
中村 剛先生(日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医)にインタビュー
どこに受診すべきかわからない泌尿器の悩みも相談できるように
また、患者さまが受診しやすいようハードルを低くすると共に、ただお薬を処方するだけではなく、生活習慣のアドバイスも含めて治療のご提案ができるような泌尿器科の医師でありたいと思っています。「日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医」として、専門性を活かした治療をご提案していきたいと考えています。
しかし、泌尿器科疾患は年齢を重ねたことによって起こる疾患も多く、手術である程度の改善は期待できるのですが、最終的に手術だけでは改善が難しい部分というのもあるのです。手術で改善できない部分について、どうやってよい方向に持っていくかを患者さまとお話しした上で、治療を組み立てていくようにしています。
勤務医時代は、おもに手術をたくさん行ってきましたが、開業してからは生活習慣の指導や投薬治療も含めて治療を行うようになり、治療の幅が広がったように思いますね。中には、投薬だけでは症状がなかなか改善されない方もいらっしゃいます。そういった場合には、検査や丁寧な問診を行うことで、診断そのものがそもそも合っているのかどうかというところから確認し、患者さまに合った治療をご提案できるように努めています。
「日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医」として、きちんと診断ができるというのは、強みだと思っています。その上で、投薬だけではなく、生活習慣も含めてお話しさせていただき、病気を総合的に管理していきたいと考えています。
生活背景も含めた問診、生活習慣の指導でお悩みを改善できるように目指す
また、前立腺肥大症だけが生じている方と、前立腺の炎症のような合併症も絡んでいる方がいらっしゃるため、検査を行った上でその方に合わせたお薬の組み合わせのパターンをご提案させていただきます。前立腺肥大症は、加齢と共に悪化していきお薬が増えていく傾向があります。あまりお薬を増やしてもきりがないので、年齢に応じたお薬の量をご提案していく必要があると思います。
膀胱炎は、再発される方が多い病気です。再発するということは、膀胱炎にかかりやすい何らかのファクターがあるということです。薬で治療するだけではなく、そこをきちんと突き止めた上で、原因から改善をしていかないと、何度も膀胱炎を繰り返して慢性化してしまう恐れもあります。
そのため、問診に力を入れて、睡眠は取れているか、ご多忙ではないか、抑うつ気味ではないかなど、どのような生活を送っているかを伺い、ファクターを探っていくように心がけています。生活の中で、何か問題と感じられることがあれば指摘し、私や看護師から改善のアドバイスを行います。膀胱炎になりにくい状況を作ることが大切だと考えています。
男性更年期障害は、聞き慣れない方も多く、あまり意識されない疾患ではないかと思います。健診では男性ホルモンの数値は確認しませんので、男性更年期障害は見過ごされてしまうことも多いです。検査で異常が見つからないと言われ、抑うつ気味だからと精神科を受診される方もいらっしゃいます。男性更年期障害を疑い、見落とされてしまっている疾患を発見するのが、「日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医」の仕事だと思います。
「日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医」の知見を活かした治療を提供
頻尿は、どのような生活を送っていらっしゃるかというお話を伺うと改善のための方法が見えてくることがあるのです。例えば、血がドロドロにならないために日頃から多くの水分を摂っている方が頻尿治療薬を飲んでも、あまり意味がありません。水分摂取量自体が多ければ当然尿の量も多くなるからです。そういった方には、生活習慣の見直しをご提案しています。
年を重ねると頻尿は仕方がないことと、ご本人もご家族の方も諦めている場合が多いのですが、夜間頻尿で寝不足になると健康寿命を縮めることにもつながりかねません。健康寿命を延ばすためにも睡眠をしっかりと取ることは大切です。頻尿改善のサポートをしていければと思っています。
健診では、PSA値が4ng/mL以上の場合、指摘することになっていますが、4ng/mLを超えていてもがんではない場合もありますし、4ng/mL以下でもがんの場合があるのです。PSA値が4ng/mL以上の方に対しては、きちんと検査を行って、がんかそうでないかを鑑別します。
がんの可能性がある場合には、がんの治療を行う方向に進みますし、がんの疑いがない場合には、患者さまの不安や心配を和らげられるように説明します。患者さまのがんに対する疑念や不安に対し、「日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医」の知識と経験をもとに対応していきたいと思っています。
「日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医」として、できるだけ新しい治療を患者さまにご提案できるように努めてまいります。
泌尿器科というと、男性の患者さまが多いというイメージが多いかもしれませんが、当クリニックには女性の患者さまも多くご来院されます。こちらとしては、できるだけハードルを低くしてお待ちしているつもりですので、まずは気兼ねなくご相談いただければと思います。