川西 正高先生(日本耳鼻咽喉科学会認定 耳鼻咽喉科専門医)にインタビュー
アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、中耳炎などの診断・治療に注力
治療は基本的に投薬で行っており、飲み薬やスプレー、目薬などの処方をします。現在は新型コロナウイルス感染症の影響で中止を余儀なくされていますが、以前はネブライザー(吸入器)を用いた治療も対応していました。今後感染症の流行が落ち着いたら、再開する見通しです。
なお、アレルギー性鼻炎は風邪との見分けがつきにくい疾患です。診察時には患者さまから「症状が現れる時間や場所」などを入念にヒアリングした上で、診断するように心がけています。
ちなみに、原因不明の症状をご相談いただいた場合には、まずエックス線検査で副鼻腔炎の有無を調べます。汚い鼻水が出ているようでしたら副鼻腔炎の可能性が高いので、患者さまにも分かりやすいと思いますね。目立つ症状がない慢性副鼻腔炎の場合も、丁寧にヒアリングを行って、原因の特定に努めています。
副鼻腔炎の治療方法は投薬が主です。2回から3回の通院で症状の緩和が見込めないようであれば、手術の必要性を判断いたします。急に顔面の痛みが出た、くしゃみがたくさん出るようになったなどの急性副鼻腔炎の場合は、抗生物質の処方で症状が落ち着く傾向にありますね。
基本的には抗生物質の処方がメインですが、症状が軽度であれば様子を見たり、鼻のお薬を出したりといった対応が可能です。最近は抗生物質の使い過ぎは望ましくないといわれているので、重症でなければ、処方は行わないのが当院の方針です。
お子さまの不調は小児科に相談することが多いかもしれません。しかし、耳・鼻・喉はつながっていますので、鼻水や耳の聞こえにくさなどのトラブルに関しては、耳鼻咽喉科へかかるとスムーズに治療が進む可能性もあります。
幼少期から鼻の疾患で苦労した経験が、診療対応に生かされている
子どものころはずっと鼻水が出ていて苦しかったので、鼻がつらくて大変だという状態は、理解できるつもりです。そういった実体験から耳鼻咽喉科に興味を持ち、現在では「日本耳鼻咽喉科学会認定 耳鼻咽喉科専門医」の資格を取得するまでに至りました。
自分で開院したのは、滋賀県の病院での勤務経験が長かったこともあり、「このまま滋賀県内で医師を続けていきたい」という思いがあったからです。勤務医だと県外転勤の辞令が出る可能性がありましたが、自分の医院を持てば転勤のリスクがないと思い立って、当院を開院させていただきました。
力を入れていきたいのは、親子でも通いやすい環境作りです。特にお子さまの診療に関しては、私自身が子どもの頃にしてもらって、うれしかったことを行うように心がけています。例えば、親御さまにだけヒアリングをするのではなく、お子さまからも話を聞く、目線を向けてコミュニケーションを取るなどの対応面などですね。自分が子どもの頃、先生に構ってもらえてうれしかった経験があるからこそ、同じことをしてあげたいと思っています。
0歳から100歳まで年齢問わず、耳・鼻・喉の関連性を考慮した治療を提供
赤ちゃんの場合は鼻が詰まりやすいため、呼吸や睡眠、ミルクを飲むのも難しくなって、つらい思いをしてしまう傾向があります。そういった症状によって毎日来院されている方もいらっしゃいますので、ちょっとした鼻づまりでも放置せず、ご相談にいらしてください。
開院すると、忙しさもあってどうしても新しい知識をキャッチするのが遅れてしまいがちです。そういった部分を補うという意味でも、日本耳鼻咽喉科学会認定 耳鼻咽喉科専門医の資格を持っていることが、時代の流れに沿った治療の提供につながっていますね。
なお、当院は直接来院しての受診が可能ですが、混んでいる時や事前予約が詰まっている時には、待ち時間が長くなってしまいます。特に花粉症のシーズンは長くお待たせする可能性が高くなりますので、できれば事前予約をしていただいた上でお越しください。