川崎 康寛先生(日本小児科学会認定 小児科専門医)にインタビュー
身体の一部ではなく全身を診られることに魅力を感じ小児科の道に進む
臨床研修で実際にいろいろな診療科目を回ってみて、小児科は眼科や耳鼻咽喉科のように、身体の一部分を診るのではなく、全身を診られるというところに魅力を感じました。子どものことも好きでしたし、小児科を教えていた先生たちとも性格的に合いそうだと感じ、小児科の道に進もうと決めました。
開業してからは、さまざまな疾患や症状のお子さまがご来院されますね。それこそ、幼稚園で引っかかれて顔に傷ができたというお子さまもいれば、性器が腫れたということでご来院されるお子さまもいます。大人の患者さまだったら、傷なら外科、性器のことなら泌尿器科と、別々の診療科を受診されることでしょう。小児科の場合は、お子さまの身体に関するお悩みであれば、とりあえずご相談にいらっしゃいますので、幅広い疾患の患者さまを診ていると思います。
勤務医時代に何でも診てきた経験が、今も役立っていると感じますね。今後も、地域のお子さまの健康に関する最初の相談窓口として、多彩な症状に対応できるようにしていきたいと思います。
起立性調節障害や夜尿症では心のケアも大切にして診療を行う
横たわった状態、立ち上がった状態など姿勢を変えながら血圧を測り、血圧に変化が生じるかどうかを確認する検査を行います。また、「朝、起きられますか?」、「車に酔いやすいですか?」といった問診を丁寧に行うことも大切にしていますね。
検査の結果、血圧に原因があれば、水分を十分に摂取するように指導をすると共に、血圧を上げる薬を処方することもあります。夜、寝付きにくいといった睡眠障害が起きている場合には、症状に応じて睡眠導入剤を処方するほか、生活指導やカウンセリグ的なことも行うようにしています。
感染を予防するためには、水痘ワクチン(※)を接種するしかありません。最近では、ワクチンの接種が浸透しているので、水ぼうそう(水痘)にかかる方は減っていますが、水ぼうそう(水痘)が疑われる場合には、洋服で隠れた部位や口の中までしっかりと確認するようにしています。
水痘ワクチンは、1歳になってすぐ1回目を、3カ月後に2回目を接種します。ワクチン接種は本人の重症化を防ぐことのほか、0歳児のお子さまがいるご家庭では、そのお子さまが水ぼうそう(水痘)にかかることの予防作用を期待できます。ワクチンを接種できない0歳児は感染すると重症化しやすく、年齢を重ねてから重い帯状疱疹を発症しやすくなります。1歳になったらワクチン接種を行うことが大事です。
(※)は、お住まいの市区町村によっては補助制度を利用できます。自由診療となる場合もありますので、料金表をご確認ください。
夜尿症の原因は、膀胱が大きくなりにくい、膀胱の緊張度が強い、抗利尿ホルモンの分泌が悪いなどさまざまです。まずは問診を丁寧に行うことを大切にしています。お話を聞くことは、カウンセリング的要素もあり、緊張を和らげることにもつながります。夜尿症の治療は、生活習慣の指導や行動療法など、お話をすることから始めますが、抗利尿ホルモンの分泌の異常が原因である場合には、お薬を使用することもあります。尿の濃さを見ることや、おねしょの量を聞くことで、ある程度、抗利尿ホルモンの分泌状態についても確認をすることができます。
夜尿症は、お子さま本人も親御さまもストレスを感じるので、内分泌の問題だけではなく心の問題も含めてケアをしていくことが大切です。
病児保育にも注力しつつ、親御さまの不安に寄り添う診療を目指す
たいしたことはできませんが、不安を抱えた親御さまの力になりたいという思いで、日々、お子さまにも親御さまにも寄り添った診療を行っています。少しでも心配なことがあれば、いつでも気兼ねなくご相談に来ていただきたいと思います。
また、診療に関しては、親御さまのどのようなお悩みにも対応できるよう、今後も新しい知識を吸収するための努力を続けていきたいと思います。「日本小児科学会認定 小児科専門医」として、今後も研鑽を積んでいきたいと考えています。
(※)料金は料金表をご確認ください。
お子さまに何かあった時のために、地域でいつでも気兼ねなく相談できるかかりつけのクリニックを作っておくとよいでしょう。親御さまの性格によって合う先生、合わない先生があると思いますので、何かあってからではなく、事前に探しておかれるのがよいと思います。何もないのに、院内の様子を見ることは難しいでしょうから、予防接種(※)の機会にでも、合うクリニックかどうかを見極めるとよいでしょう。
当クリニックにも、予防接種の機会を利用して、一度、ご来院いただければと思います。
(※)は、お住まいの市区町村によっては補助制度を利用できます。自由診療となる場合もありますので、料金表をご確認ください。