治らない手荒れ…進行性指掌角皮症かも!病院の治療と5つの予防法
毎日の料理や掃除、洗濯など、家事をする女性は、洗剤や水に触れる機会が多く、一年中手が荒れてしまっている方も多いですよね。
家族のために仕方ない、とあきらめてハンドクリームを塗ってごまかしていませんか?『たかが手あれ』ではありません。これは病気の1つでもあります。
きれいな手を取り戻すためにも、多くの方が悩んでいる手あれについてご説明致します。
別名「手あれ」!進行性指掌角皮症とは
一般的に私たちが“手あれ”と呼んでいるものは、実は症状がひどくなると、『進行性指掌角皮症(しんこうせいししょうかくひしょう)』という病気である可能性があります。
これは、利き手の指先に発症しやすく、その部分をかばって他の指先や手全体に症状がひろがることがあります。
1.症状
最初は、指先の皮膚が硬くなる“角化”や、“乾燥”が起こり、その後皮がむけたり、手のひら全体に症状が進行したりすることがあります。
ひどくなれば、痒みや湿疹、水ぶくれなどが起こることもあります。
2.かかりやすい人
肌が弱い人や冷え症さんは要注意!
『進行性指掌角皮症』は、誰にでも起こりうる病気ですが、元々肌が弱い方や血行不良でしもやけや末端冷え性など起こりやすい方、アトピー体質の方は、特になりやすい傾向があります。
発症しやすい生活習慣
手に刺激が多い作業を日常的におこなっている方も、『進行性指掌角皮症』になりやすいです。
このような方が発症しやすいです。
・家事を毎日行う主婦の方
・飲食業の方
・シャンプー・ヘアマニュキア・パーマ液などを扱う美容師
・お札を毎日数える銀行員
・パソコン仕事のように指先で細かい作業を行う方
・塗装業などで薬剤を扱う仕事の方
このような方は、手に刺激が多くなり、『進行性指掌角皮症』になる可能性が多いです。
とくに、高い洗浄力のある洗剤や高機能のものなどは、刺激が高いことも多くありまするので、注意しましょう。
さらに、近年デパートや商業施設などに必ずといっていいほど置いてある“除菌用アルコール”も、使いすぎてしまうと刺激がつよいのでリスクが高まります。によって手の刺激が強いので、どなたでも病気を発症させる恐れがあります。
病院で行う治療方法や期間
1.原因がわかっている場合
原因がわかっている場合は、その原因を取り除きます。症状が軽いときは、保湿剤だけでも治療することもできます。
しかし、手あれがひどくなり、炎症が起こってしまうと保湿クリームだけでの治療は難しくなります。
2.かゆみ・炎症がある場合
かゆみや炎症がある場合は、まずは炎症を抑えるためにステロイド剤にくわえ、保湿剤をあわせてつかいます。
そして、生活習慣のなかで手荒れの原因となっている習慣を少なくするための指導をおこないます。炎症が治ったあとは、保湿剤だけで治療していきます。
3.血行不良の場合
血行不良が考えられる場合は、血液循環をよくするために内服薬を使うこともあります。
4.治療期間は1ヶ月ほど
治療期間は症状によっても異なりますが、皮膚は約28日周期で生まれ変わるため、少なくとも1ヶ月は根気よく治療に専念しましょう。
医療機関で薬を処方されたら、自己判断で中止せずに、主治医の先生の指示に従って正しく使用することも、早く治すために大切なことです。
原因と予防
1.原因は皮膚のバリアが弱まってしまうこと
手に水や洗剤、薬剤など外部からの刺激が日常的にあると、皮膚のバリア機能が弱まり、『進行性指掌角皮症』が起こりやすくなります。このような方が発症しやすいです。
・家事を毎日行う主婦の方
・飲食業の方
・シャンプー・ヘアマニュキア・パーマ液などを扱う美容師
・お札を毎日数える銀行員
・パソコン仕事のように指先で細かい作業を行う方
・塗装業などで薬剤を扱う仕事の方
このような方は、手に刺激が多くなり、『進行性指掌角皮症』になる可能性が多いです。特に、高い洗浄力のある洗剤や高機能のものなどは、刺激が高いことも多くありますので、注意しましょう。
さらに、近年デパートや商業施設などに必ずといっていいほど置いてある“除菌用アルコール”も、使いすぎによって手の刺激が強いので、どなたでも病気を発症させる恐れがあります。
通常、私たちの皮膚には潤いがあります。その潤いを保つために、皮脂と天然保湿因子、角質細胞間脂質という3つの物質が関わっています。
しかし、手は他の皮膚にくらべ、皮脂が少なく、バリア機能となる皮脂膜も少ないのです。そのぶん皮膚表面にある角質層が厚いのですが、度重なる刺激により、角質層がけずれ、手あれがどんどん進行してしまうのです。とくに、冬は乾燥しやすいので症状が起こりやすいです。
2.進行性指掌角皮症 5つの予防法
元々手は乾燥しやすい場所でもあり、刺激を受けやすい場所でもあります。だからこそ、日々の生活で手への刺激を極力なくします。そこで、普段から心掛けたい手あれ予防策をお伝えします。
水仕事をする時は、綿手袋と防水手袋で予防
水仕事をする際は、防水手袋を使用します。ただし、ゴムやビニールは通気性が悪く、肌への刺激となりますので、直接防水手袋をつけず、綿手袋をした上にゴムやビニールなどの防水手袋をします。
お湯での家事はなるべくさける
お湯は、皮膚のバリア機能でもある皮脂を取りすぎてしまい、手あれの原因になります。
油がついた食器はお湯で洗うと汚れが落ちやすいですが、お湯で洗わず、つけおきした後、水を使って洗うようにします。
水仕事後のケア
水仕事後は、指と指の間に洗剤が残りやすいので、手に洗剤が残っていないか注意します。また、水仕事後は、しっかりタオルで手の水分を拭きとり、クリーム等で保湿します
頻繁に水仕事をしない工夫をする
家事はなるべくまとめて行います。食洗機や乾燥機などを上手に利用するのも有効です。
こまめにスキンケア
日々のスキンケアでしっかり保湿をします。仕事後は保湿クリームを塗り、その後綿手袋で覆っておくと、手の保湿が保たれるうえ、クリームで周囲を汚す心配がないのでお勧めです。
まとめ
病名の中にあるように、この手あれは“進行性”で、放置することでどんどん手全体に広がっていきます。
手あれした肌は赤ギレやひび割れが起こりやすく、そこから細菌が入り、炎症がひどくなって処置が大変になることもあります。
日頃から保湿を心掛け、また手あれが続くようであれば、医療機関へ行って適切に治療してもらうようにしましょう。
執筆・監修ドクター
経歴北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
を経て横浜栄共済病院 形成外科
2014年 KO CLINICに勤務
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長 就任
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