多焦点眼内レンズにも対応。複数の治療法の提案を大切にする医師
院長
古谷 達之
取材日:2021年9月6日
古谷 達之先生(日本眼科学会認定 眼科専門医)にインタビュー
「日本眼科学会認定 眼科専門医」として多くの知識や経験を活かし診断を行う
お父さまも開業医だったそうですが、医師を目指す上で影響はありましたか?
父は産婦人科の開業医をしており、自宅の敷地内に産婦人科の診療所があったので、小さな頃から、家のドアを開けたら新生児の泣き声が聞こえてくるような環境の中で育ちました。
手術着に着替えた父の姿も家の中で頻繁に見ていたので、子どもの頃から、自分にとって医療はとても身近な存在でしたね。患者さまと接する父の姿を間近に見て育ったことは、仕事を選ぶ上で少なからず影響を受けたかもしれません。逆に言うと、医師の仕事以外は見たことがありませんでしたから、他の仕事についてはよくわからないという、ちょっと特殊な状況の中で育ったと思います。
具体的に医師を志したのは、高校生の時でした。中学・高校は寮生活だったので、初めて自宅から離れたところで暮らすことになりました。慣れ親しんだ環境を離れ、新しく出会った友人たちと生活を共にする中で、改めて将来の職業について考える時間を持つことができました。そのような中、やはり自分は将来父のような地域の患者さまに貢献できるような医師になりたいという思いが強くなり、医師になることを決意しました。
手術着に着替えた父の姿も家の中で頻繁に見ていたので、子どもの頃から、自分にとって医療はとても身近な存在でしたね。患者さまと接する父の姿を間近に見て育ったことは、仕事を選ぶ上で少なからず影響を受けたかもしれません。逆に言うと、医師の仕事以外は見たことがありませんでしたから、他の仕事についてはよくわからないという、ちょっと特殊な状況の中で育ったと思います。
具体的に医師を志したのは、高校生の時でした。中学・高校は寮生活だったので、初めて自宅から離れたところで暮らすことになりました。慣れ親しんだ環境を離れ、新しく出会った友人たちと生活を共にする中で、改めて将来の職業について考える時間を持つことができました。そのような中、やはり自分は将来父のような地域の患者さまに貢献できるような医師になりたいという思いが強くなり、医師になることを決意しました。
眼科の医師になられた理由や開業の経緯について教えていただけますか?
今後、日本は高齢化社会が進んでいくことが予想されます。そんな時代の変化の中、医師として何ができるだろうかと考えた上で、眼科を選びました。眼科であれば、疾患にもよりますが、手術によって患者さまの視力の改善に大きく貢献することができるので、やりがいがある診療科だなあと感じたからです。
勤務医時代、いろいろな病院に勤務しましたが、中でも「埼玉県済生会川口総合病院」には長く勤めました。地域中核病院の眼科部長を務めさせて頂き、診療から手術まで大きな責任を伴いとても大変でしたが、その様々な経験すべてが糧となり、今の自分の力に繋がっていると思います。
開業にあたって大田区中央という場所を選んだのは、副院長の祖父が1970年に開業した「観音通り中央医院」があり、もともとご縁のある地だったためです。内科疾患で通院している患者さまの中にも眼科通院が必要な方が多くいらっしゃると聞き、地域の皆さまの健康維持に貢献することができればと思い、「観音通り中央医院」と同じ建物の3階に開業致しました。
勤務医時代、いろいろな病院に勤務しましたが、中でも「埼玉県済生会川口総合病院」には長く勤めました。地域中核病院の眼科部長を務めさせて頂き、診療から手術まで大きな責任を伴いとても大変でしたが、その様々な経験すべてが糧となり、今の自分の力に繋がっていると思います。
開業にあたって大田区中央という場所を選んだのは、副院長の祖父が1970年に開業した「観音通り中央医院」があり、もともとご縁のある地だったためです。内科疾患で通院している患者さまの中にも眼科通院が必要な方が多くいらっしゃると聞き、地域の皆さまの健康維持に貢献することができればと思い、「観音通り中央医院」と同じ建物の3階に開業致しました。
「日本眼科学会認定 眼科専門医」を取得してよかったと思う点は何ですか?
「日本眼科学会認定 眼科専門医」を取得してよかったと感じるのは、資格試験を受けるために、馴染みのない疾患まで網羅して勉強する機会を持てたということです。普段あまり診る機会のない希少な疾患についても学ぶことができたので、自分の知識を系統立って整理することができました。
患者さまの症状や検査結果からさまざまな疾患の可能性を考え診断をする訳ですが、その時に多くの引き出しを持っているかどうかが診断・治療をしていく上で役に立つと思います。勉強した知識が頭の中できちんと整理されていないと、「この病気かもしれない」という可能性を考え、調べることもできません。もちろん、「日本眼科学会認定 眼科専門医」の資格を維持していくためには、今後も勉強を続けていかなければなりません。そういったことを考えると、取得してよかったと思いますね。
患者さまの症状や検査結果からさまざまな疾患の可能性を考え診断をする訳ですが、その時に多くの引き出しを持っているかどうかが診断・治療をしていく上で役に立つと思います。勉強した知識が頭の中できちんと整理されていないと、「この病気かもしれない」という可能性を考え、調べることもできません。もちろん、「日本眼科学会認定 眼科専門医」の資格を維持していくためには、今後も勉強を続けていかなければなりません。そういったことを考えると、取得してよかったと思いますね。
患者さまの要望に合わせた治療法を提案するため、選択肢を数多く用意する
白内障の治療にはどのような選択肢があるのか教えていただけますか?
白内障の原因はさまざまですが、中でも1番多い原因は加齢性白内障です。高齢化社会が進む中、白内障になる方は今後さらに増えていく可能性が考えられます。
当院では、主に水曜日に日帰りによる白内障手術を行っています。白内障は、水晶体が濁ることで視界がかすむ、ぼやける、物が二重に見える、視力が低下する、まぶしさを感じるといった症状が現れます。手術は、濁っている水晶体を取り除き、代わりに眼内レンズを挿入します。患者さまのライフスタイルに合わせ、治療の選択肢をできるだけ増やしたいという思いから、当院では単焦点眼内レンズに加え、多焦点眼内レンズ(※)も扱っています。白内障が診られても、視力が下がっておらず、日常生活に支障がない場合は、無理に手術を選択する必要はありません。手術をするかしないか、するにしてもいつ頃が望ましいのか、患者さまと相談しながら治療の時期・治療方針を一緒に考えていきたいと思っています。
(※)は選定療養です。料金は料金表をご確認ください。
当院では、主に水曜日に日帰りによる白内障手術を行っています。白内障は、水晶体が濁ることで視界がかすむ、ぼやける、物が二重に見える、視力が低下する、まぶしさを感じるといった症状が現れます。手術は、濁っている水晶体を取り除き、代わりに眼内レンズを挿入します。患者さまのライフスタイルに合わせ、治療の選択肢をできるだけ増やしたいという思いから、当院では単焦点眼内レンズに加え、多焦点眼内レンズ(※)も扱っています。白内障が診られても、視力が下がっておらず、日常生活に支障がない場合は、無理に手術を選択する必要はありません。手術をするかしないか、するにしてもいつ頃が望ましいのか、患者さまと相談しながら治療の時期・治療方針を一緒に考えていきたいと思っています。
(※)は選定療養です。料金は料金表をご確認ください。
お子さまの弱視や斜視の治療を行う上で大切なことは何でしょうか?
眼鏡やコンタクトレンズを使って矯正しても視力を十分に得られないことを「弱視」と言います。物を見る力は、生まれた時から備わっているものではありません。ピントが合った状態で物を見続けることで視力が発達していくのです。しかし、遠視、乱視、斜視などがあると、目で見た像を脳に正しく伝える訓練ができず、視力の発達が妨げられてしまい、そのために弱視となってしまうのです。
弱視は治療可能なタイムリミットがあるため、早期に発見することが大切です。7~8歳までに見つけてトレーニングしなければ、それ以降、いくら訓練しても視力の改善は見込めません。3歳時健診などでも視力のスクリーニング検査は行いますが、健診で異常を指摘されないお子さまもいらっしゃいます。お子さま自身が「見えにくい」と言葉で表現することはほぼ見込めませんので、親御さまがお子さまの様子を注意深く観察することが大切です。目を細める、頭を傾けて物を見る、両目の位置がずれている、片目を隠したときに嫌がるなど、少しでも気になることがあれば早めにご相談ください。
弱視は治療可能なタイムリミットがあるため、早期に発見することが大切です。7~8歳までに見つけてトレーニングしなければ、それ以降、いくら訓練しても視力の改善は見込めません。3歳時健診などでも視力のスクリーニング検査は行いますが、健診で異常を指摘されないお子さまもいらっしゃいます。お子さま自身が「見えにくい」と言葉で表現することはほぼ見込めませんので、親御さまがお子さまの様子を注意深く観察することが大切です。目を細める、頭を傾けて物を見る、両目の位置がずれている、片目を隠したときに嫌がるなど、少しでも気になることがあれば早めにご相談ください。
加齢黄斑変性症とはどのような症状が現れる病気なのでしょうか?
加齢黄斑変性症とは、網膜の中心にある黄斑という場所に障害が起き、視機能の低下が起きる病気です。視力が低下する、視野の中心が暗くなる、ゆがむといった症状が現れ、治療をせずに病気が進行すると、失明する恐れもあります。
加齢黄斑変性症は、おもに加齢が原因で発症しますが、肥満・高血圧症・脂質異常症といった生活習慣病も原因のひとつと考えられています。以前は日本人には少ない病気でしたが、近年は食生活の欧米化により日本でも増えている病気です。また、強度近視の方も、近視性の黄斑症を起こしやすいので注意が必要です。
60歳以上の方、近視の強い方は、ときどきご自身で片眼をふさいで、片眼ずつの見え方のチェックをしてみるとよいでしょう。少しでも見え方がおかしいと思われましたら早めにご相談ください。当クリニックでは、病気の悪化を防ぐために抗VEGF療法という注射による治療をご提案することができます。
加齢黄斑変性症は、おもに加齢が原因で発症しますが、肥満・高血圧症・脂質異常症といった生活習慣病も原因のひとつと考えられています。以前は日本人には少ない病気でしたが、近年は食生活の欧米化により日本でも増えている病気です。また、強度近視の方も、近視性の黄斑症を起こしやすいので注意が必要です。
60歳以上の方、近視の強い方は、ときどきご自身で片眼をふさいで、片眼ずつの見え方のチェックをしてみるとよいでしょう。少しでも見え方がおかしいと思われましたら早めにご相談ください。当クリニックでは、病気の悪化を防ぐために抗VEGF療法という注射による治療をご提案することができます。
大切なのは治療の時期を逃さないこと。早期発見に力を入れる
今後、どういった治療を取り入れていきたいと考えていますか?
白内障や加齢黄斑変性症は、今後も新しい治療方法がどんどん出てくると思います。私も日々研鑽を積み、クリニックにもどんどん取り入れていきたいと考えています。できるだけ多くの治療方法をご提示し、その中から選んでいただくようにすれば、患者さまにとってもメリットが大きいのではないかと思うからです。
とはいえ、治療の選択肢が増えれば増えるほど、患者さまも選ぶのが難しくなるかと思います。患者さまが納得のいく治療方法を選択できるように、できるだけ丁寧に説明をいたしますし、ゆっくりと時間をかけ、患者さまとご相談していければと考えています。
「日本眼科学会認定 眼科専門医」として、わかりやすく説明していきますので、まずは何でも気兼ねなくご相談いただければ幸いです。
とはいえ、治療の選択肢が増えれば増えるほど、患者さまも選ぶのが難しくなるかと思います。患者さまが納得のいく治療方法を選択できるように、できるだけ丁寧に説明をいたしますし、ゆっくりと時間をかけ、患者さまとご相談していければと考えています。
「日本眼科学会認定 眼科専門医」として、わかりやすく説明していきますので、まずは何でも気兼ねなくご相談いただければ幸いです。
治療を行う上で大切だと考えていることがあれば教えてください。
白内障、加齢黄斑変性症、緑内障など、どの疾患も、できるだけ早期に発見をして治療に結び付けることが何よりも大切だと考えています。緑内障は、何らかの原因で視神経に障害が起き、進行すると視野が狭くなる、欠けるといった症状が現れる病気です。初期には自覚症状が現れず、視野が欠けてからでは治療で改善することが難しい病気のため、治療開始の機会を逃さないことが大切です。当クリニックにも、お勤め先や自治体の健診で、緑内障の可能性を指摘されたという方が多くご来院されます。健診で指摘されることがございましたら、早めにご相談ください。
また、白内障も長い時間をかけて徐々に進行することが多い病気のため、「見えづらい」という自覚症状が乏しい方も少なくありません。白内障は手術で視力の改善が期待できる病気ではありますが、手術にふさわしい時期を逸してしまうと、手術自体の難しさが上がり、術後の合併症のリスクが高くなりますので、緑内障と同様に、早い段階でご来院頂くことが大切です。
また、白内障も長い時間をかけて徐々に進行することが多い病気のため、「見えづらい」という自覚症状が乏しい方も少なくありません。白内障は手術で視力の改善が期待できる病気ではありますが、手術にふさわしい時期を逸してしまうと、手術自体の難しさが上がり、術後の合併症のリスクが高くなりますので、緑内障と同様に、早い段階でご来院頂くことが大切です。
最後に患者さまに向けてメッセージをお願いできますでしょうか?
「他の医師の意見を聞きに行くのは申し訳ない」と思っている患者さまも多いようなのですが、もし私の話を聞いて納得できないことがあれば、遠慮なく他の医師の意見も聞いてみてください。たとえば、当クリニック内であれば、私ではなく副院長の診療を受けてみるのもいいと思います。男性、女性という性別の違いもありますし、これまでの経験も違いますので、違った方面からお話をすることができるかもしれません。
また、他の医療機関の先生の意見を聞いてみたいということであれば、いつでも紹介状を書きますので、遠慮なくおっしゃってください。他の先生の意見を聞いた後で、また当クリニックに戻っていただいてもかまいません。いろいろな先生のお話を聞いて、患者さまご自身に心から納得していただくことが何よりも大切だと考えています。
また、他の医療機関の先生の意見を聞いてみたいということであれば、いつでも紹介状を書きますので、遠慮なくおっしゃってください。他の先生の意見を聞いた後で、また当クリニックに戻っていただいてもかまいません。いろいろな先生のお話を聞いて、患者さまご自身に心から納得していただくことが何よりも大切だと考えています。