
三浦 健先生(日本神経学会認定 神経内科専門医)にインタビュー
生活習慣の指導も含め、トータルな診療を提供
どのような病気であっても、発症しないに越したことはありません。そのため私は、「日本内科学会認定 総合内科専門医」および「日本神経学会認定 神経内科専門医」として総合的な健康管理を行うことで、脳卒中を始めとする病気の予防・早期発見を目指しています。生活習慣の見直しには、皆さま一人ひとりの努力も必要となりますので、日々の健康管理で不明点やお悩みがあれば、何でもご相談いただければ幸いです。
また、仮に症状が出た後であっても、生活習慣の見直しに加えてお薬での治療が可能です。脳梗塞のタイプや動脈硬化の場所によって、お薬を使い分けながら治療してまいります。
片頭痛は頭痛が繰り返し起きることが特徴です。「目の前がチカチカとまぶしくなる」「大きな音で痛みがひどくなる」などの症状を併発することがあるため、診断の際はそこが見極めのポイントになります。そのほか、ストレスや肩こり、姿勢、生活習慣などが関連する緊張型頭痛や、痛み止めの飲み過ぎによる薬物乱用性頭痛、耳の後ろあたりが瞬間的に痛くなる後頭神経痛など、頭痛の種類は本当にさまざまです。
患者さまの話が治療の糸口を見つけるきっかけとなりますので、お話を丁寧に伺うようにしています。そのため、患者さまが話しやすい雰囲気作りを大切にしています。また、頭痛日記なるものの記録をお願いしており、普段どのような時に痛くなり、どのような症状が起こるか、月に何回頭痛が起こるかなどを書き留めることで、お薬の選択など治療方針の構築に役立てています。
片頭痛の場合、主にトリプタン系の薬剤を使用します。月に10回以上という高い頻度で頭痛が起こる場合は、合わせて痛みの発生を予防するお薬を処方することも可能です。そのほか、緊張型頭痛には肩こりのお薬、後頭神経痛には神経の高揚を抑えるお薬を併用するなど、頭痛の種類に応じたものを処方し、症状の緩和を目指します。
頭痛の鑑別は、問診や神経診察、頭部CT検査などで行います。頭痛の症状がある場合、実は脳出血や脳腫瘍である可能性もあるため、まずは各種検査で状態をしっかり把握することが大切です。検査の結果、もし異常が見つかった場合でも緊急対応できる提携病院へ案内できますので、症状に心当たりがありましたら、まずはご来院・ご相談いただきたいです。
患者さまやそのご家族のことも考えて、親身な診療を目指す
パーキンソン病は進行性の病気であるため、早期発見・早期治療が特に大切です。現在はパーキンソン病用の治療薬も研究が進み、早くから治療を開始することで、症状を緩和して良い状態を維持できる可能性があります。
当クリニックでは患者さまのお話をしっかりと聞いた上で、神経診察を行うことでパーキンソン病を診断します。必要に応じて、より詳しい検査ができる近隣の提携病院を紹介できますが、結果説明や治療などは当クリニックで行うことが可能です。
認知症など病的なものであると診断する際には、「もの忘れが日常生活にどれ程の影響が出ているのか」が、一つの指標であると考えています。端的には、日常生活に支障が出るレベルの場合は認知症などが疑わしいです。「財布や鍵をなくしてしまった」「同じことを繰り返し言う」「同じ物を買ってきてしまう」などはありがちなエピソードですが、そのようなトラブルの内容を本人が思い出せないという時は注意が必要です。
もの忘れ以外にも、認知症に見られる症状として、性格が変わって怒りやすくなったり、被害妄想が強くなったり、ソワソワしたり、幻覚が見えたり…といったことがあります。このような症状について自分やご家族で心配な場合は、一度ご相談ください。
残念なことに、認知症を根本的に治療することはできません。そのため、お薬で症状の進行を抑制することが主な方針になります。また、お薬以外にも生活環境の見直しも大切です。場合によってはデイケアやデイサービスをご案内することもできますので、興味があるという場合はご相談いただければと思います。
また認知症ではなく、甲状腺機能異常やビタミン欠乏、脳出血、水頭症など治療可能なもの忘れの病気もあります。もの忘れが心配でしたら一度、検査を受けてみるのがいいでしょう。
患者さま一人ひとりに親身に向き合える、通いやすい環境作りを目指す
頭痛・めまい・もの忘れなどは、原因として脳出血が関係していることもあるため早急な治療が必要ですが、当クリニックではCTによる速やかな検査・診断が行えます。また、脳の形や萎縮、古い脳梗塞についても調べられ、認知症の診断にも役立ちます。しかし、CT検査では発症直後の脳梗塞や小さい脳梗塞、脳腫瘍については確認できないことが多く、認知症を精査する際もMRI検査・脳血流シンチグラフィーなど、追加検査が必要となる場合もあります。
また、頸動脈・心臓・腹部・甲状腺の検査にはエコーを活用し、脳卒中の予防や生活習慣病の診断に役立てています。検査結果は担当医師より丁寧にご説明させていただきますので、ご不明点や不安なことなども、遠慮なくお話しいただきたいと思います。
まだ検討している段階ではありますが、オンライン診療や、オンラインでクリニックと共有できる血圧管理のシステム、WEB問診などの導入などによって、患者さまが利用しやすい環境作りに力を入れて行きたいです。もちろん、診療の質も向上を目指し、より良い診療ができるように日々研さんしてまいります。
また、「日本神経学会認定 神経内科専門医」として脳・神経の治療にも注力しております。地域の皆さまが認知症などについて不安を感じた時に、思い出していただけるような存在になりたいです。
一人ひとりの不安な気持ちに寄り添った上で、ご納得いただける医療提供を目指しております。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。