
院長
石井 久仁子
取材日:2021年9月7日
石井 久仁子先生(日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医)にインタビュー
勤務医時代に苦労した経験が、学びとなり今につながっている
幼少期の思い出や、医師になったきっかけを教えてください。
子どもの頃は、おてんば娘でしたね。男の子に混ざってドッジボールや縄跳び、ゴム飛びなんかで遊んでいました。どちらかという勉強はあまり好きではなく、外で遊ぶのが好きな活発な性格だったと思います。
最終的に医師になろうと決めたのは、高校3年生の時です。父にすすめられたのが大きいですね。「医療職は性別や時代にかかわらず人の役に立つもの」だといわれて、薬学部か医学部のどちらかに進もうと決めました。でも、小学生の頃の作文にも「将来はお医者さんになりたい」と書いていたんですよ。うちは医者の家系ではないですし、なんでその時そう書いたのかは覚えてないんですが、その頃から「医者になる」ことは一つの選択肢としてあったみたいです。
最終的に医師になろうと決めたのは、高校3年生の時です。父にすすめられたのが大きいですね。「医療職は性別や時代にかかわらず人の役に立つもの」だといわれて、薬学部か医学部のどちらかに進もうと決めました。でも、小学生の頃の作文にも「将来はお医者さんになりたい」と書いていたんですよ。うちは医者の家系ではないですし、なんでその時そう書いたのかは覚えてないんですが、その頃から「医者になる」ことは一つの選択肢としてあったみたいです。
その後医学部に合格し、どのような学生生活を過ごされたのでしょうか?
学生時代は、楽しかった思い出が多いですね。合唱部に所属してピアノの伴奏を担当していたことが、いい思い出として記憶に残っています。その頃は、女性で医学部に進む人は今より少なく、女性向けのサークルなどはほとんどなかったんですよ。それもあって、バスケ部やサッカー部、自動車部などの友達に混ざって、運動をしたりドライブをしたりといろいろ遊びました。
もちろん、試験前には友人と一緒に勉強に励みましたよ。でも「つらかった」という記憶はないですね。「みんなで試験に受かってみんなで医者になろう」という仲間意識が強かったからだと思います。試験に出そうな問題をみんなで確認するなど、同級生と協力して目標に向かえたので、楽しかった思い出ばかりです。
もちろん、試験前には友人と一緒に勉強に励みましたよ。でも「つらかった」という記憶はないですね。「みんなで試験に受かってみんなで医者になろう」という仲間意識が強かったからだと思います。試験に出そうな問題をみんなで確認するなど、同級生と協力して目標に向かえたので、楽しかった思い出ばかりです。
消化器内科の医師を目指した理由や、資格を取得した理由を教えてください。
はじめは、消化器内科ではなく循環器内科に入ったんです。その後、結婚や出産などを経験し、縁があって消化器内科に入りました。消化器内科では、難しい症例などもいろいろ任されたので、「苦労しなかった」といえばウソになります。でも今考えると、そうやっていろいろな経験をさせてもらったからこそ、今があるんだと感じます。
「日本消化器病学会認定 消化器病専門医」「日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医」の資格は、そうやってさまざまな症例の経験を積んだ頃に取得しました。取得してよかったと思うのは、患者さまがクリニックを選ぶ際の基準になることでしょうか。資格を取得していることで、より不安なく患者さまに治療を受けていただけるのは、うれしいことだと感じます。
「日本消化器病学会認定 消化器病専門医」「日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医」の資格は、そうやってさまざまな症例の経験を積んだ頃に取得しました。取得してよかったと思うのは、患者さまがクリニックを選ぶ際の基準になることでしょうか。資格を取得していることで、より不安なく患者さまに治療を受けていただけるのは、うれしいことだと感じます。
「胃内視鏡検査はつらい」というイメージを変え、早期発見を目指す
ピロリ菌の除菌治療について、患者さまに伝えたいことはありますか?
「胃がんのリスクにつながるので、早い段階で除菌をしましょう」ということですね。ピロリ菌に感染している方は、2年に1度くらい検査をしてほしいなと思います。
バリウム検査などでピロリ菌感染が疑わしいと診断された場合、ピロリ菌の検査をし、陽性であれば抗菌剤の内服による治療を行います。飲んでいただく期間は一週間ほどです。その後、1ヵ月ほどしてからちゃんと除菌できているかどうかをチェックするのですが、多くの場合はその時点で除菌ができています。治療期間としては検査から除菌完了まで数ヵ月かかるのですが、通院していただく回数は1、2回ほどですので、患者さまの通院の負担はそこまでないと思います。
バリウム検査などでピロリ菌感染が疑わしいと診断された場合、ピロリ菌の検査をし、陽性であれば抗菌剤の内服による治療を行います。飲んでいただく期間は一週間ほどです。その後、1ヵ月ほどしてからちゃんと除菌できているかどうかをチェックするのですが、多くの場合はその時点で除菌ができています。治療期間としては検査から除菌完了まで数ヵ月かかるのですが、通院していただく回数は1、2回ほどですので、患者さまの通院の負担はそこまでないと思います。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍は、どのような症状で来院される方が多いのでしょうか?
空腹時のおなかの痛みで来院される方がほとんどですね。胃潰瘍も十二指腸潰瘍も、症状としては似ているんですよ。どちらもみぞおちの痛みが主な症状で、そのほかに嘔吐や食欲不振などがあります。検査をする際は、死角になるような箇所も含めて、好発部位を見逃さないように細心の注意を払っています。
ただ、症状の度合いと、患者さまの感じ方は、必ずしも一致していません。潰瘍の改善後は「瘢痕(はんこん)」といって痕が残るんですが、胃カメラでそれを見つけて「前に胃潰瘍になったことがあるんですね」と患者さまにお伝えしても、「記憶にないです」といわれることもめずらしくないんです。多分、市販のお薬などを飲んでいるうちに改善したんでしょうね。でも、胃潰瘍も十二指腸潰瘍も、どちらもピロリ菌との関連が指摘されている病気です。ストレスなどが原因になることもありますが、ピロリ菌が関連していた場合は胃がんのリスクもありますので、ぜひ一度検査を受けてほしいと思っています。
ただ、症状の度合いと、患者さまの感じ方は、必ずしも一致していません。潰瘍の改善後は「瘢痕(はんこん)」といって痕が残るんですが、胃カメラでそれを見つけて「前に胃潰瘍になったことがあるんですね」と患者さまにお伝えしても、「記憶にないです」といわれることもめずらしくないんです。多分、市販のお薬などを飲んでいるうちに改善したんでしょうね。でも、胃潰瘍も十二指腸潰瘍も、どちらもピロリ菌との関連が指摘されている病気です。ストレスなどが原因になることもありますが、ピロリ菌が関連していた場合は胃がんのリスクもありますので、ぜひ一度検査を受けてほしいと思っています。
胃がんの早期発見にも力を入れていらっしゃるそうですね。
はい、胃がんはがんの中でも死亡数・患者数ともに上位ですので、できるだけ早期に発見して、重症化する前に治療につなげたいと思っています。初期では自覚症状がほとんどないことが発見が遅れる理由の一つかと思いますが、胃内視鏡検査をすれば診断につなげることができます。
ただ、胃内視鏡検査に対し「苦しい」「つらい」というイメージをお持ちの方も多いですよね。「検査が敬遠されている」というのも、発見が遅れる理由の一つだと思います。だからこそ当クリニックでは「できるだけやさしく丁寧に、苦しくないように検査をする」ことを大切にしています。「思ったよりつらくなかった」「これくらいなら早期発見のために定期的に受けてもいいかな」と思ってもらえるように、ネガティブなイメージを払しょくできる検査に努めています。
ただ、胃内視鏡検査に対し「苦しい」「つらい」というイメージをお持ちの方も多いですよね。「検査が敬遠されている」というのも、発見が遅れる理由の一つだと思います。だからこそ当クリニックでは「できるだけやさしく丁寧に、苦しくないように検査をする」ことを大切にしています。「思ったよりつらくなかった」「これくらいなら早期発見のために定期的に受けてもいいかな」と思ってもらえるように、ネガティブなイメージを払しょくできる検査に努めています。
内視鏡検査に携わる医師として、早期胃がんの発見に力を注ぐ
医師として、今後力を入れていきたいことはありますか?
今後も引き続き胃がんの早期発見に力を入れていきたいと思っています。内視鏡検査をやるものとして、「とにかく早く胃がんを見つけること」は常に頭に置いている目標です。そのために、苦しさの少ない検査に努めるとともに、たくさんの患者さまに対応できる環境づくりにも力を入れていきたいと思っています。
今は、市区町村の検診に胃内視鏡検査が含まれていることも多くなっています。これまで検査を受けるタイミングがなかなかなかった方などは、そういった制度を利用して、ぜひ一度受けてみてほしいですね。
今は、市区町村の検診に胃内視鏡検査が含まれていることも多くなっています。これまで検査を受けるタイミングがなかなかなかった方などは、そういった制度を利用して、ぜひ一度受けてみてほしいですね。
内視鏡内科の医師として、医療業界で注目していることを教えてください。
内視鏡検査システムは年々進化していますので、より簡単に、より詳細に検査ができるシステムの開発に期待したいですね。例えば現在は、正常な粘膜と炎症のある粘膜のわずかな色の違いを見分けることで、早期がんの発見につなげています。色調拡張技術などにより、この色の違いをより鮮明に強調するシステムは日々研究が行われておりますので、技術が進めば今よりももっと早期にがんを発見することができ、早期治療につなげられると考えています。
最後に、患者さまへのメッセージをお願いします。
「胃内視鏡検査は苦しい」というイメージがあるかと思いますが、麻酔を使ってつらさを軽減することなども可能ですので、ぜひ一度受けてみてください。当クリニックでは、負担の少ない胃内視鏡検査に努めています。患者さまに「こんなにつらいなら二度と検査したくない」と思わせてしまい胃がんの発見が遅れる、という状況を少しでも減らしたいと思っています。
「全く苦しくない」というと語弊がありますが、「これくらいなら、早期胃がんを発見するために定期的に受けてもいいかな」と思っていただけるよう丁寧な検査をしておりますので、ご家族そろってお越しいただければと思います。
「全く苦しくない」というと語弊がありますが、「これくらいなら、早期胃がんを発見するために定期的に受けてもいいかな」と思っていただけるよう丁寧な検査をしておりますので、ご家族そろってお越しいただければと思います。