやお腹の腫瘍があることもあります。体全体を診ていこうとすると、そういった隠れた病気が意外と発見できるものです。
医療業界においては、治療が困難な病気に最先端の医療で治療をしていく医師ももちろん必要です。しかし、ある程度の専門性を持った上で、患者さん一人について、病気がないかを診ていくことができる医師の存在も大切だと思います。そういう医師を志して開業医になり、現在まで勉強を続けてきましたが、これで終わりということはありませんね。私自身、向上していかなければいけないなと思っています。実際、勉強に飽きることはないですし、いつまでもやりがいを感じています。
医療業界においては、治療が困難な病気に最先端の医療で治療をしていく医師ももちろん必要です。しかし、ある程度の専門性を持った上で、患者さん一人について、病気がないかを診ていくことができる医師の存在も大切だと思います。そういう医師を志して開業医になり、現在まで勉強を続けてきましたが、これで終わりということはありませんね。私自身、向上していかなければいけないなと思っています。実際、勉強に飽きることはないですし、いつまでもやりがいを感じています。
整形外科系の不調に脳神経の病気が隠れていることも。MRI検査も行い、診断を
脳神経外科の医師として「認知症」の診療で心がけていることは何ですか?
認知症はご存じの通り、完治することはできません。いまの医学のレベルではできることは限られています。医師としてやるべきことは、看護師や社会福祉士など色々な人の力を借りてケアしていくことです。開業医として求められることは、認知症にも色々な種類があることを理解し、診断をしていくことだと考えています。
もの忘れ症状があったとしても、認知症ではない病気のこともあれば、治療次第で症状を軽減させることができる病気のこともあります。うちのクリニックではMRI検査も活用しながら、しっかり診断をしています。「これは単なる認知症だよ」ということでは終わらせないことが肝心です。なかには、大学病院を紹介しなければいけない患者さんも当然いますから、そこは臨機応変に対応しています。
もの忘れ症状があったとしても、認知症ではない病気のこともあれば、治療次第で症状を軽減させることができる病気のこともあります。うちのクリニックではMRI検査も活用しながら、しっかり診断をしています。「これは単なる認知症だよ」ということでは終わらせないことが肝心です。なかには、大学病院を紹介しなければいけない患者さんも当然いますから、そこは臨機応変に対応しています。
先生も力を入れていらっしゃる「パーキンソン病」とはどんな病気ですか?
パーキンソン病も非常に患者数が多い病気です。一般にも広く知られるようになってきました。実際に、パーキンソン病ではないかと来院する患者さんもいます。でも、実は別の病気ということも結構あるんです。また、意外にも見逃されていることも多いですね。手足が痺れる、手が動きにくい、歩きにくいなどの症状があり、整形外科的な病気だと思って来院して、実はパーキンソン病だったということもあります。一方で、脳腫瘍や脊髄の病気や、末梢神経の病気など、あらゆる可能性があります。パーキンソン病が疑われる場合もしっかり診断をすることが重要かと思います。
「片頭痛」を訴える患者さんにはどんな治療をしていきますか?
片頭痛を訴える患者さんも非常に多いですが、最近は薬が色々と開発されていて、ほとんどの人は薬でよくなります。仕事ができなくなるほどひどい患者さんもいますが、だいたいの人は薬でなんとか乗り切っていくことができます。ただ、片頭痛だと思って来た患者さんに脳腫瘍が見つかることも意外にあるんです。だから、なんともなさそうに見える患者さんでもMRI検査は必須なんです。日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医が、頭痛を訴える患者さんに検査もしないで帰して、結果、脳腫瘍がありましたということであれば大問題だと思います。そういうことがないよう、きちんと診断していくことが大切だと思っていますね。
脳神経外科の専門性を磨き続け、総合的に患者さんの訴えの原因を見極める
開業医として患者さんにどのような医療を提供したいと考えていますか?
あちこちに痛みがあって、内臓に病気があるんじゃないかと心配して複数の医療機関で「なんでもない」と言われてきた患者さんも少なくありません。大きい病院では、お腹を専門とする医師だったらお腹を、脳を専門とする医師だったら脳をという風に、それぞれの医師の専門で患者さんの体を診ることになるために、患者さんがたらいまわしにされてしまう可能性もゼロではありません。そういった状況を避けるために、患者さんの痛いという症状に対して、一人の医師として体の全てを診ることを目指していきたいと考えています。
一人の患者さんに寄り添って幅広く診ることができる医師となれるよう、これからも自分自身をブラッシュアップさせていきたいですね。自分の強みは脳と脊髄、神経が専門で、そこは自信を持って診断、治療をしています。その上で、全身を診ていく。専門医であるという強みを持った上で総合的に患者さんのすべての訴えを聞いていくことができる医師になりたいと考えています。
一人の患者さんに寄り添って幅広く診ることができる医師となれるよう、これからも自分自身をブラッシュアップさせていきたいですね。自分の強みは脳と脊髄、神経が専門で、そこは自信を持って診断、治療をしています。その上で、全身を診ていく。専門医であるという強みを持った上で総合的に患者さんのすべての訴えを聞いていくことができる医師になりたいと考えています。
最後に、これだけは患者さんに伝えたいというメッセージはありますか?
「頭が痛い」「手足が痺れる」など体の違和感や不調があれば、気兼ねなく相談に来てほしいということに尽きますね。原因がわからない痛みや診断の難しい外傷なども含めて、不安な症状については、詳しく検査を行うことが大切です。うちのクリニックではMRIやCT、レントゲン、心電計、超音波画像診断装置、骨密度測定装置を備えているので、あらゆる検査に対応できます。検査は予約の必要もありません。結果もその日のうちに聞くことができます。検査から治療までひとつのクリニックでできるというのは大きなメリットじゃないかなと思いますね。
また、検査と同じぐらい大切にしていることは患者さんの訴えにしっかりと耳を傾けることです。日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医として、患者さんの健康をサポートしていきたいと考えています。
また、検査と同じぐらい大切にしていることは患者さんの訴えにしっかりと耳を傾けることです。日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医として、患者さんの健康をサポートしていきたいと考えています。