夢遊病の原因は?大人と子供でどう違う?病気が関係している可能性も
寝ていた人が夜中に歩き回ったり何かつぶやいたりし、そして何事もなかったかのようにまた眠るという不可解な行動をとることがあります。
これは夢遊病の特徴的な症状で、睡眠障害の一種です。
この記事では大人と子どもの夢遊病について、原因や考えられる病気をご紹介します。
夢遊病とは?
特徴
夢遊病は「睡眠時遊行症」や「夢中遊行症」などとも呼ばれる、睡眠障害の一種です。
子どもの病気と思われがちですが、大人にも起こる現象です。
寝ている間に無意識に行う不可解な言動を指し、本人は覚えていないことがほとんどです。
多くの場合、就寝から1~3時間ほど経ち深い眠りについた頃に症状が表れます。
夢遊病の症状
扉を開け閉めする・冷蔵庫の中のものを食べる・着替えて外出するといった行動をとることもあります。
発症のメカニズム
夢遊病が起こるメカニズムは解明されておらず、現在も研究が進んでいます。
ただし次のような条件下では、夢遊病の症状が出やすいとされています。
- 遺伝
- 脳が未発達
- ストレス
- 生活リズムの乱れ
- 環境の変化
夢遊病に近い症状
夢遊病には種類はありません。
しかし、夢遊病に近いものとして「夜驚症」「レム睡眠行動障害」「金縛り」「悪夢障害」「寝言」「歯ぎしり」などがあります。
年代別!夢遊病の原因
子供の場合
特に遺伝的要因が大きく、両親が夢遊病経験者である場合は約50%の確立で子どもに症状が表れるとされています。
中高生の場合
中高生の場合はストレスや疲労のほか、てんかんなどの持病が原因となっている可能性もあります。
大人の場合
大人になってから発症する夢遊病は、次のような生活習慣に原因があると言えます。
- ストレス
- 睡眠前のアルコール過剰摂取
- 騒音や照明など睡眠環境が悪い
- ほかの病気が関係している可能性も
大人の夢遊病には、ほかの病気が関係していることもあります。下記の病気が挙げられるでしょう。
- 閉塞性睡眠時無呼吸症候群:寝ている間の一定時間に喉や気道がふさがり呼吸が止まる病気
- てんかん夜間発作:脳の電気信号の乱れによって痙攣などの発作が表れる脳の病気
- 認知症:脳のはたらきが悪くなったり脳細胞が死滅したりすることで知能低下が生じる病気
夢遊病は放っておいていい?
夢遊病は、年齢によって治療を受けた方が良い場合とそうではない場合があります。
小学生以下であれば特に問題はなく、発育とともに症状もみられなくなっていくので様子をみましょう。
中高生や大人の場合は、ストレスまたは何らかの病気が関係している可能性があるため受診をおすすめします。
何科を受診すればいい?
夢遊病はストレスが関係していることが多いため、精神科や心療内科を受診すると良いでしょう。
夢遊病の原因や症状を把握するためにも、睡眠に関する記録を付けておくのがおすすめです。
その日にあったことや食べたものなど、些細なことでもメモに留めておくと診察時に手がかりとなります。
夢遊病を心療内科で相談
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夢遊病の治療方法
中高生以上の夢遊病は抗うつ剤の投与やカウンセリングなど、精神的なケアを優先して行います。
これらは夢遊病の症状そのものにはたらきかけるわけではありませんが、精神の根本にアプローチすることで改善が期待できます。
自分でできる夢遊病対策
子どもの夢遊病にはどう対処する?
子どもに夢遊病の症状がみられたときは無理やり起こそうとせず、やさしく声をかけながらベッドへ誘導してあげましょう。
本人は意識がはっきりしておらず、つまずいたり転倒したりする恐れもあるため、足場を整えておくことが大切です。
大人の夢遊病を改善するには?
「自覚はないけど家族に夢遊病を指摘された」という場合、自身の生活を振り返ってみましょう。
ストレスを抱え込んでいたり、アルコールを摂りすぎていたりすると夢遊病の原因となります。
リラックスできる時間を設けてストレスを発散し、就寝前の飲酒や過剰摂取を控えて質の良い睡眠をとると有効です。
まとめ
夢遊病は本人に自覚がないため、生活を共にする家族などに指摘されるまで気づけません。
子どもの場合は成長とともに症状も出なくなるため治療の必要はありませんが、大人は自身の生活習慣が原因となっている場合がほとんどです。
またほかの病気が隠れている可能性もあるため、何度も夢遊病を指摘されるようなら早めに病院を受診しましょう。
執筆・監修ドクター
経歴1986年 浜松医科大学 ・同大学院修了 博士(医学)卒業
埼玉医科大学精神医学教室,
2003年 石心会狭山病院(現埼玉石心会病院)精神科部長,
2007年 医療法人弘心会 武蔵の森病院副院長
2011年 医療法人弘心会 武蔵の森病院 院長
2019年 日本医療科学大学兼任教授
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