足がしびれやすい原因は?病気のことも。正座の痛みの予防法を解説!
長時間の正座などによって足がビリビリ、ピリピリとしびれることがあります。
痛みを伴う場合もあるので、できることならうまく対処したいものです。
この記事では足がしびれやすくなる原因と、病気の可能性について解説していきます。
足のしびれが起こる原因は?
1.正座やあぐらによる血管、神経の圧迫
この場合、一言でいうと酸欠が原因です。
正座やあぐらをすると下腿部(膝から足首までの部分)に体重がかかるため、周辺の神経や血管を圧迫してしまいます。
そうすると膝から膝下にかけて血行不良が起こるため、神経に酸素が行き渡らなくなってしびれが起こります。
「総腓骨神経」が大きく関係している!
総腓骨神経(そうひこつしんけい)とは、図のように枝分かれして下腿部を通る神経です。
そのためこの部分が圧迫されると、そこに繋がる様々な神経にも酸素が届かず、しびれの原因となります。
ちなみに総腓骨神経は皮膚表面に比較的近いため、正座やあぐらなどの影響を受けて圧迫されやすいと言えるでしょう。
病気の症状
正座などによる一時的なしびれでなく、病気の症状として現れる場合もあります。下記は、しびれの症状を伴う代表的な病気です。
1.腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症
背骨に通っている神経がヘルニアによって圧迫されたり、脊柱管(神経の通り道)が靭帯や骨のとげによって圧迫を受けたりすると、足のしびれや痛みが出ます。
しびれや痛みが日常生活に支障をきたすこともあります。
2.閉塞性動脈硬化症
足先に血液を送る太い動脈が硬化すると、血流が悪くなります。
血流が悪くなると酸素や栄養が足の神経に届かないため、しびれや痛みなどの症状が現れます。
動脈硬化がおこる原因としては、糖尿病・高血圧・脂質異常症・喫煙・肥満などが挙げられます。
3.糖尿病
糖尿病になると、血管が傷つくことで血流が滞ります。
すると上記と同様に足などの末梢神経に酸素や栄養が届かず、しびれが起こります。
糖尿の場合はほとんど常にしびれている状態です。
しびれが一時的ではなく日常的に起こる場合、すみやかに病院を受診してください。
足のしびれに関するQ&A
1.足のしびれを抑える方法は?
足がしびれたときは、まずはあぐらのような体制で左右の足首を上下に重ねます。
そのままかかとに向かって体を倒します(前のめりになるイメージ)。
血行を促進したり、圧迫していた箇所をほぐしたりする効果があり、しびれが軽減されるでしょう。
2.太っている人と痩せている人でしびれに差はある?
実際のところ、体重はあまり関係ありません。
太っている人は体重が重たい分、正座のときに足を圧迫する力が大きくなるという意見もあります。
しかし痩せている人は脂肪や筋肉が少ないため、その分ダイレクトに神経や血管への刺激を受けやすいとも言えます。
そのため、肥満が必ずしも足のしびれにつながるとは言えないでしょう。
足のしびれの予防法
1.足のしびれを予防する正座のコツ
座るとき
両足の甲を地にべったりつけて座ると圧迫されてしびれやすくなるので、片足の甲をもう一方の足に重ねて座ります。
その際、親指同士を重ね合わせてかかとは外側へ開くように座ると、足の甲が圧迫されづらくなりしびれを予防できます。
また膝頭をぴったりくっつけずに少し開いて座ると、膝の裏が圧迫されにくくなることでしびれを防げるでしょう。
正座の最中
正座による足のしびれを防ぐには、体の重心が膝側にくるよう意識します(前のめりのような状態)。
そしてときどき座ったまま重心を前後左右に移動させて、圧迫が一点に集中しないようにします。
また途中で上下の足を入れ替えて血流が滞らないようにし、しびれを予防します。
立ち上がるとき
立ち上がる直前はつま先を立ててかかとに重心を移し、しびれが早く取れるようにします。
このとき周りに分からないように、両足の内側をパンパンと両足で拍手するように叩き、血流の回復を促しましょう。
2.正座が必要な場面ではあらかじめ対策を!
タイトな服装を避ける
きつい服やピタっとした下着は体を締め付けるため、血行が悪くなってしびれやすくなります。
あらかじめ正座をすることがわかっている場合は、タイトな服装を避けましょう。
ゆったりとしたスカートがおすすめ
正座をするときは、ゆったりとしたフレアスカートなどの着用がおすすめです。
足元も隠れるため、周りに見えないようにさりげなくしびれ対策を行えます。
正座用のイスを使用する
正座用の小さなイスを使用すると、しびれを予防できます。
お尻が足に直接乗らないような造りになっており、ネットなどで購入できるので試してみるのも良いでしょう。
法事では後ろの席を選ぶ
法事などで席が決まっていないのであれば、後方の席を選ぶのも一つの手です。
後ろの方であれば、しびれた時に多少足を動かしても目立ちません。
3.しびれに耐えられる体をつくる
日頃からストレッチを!
筋肉量や生活習慣、慣れによってもしびれの頻度や度合は変動します。
そのためストレッチやトレーニングで、日頃から筋肉を慣れさせておく事が大切です。
普段から正座に慣れておく
普段から正座をする機会を増やして慣れることで、しびれの頻度が少しずつ減っていきます。
最初は短い時間から始め、徐々に時間を増やして長時間の正座に耐えられるからだをつくりましょう。
まとめ
正座やあぐらなどで足がしびれやすい方は、日頃からしびれに耐えられる体づくりをすることで対応できる場合があります。
法事などであらかじめ正座をすることがわかっているなら、今回紹介した正座のコツを参考に実践してみましょう。
しびれの原因が正座やあぐらはない場合は、病気の可能性があるので異変を感じたら速やかに病院を受診してください。
執筆・監修ドクター
経歴1995年 昭和大学卒業(形成外科)
1996年 慶應義塾大学(整形外科) ※以後、関連病院にて脊椎専門にて勤務医
2010年 久我山整形外科ペインクリニック 開院
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